[音響調整の違いを体感]出来上がった音響調整メモリーが2つ 最終回

【音響調整の違いを体感してみた!】出来上がった音響調整メモリーが2つ。その違いは体感出来るのか。
【音響調整の違いを体感してみた!】出来上がった音響調整メモリーが2つ。その違いは体感出来るのか。全 3 枚

同一車種・同一システムを違うプロショップで音響調整を行うと違いは出るのか?を実際にマイカーライフデモカーを使って検証するこの企画。最終回は製作ショップである茨城県守谷市のクァンタムで調整をしてもらった。

■他店の調整を聴いて店主は何を思うのか

石川県金沢市のアンティフォンで調整を行ったマイカーライフデモカーをクァンタムへ持ち込んで調整をしてもらう。本来ならば非常にお願いしにくい事に笑顔で答えてくれた両店には感謝な企画となった。クァンタム代表の土屋氏いわく、アンティフォンの松居氏とは基本的な傾向は同じだから差が出にくいのでは?と言われていたのだが、松居氏が調整した音を聴いて『なるほど、こう来たか』的な反応を見せてくれる。この二人の音は無色透明、音源をありのままに再生することを目指すHi-Fiサウンドで、とにかく音の質を高める事に注力して調整を行っているのだ。調整を始めて30分ほどでクルマを降りてきて完了の合図。その音を聴いてみると思っていた以上に松居氏との違いを感じさせてくれた。

■同じ方向性のHi-Fiサウンドでもショップの個性は確実に発揮される

先に調整をしてくれた松居氏の音は、非常に繊細で解像度の高い風景画のように理路整然とステージが形成されていて、一音一音がぶれずに淀むことなく消えていき非常に美しさを感じる。

そして土屋氏の音は質の高さに加えてステージの立体感を強く感じ、フラットでありながらもメリハリの効いた非常にクリアなサウンド。最初の取り付け時よりもスピーカーのエージングが進んでいるので繊細さが増しているなと感じた。素直に両方の調整を聴いて思った事を土屋氏に伝えると以下の返答が。
『松居さん、やりにくかったと思うよ?このクルマはウチで製作しているから“ここまでは性能を使える”というのが分かっていて調整出来るけど、松居さんにとっては手探りな部分が多かっただろうし。数日預かって調整できるならまだしも、今回みたいに30分前後と言われたらかなり難しい。ウチでも他店取り付けのお客さんが来た時には、状況を確認しないと性能を発揮出来ていない理由が調整なのか取り付けなのか分からないし。だからお客さんと相談して、調整してみて変な反応だった場合には全部バラす事があるからね。』

土屋氏・松居氏共に言っていたのは、それなりの音に仕上げるのであれば、それなりの取り付けで仕上げる事は出来る。ただ、ユニットの性能をしっかりと発揮させるにはやはりしっかりとした取り付けが重要とのこと。しかも大抵の場合はお客さんがプロショップに支払っている金額は大差が無かったり、逆に他店の方が高い事が多いそうだ。

■取り付けという見えにくい料金、その中からどうやって優良店を探す?

せっかくカーオーディオプロショップという存在を知っても、そのプロショップの中でどこか自分に合っているのかを探さないといけないのは非常に大変な作業のように思う。そこでクァンタムに来る新規のお客さんは何をきっかけに来店しているのかを土屋氏に聞いてみると・・・

『良くも悪くもインターネットで大抵の事は調べられる世の中でしょ。なので大半のお客さんはホームページやブログを見て来てくれている。当然他店との比較もしていて、ウチよりも他店の方が安い場合もあったり。それでもウチに来てくれるのは、全て込みのパッケージプランが豊富だったり、出来るだけ分かりやすくカーオーディオについて解説したりしているので安心して来店してくれている、とお客さんが言っていました(笑)。』

何かを行う、何かを買う時には事前にインターネットを使って調べる人が多いと思う。カーオーディオに関しても同じで、事前に製品を知り、そしてプロショップを知って自分にとって“納得出来る”ショップを探すのが第一のハードル。そしてそのショップへ行ってみて、デモカーを聴いたり店主と話をしてみて“納得出来るか”が第二のハードル。これを越えれば求めていた満足出来るサウンドが手に入るはずだ。カーオーディオを始めよう、プロショップでやってみようと思ったのであれば、とことん納得いくまで付き合えるプロショップを探し当てて欲しい。そこには想像以上に豊かな世界と楽しさが待っています。

【音響調整の違いを体感してみた!】出来上がった音響調整メモリーが2つ。その違いは体感出来るのか。

《藤澤純一》

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