国土交通省は4月12日、武雄温泉~長崎間の九州新幹線西九州ルートの工事実施計画の変更を同日付けで認可したと発表した。
認可内容は工事費などの変更で、建設を担当する独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)から2月6日付けで行なわれた申請を受けたもの。
九州新幹線西九州ルートは、博多駅(福岡市博多区)と長崎駅(長崎市)を結ぶ約143kmの路線。このうち武雄温泉~諫早間が2008年に、諫早~長崎間が2012年にそれぞれ着工した。
当初は、新幹線区間と未着工の新鳥栖~武雄温泉間が直通可能な軌間可変電車(フリーゲージトレイン)の導入が計画されたが、技術的な問題などから、与党の検討委員会は2018年7月に導入を断念。武雄温泉~長崎間をフル規格で建設し、武雄温泉駅で在来線と対面乗換えを行なうことが決定し、九州新幹線西九州ルートは2022年度に暫定開業する予定。
当初、武雄温泉~長崎間の建設費は約5009億円で認可されていたが、労務単価の上昇に加えて、耐震設計基準の改訂や関係機関との協議、現地状況の精査といった費用が増えたことにより、1188億円増の約6197億円が認可されることになった。
なお、フリーゲージトレインの導入に備えて、佐世保線肥前山口~武雄温泉間の複線化が計画されていたが、導入が断念されたことから大町~高橋間に変更し、対面乗換えに際しての特急列車の増発に対応するとしている。