商用バンの代名詞「プロサク」がハイブリッド化、乗ってわかった“じわじわと”売れる理由

商用バンの代名詞「プロサク」がハイブリッド化

驚きの乗り心地と燃費性能

ハイブリッド車の販売比率は35%に

トヨタ プロボックスハイブリッド
トヨタ プロボックスハイブリッド全 26 枚

商用バンの代名詞「プロサク」がハイブリッド化

「働く人を元気にしたい」と銘打って2002年に登場した『プロボックス』『サクシード』は、この16年間で累計販売台数が90万台超、今や商用小型バン市場でシェア67%を誇るベスト&ロングセラー車だ。

そんなプロボックス/サクシードが昨年12月にマイナーチェンジし、待望のハイブリッド車が追加された。今回の改良では他に、自動ブレーキが歩行者検知対応(昼間のみ)になったほか、イモビライザーやUSBポートの標準装備、スマートフォンなどを置けるマルチホルダーの大型化などが行われている。

試乗したのはプロボックスのハイブリッド車。ハイブリッドシステムは、『アクア』などと同じ1.5リットルエンジンの「THS II」だが、こちらはボタンスタートではなく、キーを回して始動する。キーをひねってもスターターが回らず、静かなままなのがハイブリッド車の証だ。

驚きの乗り心地と燃費性能

トヨタ プロボックスハイブリッドトヨタ プロボックスハイブリッド
モーターで力強く発進するところはアクアや『ヴィッツハイブリッド』によく似ているが、加速時に聞こえるエンジン音はそれらよりもやや大きめ。しかしエンジン車と比べれば当然ながら静かだし、アイドリングストトップから再始動する時の煩わしさもない。遮音材などはほとんど追加していないという。

驚いたのは乗り心地がいいこと。最大積載量(2名乗車時)はエンジン車で400kg、ハイブリッド車で350kgあるので、空車時の乗り心地はどうしても硬めになりがちだが、ハイブリッド車ではまったくそんな感じがしない。荷室には積載時の状態を再現するために計60kgの段ボール箱が積んであったが、それを差し引いても乗り心地は滑らか。
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開発者によると、これには駆動用モーターのトルクを路面の凹凸に応じてリアルタイム制御し、ピッチング等を抑制する「ばね上制振制御」が効いているという。他のトヨタ製ハイブリッド車同様、市販車で制御のオン/オフを試すことはできないが、制御ありとなしとでは全く違うそうだ。

肝心の燃費性能は、JC08モードが27.8km/リットルで、1.5リットルエンジン車(FF)の19.6km/リットルと比べると1.4倍以上。ハイブリッド車が得意とする市街地や渋滞路なら、もっと差が広がるだろう。アクアやヴィッツハイブリッドほどモード燃費が良くないのは、積載時でもキビキビ走るようにギア比を少し低めにしたからだという。

ハイブリッド車の販売比率は35%に

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また、ハイブリッド車は後席下に駆動用バッテリーを搭載する分、燃料タンク容量が制限されがちだが(アクアやヴィッツハイブリッドは36リットル)、プロボックス/サクシードのハイブリッド車ではわざわざ樹脂製燃料タンクを新開発して42リットルを確保している。ここまで手間をかけたのは、エンジン車と燃費性能で差が出にくい高速道路でも、50リットルタンクを装備するプロボックス/サクシードのエンジン車と同等の航続距離を確保するためだ。

エンジン車とハイブリッド車の価格差は27万円。これは、通常なら30万円以上の価格差が生じるところを、維持コストにシビアな商用車ということで頑張って圧縮した結果。リース販売が多い商用車では、新型が出たからと言って販売台数が急に増えることはないそうだが、直近の販売比率はハイブリッド車が35%となっているほか、従来より上級グレードが売れるようになるなど、売れ筋も変わってきたという。

これを機に今後は商用車もハイブリッド車が主流になる。そう思わせる商品力を感じた。

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《丹羽圭@DAYS》

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