フェアレディのルーツ、ダットサンスポーツデビュー60周年記念、新装版登場

『ダットサン/ニッサン フェアレディ』
『ダットサン/ニッサン フェアレディ』全 2 枚

『ダットサン/ニッサン フェアレディ』
日本初のスポーツカーの系譜 1931~1970
著者:当摩節夫
発行:三樹書房
定価:4320円(本体価格:4000円+税)
発売:2018年12月25日
ISBN978-4-89522-701-8

日産『フェアレディ』のルーツとなるダットサン『スポーツ』S211型が1958年にデビューし、今年で60周年を迎えた。それを記念して、歴代フェアレディや、ダットサンスポーツの変遷を当時のカタログなどでたどった記念本が刊行された。

1958年10月、後楽園競輪場で開催された第5回全日本自動車ショウで発表されたダットサンスポーツS211型は、988cc直列4気筒OHVエンジンが搭載され34psを発揮。最高速度は115km/hと発表された。日産の吉原工場で生産されたがその生産台数は18から20台にとどまった。そこで販路をアメリカに求め左ハンドルの輸出仕様車として1960年に登場したのがフェアレディ(SPL212)だった。

本書は、このS211型をはじめSP、SRなどが中心に述べられ、前半ではそのモデルに関する解説のほかに、S211型のプロトタイプともいえる、1957年11月に開催されたダットサン1000の発表会に展示された試作車の貴重な写真や、S211型の次の試作車となるA157Xの写真と解説も記されているので、フェアレディの系譜を知るうえで貴重な書籍となっている。

ダットサンスポーツS211型ダットサンスポーツS211型

また、後半のカタログのパートでは戦前のダットサン、ダットソン号から様々なダットサンスポーツカーに関するカタログや貴重な資料がカラーで掲載。さらに日本国内だけでなく海外向けカタログも見ることができるのも貴重だ。また、1965年に発売された初代『シルビア』も、そのプロトタイプであるダットサンクーペ1500から見ることができるのも本書ならではといえるだろう。

なお本書は“ダットサン/日産フェアレディ 日本初のスポーツカーの系譜 1931~1970”(2017年1月10日刊)をベースにダットサンスポーツS211型誕生60周年を記念し、ブラックを基調としたカバーデザインに一新した新装版である。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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