自動車の減税「最大4500円減」のカラクリ---高級車は1000円減、軽は恩恵なし[新聞ウォッチ]

排気量660cc超1000cc以下:ダイハツ・ブーン
排気量660cc超1000cc以下:ダイハツ・ブーン全 1 枚

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2018年12月12日付

●三菱自報酬委を設置へ、ゴーン被告解任で、経営監視強化(読売・10面)

●スバル役員2人検査不正で辞任(読売・10面)

●日産、今年最安値(読売・10面)

●毎年の自動車税、小型優遇、取得時の税増える車種も、自公税調が減税了承(朝日・2面)

●革新機構経産省に誤算、頼りの役員も辞任、認可ファンド清算(朝日・7面)

●ヤマハ発動機、四輪参入凍結「投資、回収難しい」(朝日・8面)

●ゴーンショック、「日産私物化」疑惑確信に、内部通報春から動いた内偵(朝日・35面)

●米車業界為替条項を要望、日本の通貨安誘導けん制(毎日・6面)

●中国、米車関税下げへ、15%に、摩擦解消へ譲歩か、通信社報道(毎日・6面)

●トラック用ナビ快走、規制避け時短、コスト減(毎日・7面)

●車課税「保有から利用へ」与党税制大綱、抜本改革を明記(日経・1面)

●役員報酬世界は今、米CEO日本の6倍(日経・3面)

●日産配当政策不透明に、純現金収支は6期赤字(日経・17面)

ひとくちコメント

「ゴーン逮捕劇」に振り回されているうちに、自動車ユーザーに影響を与える2019年度の税制見直しの大枠が固まってしまったようだ。自民、公明両党の税制調査会が、与党税制協議会を開いて、2019年度改正に向けた調整を行い、大筋で合意したという。

きょうの朝日や日経などが報じているが、それによると、焦点の自動車関連では、環境性能が良い車への優遇措置「エコカー減税」の対象車を絞り込むなどして財源を捻出し、ユーザーが毎年支払う「自動車税」を最大で年間4500円を恒久的に減税する方針だそうだ。消費税率が10%に引き上げられる2019年10月1日以降に新車新規登録を受けた自家用乗用車から減税対象になるという。

もっとも、「最大4500円」の減税額の対象は、現在2万9500円の排気量660cc超1000cc以下で、3万4500円の1000cc超1500cc以下では「4000円」、3万9500円の1500cc超2000cc以下では「3500円」、さらに、4万5000円の2000cc超2500cc以下で「1500円」、5万1000円の2500cc超で「1000円」などと500円単位の小刻み。ちなみに、軽自動車は現行のままで減税の対象外。

自動車関連の税制については、5月に再登板した日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)らが「日本の車ユーザーの税負担は世界でも高く、『国際基準にすることが必要』」などと述べ、「軽自動車並み」の恒久的な減税を求めていた。その意味では業界団体などの要請に応えた格好だが、カラクリもある。

きょうの朝日などが取り上げているが、消費増税後は「取得税」を廃止し、自動車購入時にかかる燃費課税「環境性能割」を来年10月の消費増税後の1年間に限り、税率を1%分軽減する。とはいえ、消費税率の引き上げによって消費税負担は増える。これを含めれば、取得時の税負担が増える車もあるようだ。

さらに、きょうの日経によると、電気自動車(EV)やカーシェアリングの普及を受け、自動車関連税制の抜本改革に着手する方針で、「保有から利用へ」と明記し、今後は走行距離などに応じた課税を検討する見通しだとも伝えている。具体化は20年度以降という。

ガソリン代や高速道路料金など走行時には大きな負担を強いられているが、マイカーを持つことは「走る歓び」という感動を与えてくれるからだと思っている。それに加えて、さらに走れば走るほど課税されるのであれば、ドライブの回数を控えるしかない。車を庭に飾る「オブジェ」として購入する人であれば話は別だが……。

《福田俊之》

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