【旅エッセイスト国井律子が選ぶ、キャンパー5選】#2 まさに「秘密基地」な軽キャンパーの世界

東和モータース/インディ108メイサイ(ジャパンキャンピングカーショー2019)
東和モータース/インディ108メイサイ(ジャパンキャンピングカーショー2019)全 9 枚

「流行っている」というのは知っていました。テレビやインターネットなどメディアで特集が組まれていたり、実際旅に出ると軽キャンパーに乗った年輩ご夫婦をよく見かけるから。

やはり車体がコンパクトなので誰でも運転しやすく、車両価格や維持費が安いことから、軽キャンパーは手軽に楽しめるキャンピングカーとして大注目のカテゴリーだそうです。「ジャパンキャンピングカーショー2019」でもたくさんの軽キャンパーが出展。どのクルマも特色豊かで見ごたえがありました。


私はジブンが小柄なので、その反動かクルマもオートバイも大きめが好み(笑)。だから今回生まれて初めて軽キャンパーの車内を拝見したのですが、 いやー、よくできてる! と、驚きっぱなし。

限られたスペースのなかにミニキッチンが付いていたり、リビング・ダイニング、寝室、さらには工夫が凝らされた収納の数々! ……収納、じつは私の趣味のひとつでもあるのですが、軽キャンパーの「かゆいところに手が届く」繊細かつ賢い収納の世界に一気に引き込まれてしまいました。

しかもこの引き出しを開けると水タンクが。あのツマミを引っ張れば新たな収納がスライド方式でコンニチハ。わ! まさかこのなかにテーブルが入っていたとは~! 私ったらひとり、テンションアップしてしまいました。


軽キャンパーは無駄がなく、かつ機能的で、ひとつの世界として完成されていました。こういうのって「日本狭し」なわが国のお家芸かもしれませんね。また、コンパクトな車体ゆえに趣味を充実させることもできそうです。

たとえば毎週末あちこちで開かれる自転車のサンデーレースに夫婦で出場したり、細い山道をずんずん突き進み渓流釣りに没頭したり...。

軽キャンパーと言えば気になるのはやはり居住性。たしかに一般的なキャンピングカーと比較したら、こじんまりした感じは否めないものの、ひとたびポップアップルーフ(クルマの屋根部分に取り付けられたテント形状の居住空間)を跳ね上げれば、気持ちよい開放感が得られます。


軽キャンパーが旬の存在感を幕張メッセでキラキラと放つなか、私がとくに気になったのは「ホワイトハウス」のN-VAN。まず黄色いカラーリングが目を引き、クルマと連結するように取り付けられたプライバシー・テントに、なんだかアウトドアの風を感じる……。


テントのなかにお邪魔すると、テーブルやチェアがいい感じにレイアウトされており、まるで立派なリビングです。ひとりでふらり旅したり、はたまた家族でわいわい湖畔でキャンプをしたり、どんなカタチでも楽しめそう。軽のコンパクトさを最大限に活かした、自然と仲良くなれる「秘密基地」に、私は思いを巡らせるのでした。

国井律子/Ritsuko Kunii
1975年8月25日東京生まれ。旅のエッセイスト。玉川大学文学部芸術学科芸術文化専攻卒業後ラジオレポーターなどを経て二輪雑誌からエッセイストとしてデビュー。オートバイのほか旅、クルマ、サーフィン、アウトドアなど多趣味を生かしエッセイを執筆。著書に「放浪レディ」(求龍堂)、「アタシはバイクで旅に出る」(エイ出版)など多数。近著に「進化する私の旅スタイル」(産業編集センター)がある。

【旅エッセイスト国井律子が選ぶ、キャンパー5選】#2:いまホットな"軽キャンパー"の世界に迫る

《国井律子》

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