心地よさが共通、シトロエンとセントジェームスがコラボ…特別仕様車 C3セントジェームス 登場

シトロエン C3セントジェームス
シトロエン C3セントジェームス全 24 枚

プジョー・シトロエン・ジャポンは今年100周年を迎えるシトロエンのコンパクトカー『C3』の特別仕様車『C3セントジェームス』を発売した。これはC3特別仕様車の第5弾で日本独自の企画である。また併せてシトロエン東京中央(東京都中央区)に“ザ・シトロエニスト・カフェ”をオープンさせた。

日本独自企画でわかりやすさがポイント

シトロエン C3セントジェームスシトロエン C3セントジェームス

「C3は先代と比較しおよそ3倍の売り上げを記録。あえてこのタイミングで日本オリジナルの企画をしたいと、フランスの有名なアパレルブランド、セントジェームスとタイアップすることになった」とコメントするのはプジョー・シトロエン・ジャポン代表取締役社長のクリストフ・プレヴォ氏だ。「セントジェームスは創業130年と、シトロエンと同じように“周年”を迎えることや、お互いに共通するフランスのシンプルさやエレガントさといったものを強調していこうと今回の企画に至った」という。

フランスには様々なブランドがあるにも関わらず、なぜセントジェームスと組んだのか。プジョー・シトロエン・ジャポンマーケティング部シトロエンプロダクトマネージャーの水谷昌弘氏は、まず特別仕様車の成り立ちから話を始める。「フランス本国から来る企画と、日本独自の企画の2種類がある。フランスから来る企画の中には、どうしても日本に馴染みのないものも含まれており、訴求が難しい場合がある。そこで、親しみやすいブランドと組んだ方がわかりやすくなるだろうと、日本独自の企画を始めた」と説明。

シトロエン C3セントジェームスシトロエン C3セントジェームス

今回の企画は昨年の秋くらいからスタート。日本側からセントジェームスにアプローチして実現に至った。「セントジェームスは、着心地の良さや長い歴史という面が、シトロエンの心地よさと通ずるキーワードを持っていることからうまく組めた」と語った。

特別仕様車はC3のルーフ部分の特徴である長方形のへこみを利用して、セントジェームスのイメージであるボーダー柄をルーフステッカーで表現。また、Cピラーにはセントジェームスのロゴを配し、フロアマットの縁取りにもボーダー柄があしらわれている。3色のボディカラーそれぞれに合わせた色でコーディネートもされている。

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ドライブトレイン刷新が好調さのポイント

「発売から間もなく2年が経過するC3は、立ち上がり初期の販売の勢いが未だ衰えずという状況だ」とは水谷氏の弁。そのポイントは2つある。ひとつはドライブトレインだ。エンジンはピュアテック1.2リットルの110馬力で、2015年から4年連続で1.5リットル以下の部門でインターナショナルエンジンオブザイヤーを獲得している。「このクラスではベンチマークとなるエンジンといっても過言ではない」と自信を見せる。この3気筒エンジンはPSA独自で開発し、52個ものパテントを取得しているという。組み合わされるトランスミッションはトルクコンバーター式の6速オートマチックで、「スムーズで心地よい、軽やかな走りを支えている」と水谷氏。

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そして、もうひとつのポイントは「シトロエンならではのシートや室内の心地よさ」とした。

こういったパワートレインのレベルが先代から比べ飛躍的に向上したことや、装備レベルも充実してきたことから、「シトロエンはあまり走っていない、私しか知らないクルマというポジションから、普通に日本車に乗っているお客様にも、このぐらいの装備がこの価格でついているのなら良いな、可愛いしといわれるようになり、販売台数が伸びている」と説明。また、ネットワークも先代の時代よりはるかに整備されたことも台数向上の要因として挙げられた。

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気軽にクルマを見てほしい

さて、プジョー・シトロエン・ジャポンでは、シトロエン中央ショールームにザ・シトロエニスト・カフェをオープンさせた。5月にフランス東部の都市ランスのディーラーがリニューアルしたのを機に1号店がオープン。フランス外では世界初となるカフェである。

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そのコンセプトについて、プジョー・シトロエン・ジャポンディーラー開発グループマネージャーの神保潮氏は、「ショールームに来店したお客様が、もっと気軽にリラックスしてクルマを見てもらうため」という。「シトロエンは最近のブランドコンセプトとしてビーディファレント、フィールグッドというスローガンを打ち出している。これは“他と違う独創的でありながら、もっと楽しい雰囲気で行こう”というもの。一般的な自動車のショールームは高級感や、お客様満足度を考え機能的、効率的なデザインになりがちだが、このカフェはよりカジュアルな作りしている」と説明。

デザインや使われている素材などもフランスからの提案をもとに施工。「ラ・メゾンと壁面に書かれているが、これはお家という意味。お客様が自宅のリビングルーム、あるいはお友達のお部屋に遊びに行ったときのような感覚で、リラックスしてこのショールームの中で過ごしてもらいたい」とその思いを語る。

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そこで、ハイカウンターやハイスツールを使用することで、商談コーナーで緊張感を伴うような雰囲気ではなく、「来店したお客様に快適に過ごしてもらい、シトロエンのことを少しでも好きになってもらいたい。そのうえで購入に結びつけばという期待を込めてコーナーをオープンした」と述べた。

なおプジョー・シトロエン・ジャポンでは、近々、「6月に『C5エアクロスSUV』、7月に『C3エアクロスSUV』を導入する予定」(プレヴォ社長)とシトロエンのラインナップが充実していくことを明かした。

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《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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