横浜の「シーサイドライン」想定外の逆走事故、自動運転の落とし穴[新聞ウォッチ]

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気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

神奈川県横浜市の新杉田駅と金沢八景駅を結ぶ無人運転の新交通システム「シーサイドライン」の列車が逆走し、乗客14人が重軽傷を負うという想定外の重大事故が起きた。

きょうの各紙も社会面で「列車逆走、車両側装置不具合か、自動運転、再開のめど立たず」(読売)や「運営会社、逆走想定せず」(日経)などと取り上げているが、運営会社によると、列車は運転を見合わせており、運行再開の見通しは立っていないという。

逆走事故は磯子区の新杉田駅で6月1日夜に発生。車両のドアとホームドアが閉まった直後に、列車が本来の進行方向とは逆に走り始め、26メートルほど離れた車止めに衝突したそうだ。

記事によると、シーサイドラインの駅で起きた逆走事故で、列車が逆走を始める直前まで、駅の機器室と車両側のやりとりが正常だったことも伝えられているが、駅側が出発の合図を出した直後に逆走していることから、「合図を受ける車両側のシステムに問題があった可能性も考えられる」という。

制御装置の情報に従って軌道上をタイヤで走る「新交通システム」は全国に11事業者、12路線。そのうち、シーサイドラインと同様に無人の自動運転方式を採用しているのは、東京都内のお台場を中心に走る「ゆりかもめ」や神戸市の「六甲ライナー」など7路線で、そのほかは運転士が乗車しているそうだ。

自動運転といえば、自動車業界では次世代の最先端技術として開発競争が激化している。クルマの場合、現時点では緊急時にはドライバーによる運転操作で事故を回避するレベルであり、新交通システムのような無人の自動運転には至っていない。

今回のシーサイドラインの事故を聞いて、自動運転の開発に消極的な大手自動車メーカーの技術系経営者の話を思い出した。「走るルートが決まっいている路面電車でも自動運転が難しいのに、クルマが乗り越えなければならない課題は多過ぎる」と。逆走事故は制御装置の異常が原因との指摘もあるが、運転再開には原因究明が急がれる。自動運転の開発に熱心な自動車業界も「対岸の火事」とは思えない事故だろう。

2019年6月3日付

●最高級ボートシェア、ヤマハ発動機、3時間38万円パーティ―や夜景に(読売・4面)ヤマハSR330ヤマハSR330

●車より先にトンネル散策、国道357号「東京湾」きょう開通(読売・298面)

●列車逆走、車両側装置不具合か、自動運転、再開のめど立たず(読売・30面)

●日産四駆のEVを発売へ、来年の新SUV 車種増やし拡販(朝日・3面)

●道路にホース張られ男性軽傷、相模原・殺人未遂容疑(毎日・25面)

●設備投資国内向け堅調、JR東21%増、トヨタ微減、今年度本社調査(日経・9面)Toyota Technical Center ShimoyamaToyota Technical Center Shimoyama

《福田俊之》

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