スバル 中村社長「完成検査問題は今回が最後」と”打ち止め”宣言[新聞ウォッチ]

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2018年11月6日付

●スバル追加リコール、10万台検査不正先月まで(読売・1面)

●経団連入会要件を緩和、純資産「1億円以上」新興企業に門戸(読売・9面)

●ソフトバンク値下げ静観、携帯電話料金「端末代、すでに分離」(毎日・7面)

●280キロ暴走「性能試した」書類送検の男、自ら動画投稿(毎日・27面)

●原油不安ひとまず回避、イラン制裁日本除外、ガソリン価格なお不透明(産経・3面)

●日産、10月中国新車販売5.5%減(日経・14面)

●パイオニア再建視界不良、頼みは自動運転地図、提携探る(日経・15面)

●トヨタ工場に複合現実、マイクロソフトCEO「車生産を短縮」(日経・15面)

ひとくちコメント

「完成車検査に関わる問題については必ずここで終わりにする」。当初の開始予定より2時間遅れで開かれたスバルの中間決算発表後の検査不正問題に関わる記者会見で、中村知美社長は「今回が最後」と“打ち止め”宣言した。

この日、スバルは新たに国土交通省に約10万台のリコールを届け出ると発表。不正が今年10月まで続いていたことが判明した。燃費・排ガスデータの改ざんなど昨秋以降相次ぎ発覚した検査不正に関わるリコールは、4回目で計約53万台に膨らんだことになる。

きょうの各紙も朝日が「スバル、国に報告後も不正 安全性能検査10万台リコール」、東京が「スバル、先月まで検査不正『昨年末で終結』一転」とのタイトルで1面トップ記事として報じている。他紙も1面や経済面で一連の不正問題について「またもや」とか「次々」とかの表現で、中村社長らの記者会見をベースに厳しい内容で取り上げている。

読売は「自浄能力乏しく」との見出しで「『ものづくりにこだわる』としたスバルブランドは失墜の危機に立たされている」と伝えている。朝日も「内部統制不全」として「ガバナンスの甘さを露呈した。現経営陣の責任が問われるのは必至だ。『安心と愉しさ』。スバルブランドを支えてきたスローガンへの信頼は地に落ちかけている」と手厳しい。

もっとも、「現経営陣の責任が問われる」といっても、中村新体制が発足したのはわずか4か月前。不正問題は7年前の2011年に社長に就任し、身の丈以上の拡大戦略を突っ走った吉永泰之社長時代の「負の遺産」が大きい。

その後始末を引き受けた中村社長は、決算発表を含め3時間に及んだ会見中も、沈痛な面持ちで「急成長にともなうひずみで、気のゆるみがいろんなところであった」と猛省し「本当に残念」という発言を繰り返していた。

今年も上場企業で大勢の新社長が誕生したが、スバルの中村社長ほど不運で不幸な経営トップはあまり見当たらない。

《福田俊之》

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