【WRC 最終戦】ラトバラ優勝、復帰2年目のトヨタが19年ぶりのメーカー王座を獲得…個人王座はオジェが6連覇

最終戦はトヨタの#7 ラトバラが優勝、トヨタはマニュファクチャラーズ王座を獲得した。
最終戦はトヨタの#7 ラトバラが優勝、トヨタはマニュファクチャラーズ王座を獲得した。全 10 枚

世界ラリー選手権(WRC)の2018年シーズン最終戦がオーストラリアで15~18日に開催され、トヨタが1999年以来通算4度目のマニュファクチャラーズタイトルを獲得した。ドライバーズチャンピオンにはセバスチャン・オジェ(M-SPORT FORD WRT)が輝き、個人6連覇を達成している。

トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)は昨季からWRCへのワークス参戦を再開、2年目の今季はマニュファクチャラーズタイトル争い首位の状況で最終第13戦オーストラリア(グラベル=未舗装路戦)を迎えていた。競技最終日を前にして、逆転個人王座にも可能性を残す#8 オット・タナクがラリーのトップ、#7 ヤリ-マティ・ラトバラが2番手、#9 エサペッカ・ラッピも5番手と、3台のトヨタ・ヤリスWRCは揃って上位につける。

最終日、#8 タナクはリタイアに終わることとなってしまいドライバーズチャンピオン獲得の可能性は消滅したが、#7 ラトバラが自身のシーズン初優勝を飾り、トヨタは年間5勝目をあげてマニュファクチャラーズタイトル(チームタイトル)を獲得した。トヨタの同タイトル獲得は前回のワークス参戦最終年だった1999年以来19年ぶりで、1993~94年の連覇を含め通算4回目。ワークス参戦再開2年目での頂点到達となった。

チーム総代表 豊田章男トヨタ社長のコメント
「WRCに18年ぶりに復帰し、2年目の挑戦にしてこんなにも素晴らしい結果を得られたこと、チームの総代表として最高の気持ちです! この栄冠を勝ち取るためにヤリスを強くし続けてきたトミ・マキネン(チーム代表)と、彼を支えてきた全てのチームメンバー、そして、そのヤリスを何があってもゴールまで走らせ続けてくれた6人のドライバー、コ・ドライバーたちに感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとう! そして、おめでとう!」

勝利とメーカー王座獲得を喜ぶラトバラとマキネン チーム代表。勝利とメーカー王座獲得を喜ぶラトバラとマキネン チーム代表。

「この挑戦が始まる時、トミやメンバーたちと“約束”したのは『自分たちは“負け嫌い”だ。一緒に勝利を手にしよう!』『そのために、常に“今のヤリス”が一番強くなっているようにしよう!』ということだけでした。走りきれなかった道、苦しめられた道を、もっと気持ち良く走るためにはどうしたらいいか? チームは常に、これを考え、日々改善を続けてくれました」

「そうして“昨日のヤリスより今日のヤリスがもっといいクルマになる”ということを実践してくれたからこそ、今回の結果が得られたのだと思います。そして、このトミたちとの“約束”は、今回の勝利(メーカー王座獲得)で終わるものではありません。『もっと乗り続けていたい』『もっと攻めてみたい』と世界各地の道で、ドライバーたちにそう言ってもらえるヤリスになるよう、これからもチーム全員で学び続けて参ります。そしてトヨタ自動車は、ここで得た学びをお客さまにいち早くお届けできるよう、努力して参ります」

最終戦を制した#7 ラトバラ(トヨタ)。最終戦を制した#7 ラトバラ(トヨタ)。

一方、ドライバーズチャンピオンの座には#1 セバスチャン・オジェ(フォード・フィエスタWRC)が就いた。最終日を前にした状況でもオジェが止まらない限りは逃げ切りタイトル獲得が有力と見られていたが、逆転タイトルの可能性を残していた#5 ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)と#8 タナクが最終日に相次いで戦線離脱となり、その段階でオジェの王座が決まる格好になっている(オジェは最終戦5位)。オジェはVW~フォードと乗り継いでの6連覇(V4+V2)達成で、来季はシトロエンに移って7連覇を目指す。

最終戦オーストラリアの2位はヒュンダイの#6 ヘイデン・パッドン。3位にはシトロエンの#10 マッズ・オストベルグが入り、4位はトヨタの#9 ラッピだった。なお、ラッピは来季をシトロエンで戦うことが決まっている。

歓喜に沸くトヨタ陣営。歓喜に沸くトヨタ陣営。

WRCは来季、1戦増となる全14戦が予定されており、1月の開幕戦モンテカルロから再び激闘が始まる。トヨタはタナク、ラトバラ、そして新加入となるクリス・ミークの布陣で、メーカー王座防衛に挑む。

《遠藤俊幸》

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