【トヨタ RAV4 新型試乗】世界に誇れるトータル性能の高いSUVに成長…片岡英明

トヨタ RAV4 Adventure(アドベンチャー)
トヨタ RAV4 Adventure(アドベンチャー)全 24 枚

トヨタは、ミドルクラスSUV『RAV4』をフルモデルチェンジし、3年ぶりに国内市場に復活させた。

驚くほど高回転で伸びるガソリンモデル

トヨタ RAV4 Adventure(アドベンチャー)トヨタ RAV4 Adventure(アドベンチャー)

パワートレインは2つとも新世代の直噴4気筒DOHCだ。ガソリンエンジンは2.0リットルのM20A-FKS型で、最高出力126kW(171ps)/ 6600rpm、最大トルク207Nm(21.1kg-m)/ 4800rpmを発生する。これにダイレクトシフトCVTを組み合わせた。

CVTの採用と相まって実用域のトルクは不満のないものだ。瞬発力はそれなりだが、スピードのノリは悪くない。加速していくとエンジン音が高まるが、常用域ではノイズを上手に封じている。

が、それ以上に驚かされるのは高回転の伸びのよさだ。スポーツモードを駆使すれば高回転まで引っ張り、4000回転から上では力強い加速を披露した。回転の上昇とリンクしてパワーが盛り上がり、CVTに多い加速時の違和感も上手に隠している。

だが、これだけ気持ちよく回るならステアリングから手を離さずに擬似変速できるパドルシフトが欲しい。これはハイブリッド車にもいえることだ。

痛快な加速フィールをもたらすハイブリッド

トヨタ RAV4 ハイブリッド 新型トヨタ RAV4 ハイブリッド 新型

2.5リットルの直噴4気筒DOHCエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド車は魅力的なスペックである。エンジンは131kW/221Nm(178ps/22.5kg-m)の実力だが、モーターを加えたシステム出力は160kW(218ps)だ。車重は1.7トンに迫るが、冴えた加速を見せつけた。

スポーツモードではメリハリの効いた痛快な加速フィールが心地よい。応答レスポンスは鋭いし、加速もパンチがある。回転の急な上昇や振動も上手に抑え込んでいた。エコモードでも気持ちよくパワーとトルクが盛り上がる。最新のTHS IIはモーターの使用域が増え、とても快適だ。

サスペンションはマクファーソンストラットとダブルウイッシュボーンの4輪独立懸架である。4WDであっても素直なハンドリングで、扱いやすい。新世代のプラットフォームは剛性が高く、サスペンションの動きもいい。ワインディングロードでも狙ったラインに乗せやすく、コントロールできる領域も広かった。4輪の接地フィールがいいのも美点だ。

だが、19インチタイヤを履くガソリンエンジン搭載車は、ちょっと硬質な乗り心地だった。とくに目地や段差の乗り越えでは前席でも突き上げを感じる。

新設計の電動パワーステアリングはいい仕上がりだ。リニアなハンドリングを身につけ、狙ったラインに乗せやすかった。直進安定性も優れている。試乗した日は風が強かったが、横風にも強い。

キャビンは前席、後席ともに不満のない広さを確保している。ラゲッジルームも思いのほか広く、荷物を積みやすい。5代目RAV4は、世界に誇れるトータル性能の高いSUVに成長した。

トヨタ RAV4 Adventure(アドベンチャー)トヨタ RAV4 Adventure(アドベンチャー)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★     
パワーソース:★★★★        
フットワーク:★★★★        
オススメ度:★★★★

片岡英明│モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員         

《片岡英明》

片岡英明

片岡英明│モータージャーナリスト 自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

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