【ベントレー コンチネンタルGT 新型試乗】人生の高みへ挑戦し続ける人に似合う…藤島知子

宝石のように美しい

常にドライバーのコントロール下にある

クルマの“咆哮”に胸が騒ぎだす

ベントレー コンチネンタルGT 新型
ベントレー コンチネンタルGT 新型全 15 枚

宝石のように美しい

1919年に設立され、ラグジュアリーカーの世界をリードしてきた、英国の名門自動車メーカー「ベントレー」。そのラインナップのうち、車両価格が2000万~3000万円クラスの市場を盛り上げてきた立役者がベントレー『コンチネンタルGT』だ。2018年に3代目が登場したが、日本におけるベントレーの販売の4割を担うモデルに成長している。

クラフトマンシップを惜しげもなく用いて丁寧に造り上げたボディはまるで宝石のように美しい。フロントフェンダーからヘッドランプ付近に繋がるパワーライン、リヤフェンダーの盛り上がりは紛れもなくベントレーのモデルを象徴するフォルムが受け継がれている。
ベントレー コンチネンタルGT 新型ベントレー コンチネンタルGT 新型
インテリアはモダンラグジュアリーなムードにアップデートされており、最高品質のレザーがダッシュボードやシートに張り巡らされている一方で、ピアノのように艶めくブラックのインパネやセンターコンソール部には、ドライバーズカーとして必要な機能性が共存している。

Apple CarPlayに対応するインフォテイメントシステム、運転支援も充実させるなど、VWグループとして今クルマを購入する上で欲しい新世代を感じる快適装備が充実しているあたりも嬉しい。

常にドライバーのコントロール下にある

ベントレー コンチネンタルGT 新型ベントレー コンチネンタルGT 新型
試乗コースは、ベントレーモータースジャパンの品川のオフィスから千葉の館山までを往復する日帰りドライブ。運転席に乗り込み、街を走り出すと、W12気筒、6リットルのツインターボのユニットを搭載したクルマでありながら、スムーズな身のこなしをみせることに驚かされる。

一見すると、そのボディは全長4880mm、全幅1965mmという、日本の道路環境では扱いにくそうな大きさながら、アクセルペダルに力を込めただけ前に進むことができる車速のコントロール性の良さ、踏んだだけ車速が削れるブレーキなど、車体の動きが常にドライバーのコントロール下に置かれていることでプレッシャーを与えない。

何より、美しいデザインを実現しながらも、運転席からの死角をフォローする工夫も満載。例えば、車線変更時に自車の右後方に併走するクルマが隠れていた場合、ドアミラーのランプでリスクを知らせるブラインドスポットモニターが用意されていたり、駐車時に重宝するバックモニターが装備されているあたりもありがたい。

クルマの“咆哮”に胸が騒ぎだす

ベントレー コンチネンタルGT 新型ベントレー コンチネンタルGT 新型
高速道路では、走行モードを「Comfort」にすると、まるで絨毯の上を舐めるように優雅にゆったりとした走りで、長距離移動の道のりを快適に過ごすことができる。その一方で、「Sport」に切り替えてアクセルペダルを踏み込むと、8速のデュアルクラッチトランスミッションが持ち前の変速レスポンスの良さを存分に活かし、6リットルツインターボが秘めたパワーを惜しげもなく発散してみせる。

リヤを沈み込ませながらアグレッシブに駆け抜ける際にエンジンとエキゾーストがもたらす咆哮は、華やかなイタリア車の世界とも異なるサウンドをもたらし、胸が騒ぎ出す感覚がたまらない。

富と豊かさを手にして望む景色は最高のもので、人生で高みを目指して挑戦し続けるマインドの持ち主に似合う一台となりそうだ。
ベントレー コンチネンタルGT 新型ベントレー コンチネンタルGT 新型

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★★

藤島知子|モータージャーナリスト
幼い頃からのクルマ好きが高じて、2002年からワンメイクレースに挑戦。市販車からフォーミュラカーに至るまで、ジャンルを問わず、さまざまなレースに参加している。2007年にはマツダロードスターレースで女性初のクラス優勝を獲得した経験をもつ。現在はクルマの楽しさを多くの人に伝えようと、自動車専門誌、一般誌、TV、WEB媒体を通じて活動中。走り好きの目線と女性の目線の両方向から、カーライフ全般をサポートしている。COTYの選考基準は、クルマと共に過ごす日常において、気持ちを豊かにしてくれるクルマかどうかに焦点を当てる。

《藤島知子》

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