長崎県長崎市の長崎電気軌道(長崎電軌)は2月1日、他事業者から譲渡された150形151号、700形701号、1050形1051号の3両が3月30日限りで引退することを明らかにした。
長崎電軌では「動く電車の博物館」として、自社以外の歴史的な車両を導入し、動態保存を行なってきた。今回引退することになった151号は元箱根登山鉄道、701号は元東京都電、1051号は元仙台市電の車両で、イベント用に使用されていたが、「動態保存の維持管理が困難になったため」として引退の運びとなった。
これに伴ない3月9日は151号、3月16日は701号、3月23日は1015号のさよなら運行を、各日午前と午後にそれぞれ3号系統~2号系統のルートで実施する。時刻は浦上車庫10時発~長崎駅前10時16分発~蛍茶屋10時26分着・10時34分発~出島10時52分発~浦上車庫11時11分着・14時55分発~長崎駅前15時11分発~蛍茶屋15時21分着・15時30分発~出島15時46分発~浦上車庫16時05分着。
また、最終日となる3月30日にはさよなら撮影会とパレード運行を行なう。さよなら撮影会は10時から12時まで浦上車庫で開催され、参加には3月8日17時まで長崎電軌のウェブサイトでの申込みが必要。
元東京都電杉並線で運行されていた700形701号。1955年にナニワ工機(現・アルナ車両)で製造され、杉並線時代は2000形を名乗っていたが、都電の路線縮小により1969年7月に長崎入りした。杉並線は軌間1067mmだったが、1962年の杉並線廃止後は軌間1372mmの都電本線へ転出。長崎電軌は軌間1435mmのため、異なる3つの軌間で運行された希有な車両でもある。パレード運行は浦上車庫14時00分発~長崎駅前14時15分発~市民会館14時19分発~蛍茶屋14時26分着の時刻で行なわれ、1051号、701号、151号の順に走行するが、市民会館以遠では3両続けての運行が困難になるとしており、蛍茶屋到着後は続行運転が行なわれず、3両が随時運行され浦上車庫に入庫する。