カーオーディオ・プロショップが薦める『初めてプラン』…スピーカー交換

“カーオーディオ・プロショップ”が薦める『初めてプラン』、全方位解説!! Part1「スピーカー交換」編
“カーオーディオ・プロショップ”が薦める『初めてプラン』、全方位解説!! Part1「スピーカー交換」編全 3 枚

「クルマの中で良い音が聴きたい」と考えている音楽好きなドライバーに向けて、カーオーディオの『初めてプラン』を紹介していく短期集中連載を開始する。毎回全国の有名“専門店”に取材し、音を良くするための有効な方法を具体的に聞き、その利点ややり方を解説する。

第1回目となる今回は、東京都日の出町にて店舗を構える実力店、“モービルサウンドテクノロジー(MST)”代表の小川さんに協力してもらい、「スピーカー交換」について多角的に教えを請うた。これが有効である理由や、スピーカー選びのコツ、取り付けに関すること等々を、詳細にお伝えしていく。

■純正スピーカーと市販スピーカーの実力には、相当に大きな開きがある。その理由とは…。

最初に、“スピーカー交換”が有効であるその理由から教えてもらった。

“カーオーディオ・プロショップ”が薦める『初めてプラン』、全方位解説!! Part1「スピーカー交換」編“カーオーディオ・プロショップ”が薦める『初めてプラン』、全方位解説!! Part1「スピーカー交換」編

「音の出口であるスピーカーのクオリティが上がれば、当然ながら聴こえてくる音の質感はグッと向上します。費用対効果を考えても“スピーカー交換”は、カーオーディオの『初めてプラン』としてとても有効だと思います。

なお、純正スピーカーが“フルレンジタイプ”の場合、つまりツィーターが設定されていない場合には特に、音質の向上幅は大きくなります。ドアに装着されているスピーカーだけで低音から高音までをスムーズにクリアに再生するのは不可能です。しかし市販スピーカーに交換すれば“ツィーター”を追加できますから、高音の再生力が相当に向上します。“まったくの別モノ”というくらい変わります。

“カーオーディオ・プロショップ”が薦める『初めてプラン』、全方位解説!! Part1「スピーカー交換」編“カーオーディオ・プロショップ”が薦める『初めてプラン』、全方位解説!! Part1「スピーカー交換」編

そして純正スピーカーが2ウェイタイプであったとしても、“スピーカー交換”の効果は絶大です。

理由は、“純正スピーカーと市販スピーカーの実力差が大きいから”です。

最近のクルマは、“コスト削減”と“軽量化”が推し進められています。走行性能や安全性に直接関係のない部分については簡素化が図られているのでしょう、純正スピーカーに潤沢にコストがかけられているとは到底思えません。また燃費性能も重要ですから、軽量化も進行しています。スピーカーについても金属製だったフレームが樹脂化されたり。しかしスピーカーは、軽くなるほどに性能を発揮しにくくなります。フレームや磁気回路は、屈強で強力である方が音には有利です。磁気回路には敢えて高級磁石が使われることもありますが、それは小型・軽量化を図るための措置であり、高音質を得ようとするためのものではありません。

ドアの内張りパネルを開けて純正スピーカーを見るにつけ、市販スピーカーとの性能の開きを実感します。純正スピーカーには多くを期待できません。ゆえに“スピーカー交換”は大きな効果を発揮してくれるんです」

■「価格的には5万円台以上のモデルがお薦めです。後悔することはないはずです」

続いては、スピーカーの選び方について聞いてみた。

「まずグレードですが、当店では5万円台のスピーカーからお薦めしています。市販スピーカーは1万円台からあり、それらも純正スピーカーと比べたら十分に高性能ですが、長く使えるモデルという観点で考えると、5万円台からだと思うんです。

というのも、5万円台以下のスピーカーでは、価格の違いによる性能差が結構大きいんです。例えば1万5000円のスピーカーと3万円のスピーカーとでは価格が倍違いますから、性能差もそれに比例します。5万円以上のスピーカーともなると、そこからまた倍近くの価格差があるわけで、満足度も相当に高まるんです。もっと良い物にしておけば良かったと後悔することはないと思います。

スペックでは、“能率”は参考になるかもしれません。外部パワーアンプの導入が視野に入っているのなら“能率”が低めのモデルでもOKですが、メインユニットの内蔵パワーアンプで鳴らす前提でしたら、“能率”が高めのモデルの方が向いています。小さめのパワーでも鳴らしやすいと思います。

とはいえ、スペックはそれほど気にしなくていいと思います。試聴した印象の方が大事ですし、それ以外の部分にこだわるのもアリだと思います」

■気に入ったモデルを選ぶことが重要。ロゴやルックスで選ぶのもアリ。

“それ以外の部分”とは、どのようなことなのかを教えてもらった。

「例えば、ブランドイメージが気に入っているとか、ロゴがカッコ良いとか、グリルが美しいとか。雰囲気や見た目で決めても良いと思います。ポイントはなんであれ、気に入った製品を買うべきだと思うんです。

悪いモデルはそうそうありません。どれも価格に相応しい性能は備わっていますから、音以外の部分に惹かれたとしても、性能について後からがっかりすることはないはずです。逆に、気に入ったモデルがあったのにそれを見送ってしまうと、やっぱりあれにしておくべきだったという気持ちが、後から湧いてきがちです。

そして、お店のアドバイスも参考にすると良いと思います。専門店であればいろいろな製品の音を知っているはずですし、お店の経験値を頼りにするのも手だと思います。

ところで、ブランドの“国”も参考になるかもしれません。一概には言えませんが、アメリカンブランドのスピーカーはヨーロピアンブランドの製品と比べて、大きな音で聴く前提で作られている傾向が強いです。パワフルに鳴らしたい場合は、アメリカンブランドのスピーカーが向いています。逆に、しっとりと鳴らしたい場合には、ヨーロッパや国産のスピーカーが向いていると思います。高級機になるほど対応力の幅も広がりますし決めつける必要はないのですが、迷ったときには参考にしてください」

■取り付けに掛かる費用は、“工賃”というよりも“技術料”。

“スピーカー交換”をする際の、取り付け工賃についても聞いてみた。

「お店によっても異なりますし、車種ごとの状況や取り付ける製品によっても変わってきますが、当店では大体以下のとおりです。コアキシャルスピーカー(フルレンジタイプのスピーカー)の場合ならば、8000円から1万2000円くらい、セパレートスピーカーの場合は1万5000円から1万8000円くらい、欧州車の場合は2万5000円から、これらが目安です。

ところで、取り付けに掛かる費用は、“工賃”というよりも“技術料”だと考えていただきたいですね。

スピーカーの性能を引き出すためにはさまざまなノウハウがあります。各専門店では、音を良くするためのセオリーを実践しながら取り付けていきます。例えばネジの締め方1つを取っても、音に効く順序で、最適なトルクで締めていきます。ただ取り付けているだけではないのです。

なお、いわゆる“デッドニング”と呼ばれる、ドア内部の音響的コンディションを上げるための作業は、取り敢えずは最低限のことだけにとどめておけばいいのではないでしょうか。もちろん、最初から手厚く施工した方が良い結果は得られます。しかし、まずは予算の多くをスピーカーの製品代にあてて“デッドニング”は後回しにする、というのはアリだと思います。そうして、予算ができたときに改めて“デッドニング”にも手を掛けると、音が良くなる感動を2回味わうことができますから。

また、ツィーターの取り付け方を変えても音が変わります。そういったことを後からいろいろとやってみると、都度音の進化を味わえます。そういう楽しみ方があるということを頭に入れておいていただきたいですね。“スピーカー交換”をしたら、そのスピーカーの良さを味わい尽くしてほしいと思います。じっくりと楽しんでいただきたいですね」

“モービルサウンドテクノロジー”の小川さんから教えてもらった話は以上だ。“スピーカー交換”は、リーズナブルに音質アップを行える有効な方法であることをご理解いただけたと思う。クルマの中でもっと良い音が聴きたいと思ったら、まずは“スピーカー交換”のご検討を、ぜひに♪

“カーオーディオ・プロショップ”が薦める『初めてプラン』、全方位解説!! Part1「スピーカー交換」編

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. トヨタ カムリ 新型、全車ハイブリッドに…今春米国発売
  2. シトロエンの新デザイン採用、『C3エアクロス』新型を欧州発表
  3. 40アルファードの静粛性が一変!調音施工で快適性が飛躍的に向上
  4. レゴ ブロック初心者再び! セナが愛用した「マクラーレン MP4/4」を組み立ててみたら感激した
  5. ジムニー愛好者必見! ベルサスVV25MXが切り拓く新たなカスタムトレンドPR
  6. トヨタ『ランドクルーザー250』発売、520万円から…特別仕様車も
  7. マツダ、新型3列シートSUV『CX-80』をついに世界初公開 日本導入時期は
  8. 【ホンダ N-BOX 新型試乗】アイデアの詰まった使い勝手はまさに「ニッポンの国民車」だ…中村孝仁
  9. レクサス『GX』通常販売は今秋に、先行して100台を抽選販売へ 価格は1235万円
  10. ヤマハ伝統の“白×赤”カラーがついに登場!ネオレトロバイク『XSR900』2024年モデル
ランキングをもっと見る