[カーオーディオ 用語解説]ケーブル…タイプ、用途、楽しさ

「スピーカーケーブル」の一例(チェルノフケーブル)。
「スピーカーケーブル」の一例(チェルノフケーブル)。全 3 枚

カーオーディオの敷居を下げるべく、『用語解説』を展開している。その第17回目となる今回は「ケーブル」にスポットを当てる。どのようなタイプがあるのか、何を使うべきなのか、さらには「ケーブル」で味わえる楽しさまでを、“用語”を軸にじっくりと解説していく。

01・「ケーブル」とは?

さて、「ケーブル」とは何なのかと言うと、簡単に言ってしまえばつまりは「導線」または「電線」だ。カーオーディオは複数のオーディオユニットでシステムが形成される。で、上流のユニットから下流のユニットへと音楽信号を伝送する必要があり、「ケーブル」は、器機間においての信号の“通り道”の役割を果たすものである。

さらには、メインユニットやパワーアンプ、パワードサブウーファーは電気を必要とするので、電源を取り入れるためにも「ケーブル」が活躍する。

「ラインケーブル」の一例(チェルノフケーブル)。「ラインケーブル」の一例(チェルノフケーブル)。

というわけで「ケーブル」は、大きく“信号系”の「ケーブル」と“電源系”の「ケーブル」、この2つに大別できる。なお、“信号系”の「ケーブル」は案外種類が多い。ざっと挙げると大きくは、「スピーカーケーブル」、「ラインケーブル」、「デジタルケーブル」、「映像ケーブル」、この4つに分類できる。

ところで、この中で「スピーカーケーブル」だけは先端にプラグが付いておらず、導体をむき出しにしてセットすることとなるのだが、他の「ケーブル」は先端にプラグが備えられている。そのプラグの形状違いもそれぞれでいろいろとあり、種類的に細分化されていく。

「パワーケーブル」の一例(チェルノフケーブル)。「パワーケーブル」の一例(チェルノフケーブル)。

ちなみに、ホームオーディオ用の「スピーカーケーブル」は、場合によっては先端にプラグが装着された状態で売られることもある。しかしながらカーオーディオでは、「スピーカーケーブル」でプラグが装着されているモデルはほとんない。

02・「ケーブル」で音が変わるというのは本当?

この問いについては、結論から入りたい。「ケーブル」によって音が変わるというのは本当だ。「ケーブル」は廉価なモデルから“超”が付く高級品まで相当に幅広くラインナップしている。その価格差はダテではない。

ちなみに、「ケーブル」の価格差は何から生まれるのかというと、ポイントは2点ある。1点が「導体の質」、そしてもう1点が「構造」だ。導体の主たる成分は“銅”なのだが、純度の違いや含有物の違い等々がいろいろとあり、それにより相当な価格差が生まれることとなる。

そして「構造」も、高額なモデルともなると相当に複雑化し、また被覆の素材にも驚くほどの高級品が使われたりしていて、それらに凝れば凝るほどに際限なく高級化していく。

対して純正の「スピーカーケーブル」の品質は、かなり寂しい状況であると言わざるを得ない。市販のカーオーディオ用の最廉価なモデルは1mあたり200円というくらいのリーズナブルさであるが、このクラスであっても純正の「スピーカーケーブル」と比べて明らかにクオリティは高い。

というわけなので、もしもスピーカー交換をしようとする場合には、合わせて「スピーカーケーブル」も交換すべきだ。せっかく上質なスピーカーに交換するのであれば、その性能を引き出せないともったいない。「ケーブル」も換えることで、スピーカーの性能をさらに引き出すことが可能となるのだ。

または、一旦は純正「ケーブル」を使っておいて、後から改めて市販品に換えてみるというのもアリだ。そうすると、「ケーブル」を換えたことでどのように音が変わるのかをはっきりと感じ取ることができる。

03・“掟破り”な「ケーブル」の楽しみ方がある!?

最後に、「ケーブル」に関しての“掟破り”な楽しみ方を1つ紹介してみたい。それは、「1部に超高級ケーブルを使う」というものだ。

本来、ケーブルを“継ぎ足す”のはNGだ。“接点”を増やすべきではないからだ。“接点”がない方がどう考えても状況はシンプルだ。

しかし、スタンダードな「スピーカーケーブル」の一部分に超高級な「スピーカーケーブル」を数10cm程度“継ぎ足し”てみると、その超高級「ケーブル」の音の特長が乗って、聴こえてくるサウンドが良い方向に変化する。大部分はスタンダードな「ケーブル」のままであるので音は変化しなくて当然なのだが、実験してみると確かに音は変化する。

“掟破り”ではあるのだが、音が変わることもまた事実なので、もしも超高級「ケーブル」の切れ端を入手する機会に恵まれたら、試してみても面白い。

なお、もしもこれを実行する場合は、左右で同じようにやるのをお忘れなく。ステレオを再生しようとするとき、左右のスピーカーは同じものである必要がある。左右で再生条件が変わってしまってはステレオの仕組みが成り立たなくなるのだ。

なので「ケーブル」も、左右で同じものを使うというのが超基本的なセオリーとなる。もしも“掟破り”な「スピーカーケーブル」の“継ぎ足し”を試してみようとするときには、くれぐれも左右で同条件となるように加工しよう。

今回はここまでとさせていただく。次回は「スピーカーケーブル」以外についての解説をお届けする。お楽しみに。

カーオーディオをもっと身近に感じるための、『ザ・用語解説!』 Part17 「ケーブル」編

《太田祥三》

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