【プロショップ訪問記】シンフォマージ…アナログからデジタルまで精通、職人気質

【プロショップ訪問記】シンフォマージ(徳島県)「古き良きアナログから現代のデジタルを精通。職人気質のプロショップ」
【プロショップ訪問記】シンフォマージ(徳島県)「古き良きアナログから現代のデジタルを精通。職人気質のプロショップ」全 11 枚

5月からマイカーライフの登録店となったシンフォマージをご紹介しよう。場所はJR徳島駅から徒歩約11分、JR佐古駅から約6分と徳島市の中心街にある。クルマでのアクセスも良好で徳島道I.Cを降りて国道11号線を南に向かい約10分ほど。

取材当日、お店に入るとアコースティックの曲が流れていてピュアなサウンドが清々しい。フロア型のスピーカーほか、珍しい海外製のスピーカーを含め、さまざまな音が聴き比べができる。

代表の小笠氏はカーオーディオとホームオーディオと2つの分野の専門知識を持ったエキスパート。ルーツをたずねると中学生のころ、父親から買ってもらったラジカセに大きな衝撃を受ける。大きなラジカセを自転車に積んで野外に出向き、小川のせせらぎ、竹やぶの中の虫の声、小鳥のさえずりと、自然界の音をカセットに収録したという。この音体験が氏のリファレンスになっているに違いない。工業高校を卒業すると大手メーカーの半導体部門に入社。そのころからホームオーディオに開眼し、当時流行りの高級コンポーネントを揃えるようになる。のち転職、ホームと同時進行でカーオーディオの音創りとインストーレーションを学び、そして独立。20年前、シンフォマージをオープンさせた。

振り返ると40年、レコードやカセットテープ/アナログ時代から現在のハイレゾ/デジタルに至るまで氏は、音創りに真摯に向き合ってきた。それはカーオーディオという限定されたものでなく、ホームを含め、あらゆる方向から良い音を見出す。氏がとくに提案しているのがスピーカー選びと鳴らし方で、あらゆるユニットを取り寄せ、長年にわたり音を探求。カーオーディオ用スピーカーという範疇ではなく、ホーム用のユニットをカーで使用することが多い。それも新旧に関係なく、聴くものを魅了できることが先決でユニット選びはもっとも重要と唱える。

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デモカーのパサートワゴンは、氏の思い入れとチャレンジ精神を音創りに反映させたもの。ナビにカロッツェリアのサイバーXをセット。まず驚いたのが、ドイツ製のグルンディッヒのビンテージユニットを用いているところだ。ダッシュ両脇には楕円形ユニットが用いられ、ドア部は円形タイプだが永久磁石ではなく、フィールドコイル型/励磁式を採用。これは主に昔のスピーカーに用いられていて、振動板を動かすための磁気回路に電流を流し駆動させる方式である。電磁石(磁力)を発生させるためには駆動用の電気が必要となり、リアラゲッジにあるのが、そのためにバッテリーだ。この励磁型は、一般の永久磁石と根本的に違い、鳴り方は当然違う。またユニットの振動板は軽い紙コーンが用いられ、エッジやダンパーも現代のユニットと異なるため、ひじょうに反応速度に優れた、いわゆる音離れの良い音色を放つ。このように他店では真似のできない音を見出し、クリエイトすることも氏ならではの発想と長い経験から得たものと推測する。聴かせていただくと現代のスピーカーとまったくベクトルの異なるナチュラルなサウンドに圧倒された。その趣きは、昔聞いたアナログの音創りと同じ方向でホッとできて音楽の楽しさがダイレクトに伝わってくる。

アナログとデジタル再生の探求、そして現代のDSPなどの調整を含め、培ってきた経験をユーザーの希望に合わせて提案する小笠氏。振り返るとオーディオは時代と共に送り出す側(メディアの変貌)や聴く側の装置も変わってきたが、時代時代の音を学び、ときには先人が極めた再生術を享受し、ノウハウに生かすことも忘れてはならないという。長年の経験をもとにカーオーディオとホームオーディオの双方の愉しさを伝える貴重なショップである。

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《永松巌》

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