ボルボ S60 日本初披露…ポールスターバージョンもありそう

ボルボ ポールスターエンジニアード(アメリカ仕様)
ボルボ ポールスターエンジニアード(アメリカ仕様)全 28 枚

ボルボ・カー・ジャパンは一部報道陣に向けて、今秋以降に日本でも発表予定のセダン、『S60』のアメリカ仕様を公開した。

セダンであっても理想的なプロポーション

ボルボ ポールスターエンジニアード(アメリカ仕様)ボルボ ポールスターエンジニアード(アメリカ仕様)

新型S60は日本でも販売が開始されている『V60』のセダン版と位置付けられ、テクノロジー面ではV60と共通だ。デザインはコンセプトカー三部作の最初に登場した『コンセプトクーペ』の、「サイドビューからリアにかけてのイメージがうまく生かされている」とは、ボルボ・カー・ジャパンマーケティング部プロダクトグループプロダクトスペシャリストの岡田勝也さんの弁。

またV60と同様に、「理想的な、ベストプロポーションを得たことが先代S60と比較し大きく変わったところだ」という。ダッシュtoアクセル(フロントホイール中央からAピラーの付け根までの距離)を長くとることで、よりプレミアム感を向上させているのだ。「これはプロポーションなので簡単に変えることはできない、このクルマの格好良さを決定づける大きな要素だ」とコメントする。

ボルボ ポールスターエンジニアード(アメリカ仕様)ボルボ ポールスターエンジニアード(アメリカ仕様)

現在アメリカでは「日本のV60でも導入しているT5ガソリンエンジンと、日本のカタログモデルにはないT6AWDのハイパワーバージョン。そしてプラグインハイブリッドのT8がラインナップ」され、今回展示されたモデルは、このT8のRデザインをベースにした“ポールスターエンジニアード”という極めて特別なモデルだ。

新生ポールスターのコンプリートカー

ボルボ ポールスターエンジニアード(アメリカ仕様)ボルボ ポールスターエンジニアード(アメリカ仕様)

このモデルについて岡田さんは、「先代のS60やV60のポールスターコンプリートカーに代わる存在だ」という。ポールスター社は2017年、EVに特化したブランドとして新しいスタートを切った。このT8ポールスターエンジニアードは、プラグインハイブリッドモデルをベースにした初のチューンドカーで、「新生ポールスターの電動化ブランドと、これまでのパフォーマンスをアピールする特別なモデルというポジションをミックスしたもの」と説明。

大きなポイントは足回りに集中しており、「オーリンズと共同開発のデュアルフローバルブを採用し、以前は硬さの調整にはジャッキアップするか、下に潜って調整する必要があったが、新型ではボンネットを開けて上からできるようになった」と述べる。

ボルボ ポールスターエンジニアード(アメリカ仕様)ボルボ ポールスターエンジニアード(アメリカ仕様)

また、「フロントブレーキシステムはブレンボとの共同開発で、キャリパーはゴールドカラーが施され、遠目にもただものではない印象を与えている」という。そのほか、これまで同様エンジンマッピング等のポールスター独自のソフトウェアによる性能向上が図られている。

生産台数は非常に限られており、「大量生産は想定していない。世界的にも年間数百台レベル(これまでのコンプリートカーは年間700台レベルでそれよりもかなり下回る)になるだろう」と岡田さん。さらに「各マーケットに割り振られる台数も限られたものになるはずだ」とのことだった。

ボルボ ポールスターエンジニアード(アメリカ仕様)ボルボ ポールスターエンジニアード(アメリカ仕様)

なお、S60自体は、『S90』とは違い、通常のカタログモデルとして導入される予定だ。

アメリカ工場の第1弾

ボルボ ポールスターエンジニアード(アメリカ仕様)ボルボ ポールスターエンジニアード(アメリカ仕様)

このS60は、アメリカのサウスカロライナに建設された新工場のみで製造され、そこからスウェーデンやヨーロッパ、日本を含めた各国に輸出される。この工場はS60から生産が開始。岡田さんは、「この背景には、それぞれのモデルで一番のマーケットで生産しようという考え方がある」とし、S60のメイン市場がアメリカであることを示唆した。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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