「乗り手を選ばぬオールマイティな1台に」インディアン FTR1200 開発者インタビュー…東京モーターサイクルショー2019

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開発ディレクターを務めたベン・リンダマン氏とインディアンFTR1200/S
開発ディレクターを務めたベン・リンダマン氏とインディアンFTR1200/S全 25 枚

東京モーターサイクルショー2019で本邦初披露となったインディアンモーターサイクルの新型ストリートバイク『FTR1200』および『FTR1200S』。会場には開発ディレクターを務めたベン・リンダマン氏(ポラリス社)の姿もあり、じっくり話を聞くことができた。

フラットトラックを席巻するFTR750レプリカ

----:FTR1200とはいったい、どんなオートバイなのでしょうか。

リンダマン氏(以下敬称略):Born on the Dirt, Buit for the Street…。ダートで生まれ、ストリート向けに開発されました。アメリカンフラットトラックレーサー『FTR750』のデザインやスタイリングにインスピレーションを受けた公道向けモデルです。

インディアン FTR1200/Sインディアン FTR1200/S

----:アメリカンフラットトラックにインディアンモーターサイクルは2017年にカムバックし、復活1年目にしてシリーズチャンピオンを獲得。すると翌18年シーズンも圧倒的な強さを見せつけ連覇し、まさにシーンを席巻していますね。

リンダマン:アメリカの伝統あるレースの歴史に、再びインディアンモーターサイクルの名を刻むことができ、とても嬉しいです。17年は全18戦中14勝、表彰台独占3回。18年は全18戦中17勝、表彰台独占13回でした。

----:あまりにも強いということで、19年シーズンは「インディアン以外の車両のスロットルボディは40mm、FTRは38mmに制限する」と、レギュレーションが変更されましたが、そのハンデを伴って迎えた開幕戦デイトナTTでも、見事に1-2位のフィニッシュでしたね。

インディアン FTR1200/Sインディアン FTR1200/S

オールマイティに使えるスポーツバイクへ昇華!

リンダマン:そのFTR750の高い技術力が、FTR1200にもフィードバックされているのです。フューエルタンクをシート下に配置し、低重心化とマスの集中により扱いやすいハンドリングを実現しましたし、専用開発の鋼管トレリスフレームやスイングアームで、剛性の最適化と重量の低減を達成しています。

最高レベルのパフォーマンスを発揮すべくGPライダーやインディアンのワークスチームであるレッキングクルーの手により100万マイル以上のシミュレーションライドと、何万マイルもの公道テストを繰り返しました。ただし、フォーカスしたのはアスファルトの上で、決して一部のレースファンのためだけのモデルではありません。エキスパートを唸らせる高いポテンシャルを持ちながら、ビギナーや女性も含め幅広いユーザーに乗ってもらいたいと考え、開発されています。

----:フラットトラックレーサーレプリカでありつつ、オールマイティに使えるストリートバイクでもあるということでしょうか。

リンダマン:はい、乗り手を選びません。専用開発の水冷60度VツインDOHC4バルブ1203ccエンジンは120PSを発揮し、とてもパワフルですが、フラットなトルク特性で扱いやすいパワーデリバリーを実現しています。

インディアン FTR1200/Sインディアン FTR1200/S

先進装備を満載にした上級仕様も同時リリース

リンダマン:上級仕様となる“S”には、リーンアングル連動(傾斜角検知)のスタビリティコントロール、ABS、トラクションコントロール、ウィリーコントロールも標準装備し、スロットルレスポンスとトラクションコントロールの介入レベルの異なる3つのライディングモード(スポーツ、スタンダード、レイン)も備えました。

----:素で持っている高いスポーツ性能に加え、先進技術も満載にし、乗り手を選ばないモデルになったということですね。

リンダマン:FTR1200Sのメーターは、4.3インチのライドコマンドLCDタッチスクリーンにグレードアップされまして、Bluetooth接続によってデバイスの音楽コントロールが可能となるなど電子機器に慣れ親しむ若いユーザーにも好まれると思います。

インディアン FTR1200/Sインディアン FTR1200/S

純正アクセサリーで、自分好みの1台へ

----:たしかに、カタログやウェブサイトにはさまざまなシーンの写真が使われていて、ワクワクしてきます。

リンダマン:自分好みの1台に仕上げられるようカスタムパーツも充実させて、さまざまな楽しみ方に対応できるようになっています。「TRACKER COLLECTION」では、アップタイプスリップオンマフラーやダートトラックシートなど全10点のキットでより戦闘力を高めたレーサースタイルとなりますし、「RALLY COLLECTION」にはアルミ製スポークホイールやマッドガード、ラリーハンドルバーなど全14点のパーツがあり、走破性の高さをいかんなく発揮できるでしょう。

また「SPORTS COLLECTION」では、ローマウントスリップオンマフラーやカーボン製フロントフェンダーなど全4点が設定され、ワインディングなどでエキサイティングな走りを追求できる軽快なスタイルに。「TOUR COLLECTION」にはウォータープルーフのメッセンジャーバッグやウインドシールドなど全9点のキットを用意し、ツーリングにも最適な仕様に仕上げることができるのです。

インディアン FTR1200/Sインディアン FTR1200/S

ライバル、ハーレーのように電動や小排気量は?

----:これまでのインディアンモーターサイクルは、大排気量クルーザーというセグメントが市販ラインナップでは中心でしたが、FTR1200/Sのようなスポーツモデルが登場してくると、より小排気量のモデルや他のカテゴリーにも、という期待をせずにはいられません。同じアメリカンモーターサイクルブランドのハーレーダビッドソンが、250~500ccモデルを計画していたり、アドベンチャーや電動など路線拡大への動きが見られますが、インディアンもライバルに追従していくのでしょうか。

リンダマン:今後のことをここでお話することは難しいですが、我々はジャンルやカテゴリーにとらわれているわけではありませんので、常にどんなモデルの開発にも着手する可能性はありますし、すでにさまざまなものに挑戦し続けています。

開発ディレクターを務めたベン・リンダマン氏開発ディレクターを務めたベン・リンダマン氏

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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