なぜ今世界中の若者が「車中泊」に憧れ、「バンライフ」に熱狂しているのか?

なぜ今世界中の若者が「車中泊」に憧れ、「バンライフ」に熱狂しているのか?
なぜ今世界中の若者が「車中泊」に憧れ、「バンライフ」に熱狂しているのか?全 7 枚

最近、話題の「VANLIFE(バンライフ)」

日本ではまだあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、世界では1大ムーブメントとなっている新しいカルチャーです。

そこで、この記事では、海外在住歴5年の筆者が、「VANLIFE」の概要や、成り立ち、若者間で流行になる理由、世界での活動について、ご紹介します!

VANLIFE(バンライフ)とは?

なぜ今世界中の若者が「車中泊」に憧れ、「バンライフ」に熱狂しているのか?なぜ今世界中の若者が「車中泊」に憧れ、「バンライフ」に熱狂しているのか?
「VANLIFE(バンライフ)」とは、“車を通じた旅や暮らしにより、人生を豊かにする”ことを目的として、車を家やオフィスなどの快適な移動空間に作り変え、車を寝る・遊ぶ・働く・暮らしの拠点とする新しいライフスタイルです。

インスタグラムを開いて「#vanlife」と入力すると、現在550 万を超えるハッシュタグが表示されます。現在、欧米諸国を中心に新たなライフスタイルの動向となっている「VANLIFE」は、文字通り、車での生活を指しますが、日本でイメージされがちな“路頭に迷った”「車上生活」とは異なります。

「VANLIFE」を実践する「VAN LIFER(バンライファー)」は、精神的な豊かさを求めて、自分の好きなように車内を作り変えて、人や自然との繋がりを大切にしながら、自ら車を旅や生活の拠点としているのです。

VANLIFE(バンライフ)の背景

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元々は、1997 年からアメリカの建築家、Sarah Susanka(サラ・スサンカ)氏が、“小さな家でシンプルに無駄のない生き方を楽しむ”ことを目的に提唱した「Tiny House(タイニーハウス)Movement」がきっかけでした。

そして、1999年にアメリカの美術家、Jay Shafer(ジェイ・シェーファー)氏が、「Small House(スモールハウス)Movement 」を提唱し、「The ELM」と名付けた4.2m×2.3mのサイズの”動く家”を建造。その後、2005年に大型ハリケーン"カトリーナ"が米国を襲ったことによる防災意識の高まり、2008年に起こったリーマンショックによるミニマリズム意識の高まりがある中で、『The Small House Book(2009)』を発刊し、世界中にタイニーハウスの名を轟かせることになりました。

さらに、2011年に元ラルフローレンのデザイナー、Foster Huntington(フォスター・ハンティントン)氏が、フォルクスワーゲンの“バン”に、生活で必要となる最低限のモノを詰めこんで、旅に出た写真集「HOME IS WHERE YOU PARK IT(車を停めた場所があなたの家/2014)」を発売、欧米諸国で、新たなライフスタイルとして「VANLIFE」が広まっていったと言われています。

なぜ、「VANLIFE」が若者の中で流行っているのか?

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日本では、「キャンピングカー」「車中泊」と言えば、老後をゆっくり車で旅しながら楽しむシニア層のイメージが強いですが、世界では「VANLIFE」と言えば、シニア層のみならず、幅広い世代に愛されています。特徴的なのは、「Millennials(1980-1995生まれ)」「GenerationZ(1995-生まれ)」と呼ばれる、若い世代からの支持が厚く、インスタグラムの #vanlife 投稿では、数多くの若者の姿を見ることが出来ます。

そんな若者に何故VANLIFEが愛されるのか?考えられる理由を以下にまとめてみました!

【1】「非日常的」な投稿はSNSでの反響が大きい

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VANLIFEの特徴として「非日常感」があります。多くの人々が「不動産」に住み、「公共交通」で移動する現代において、「可動産」で移動しながら暮らすライフスタイルは、まだまだ貴重な存在。車の中での生活の様子や、車でないと出逢えないような絶景は、SNSでも一際目を引きますよね。若者の生活の中心となっている、YouTubeやインスタグラムなどで、再生回数やいいね!が集まりやすいことは、彼らにとって大切な要素なのです。

その結果、VANLIFEをテーマに世界中の注目を集まるYouTuberやインスタグラマーなどのインフルエンサーが台頭し、生活費をインターネットで稼ぎながら、自由に旅するように暮らすという夢のようなライフスタイルを実現、多くの若者への影響を及ぼしていますね。日本国内でも、わたなべ夫婦やタビワライフさんを始めとするYouTuberの方々が活躍しています。

【2】 コストをかけずに精神的に豊かな暮らしが実現できる

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そして、VANLIFEは始めるのに、初期コストがあまりかからないことが若者に人気の1つです。欧米では、バンタイプの中古車の販売・レンタルのマーケットが大きく、若者でも簡単にバンを手に入れることが出来ます。実際に、シリコンバレーの起業家や、有名大学がある地域の学生が、生活費を節約するために、バンに住み込んでいるのも有名な話です。

また、リーマンショック以降、"都会に家を購入して30年間のローンを組んで、会社と家を往復する日々を送り、家族とは週末のみ一緒に過ごし、必要以上の贅沢品に囲まれながら、日々を消耗しながら送る..." という物質的な豊かさを求める「資本主義的な生き方」に疑問を持つ若者も多いのも事実です。さらに今や、インターネットが普及し、オンライン上でどこでも繋がれる時代。そこで、本当に必要なものだけをVANに積み込んで、家族との時間や、自然との共生を大切にし、精神的な豊かさを求める「ポスト資本主義的な生き方」を目指す若者がVANLIFEを始めているのです。

【3】 ルールや既成概念に囚われない、圧倒的な自由さを手に入れられる

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最後に、若者がVANLIFEに求める最大の魅力は「自由さ」です。VANLIFEには、場所の自由・時間の自由・体験の自由があります。シェアリングエコノミー 産業の拡大により、若者の、旅のスタイルがホテル泊→民泊、仕事のスタイルがオフィス→コワーキング、暮らしのスタイルが家→コリビングへシフトしたように、これからより「自由さ」は若者が生活に重視するキーワードとなるでしょう。今後さらに、「5Gの普及」および「自動運転技術の発展」により、「移動空間」がアップデートされ、VANLIFEを始めやすい環境は整っていきます。

日本初のバンライフメディア『VANLIFE JAPAN』を見る

《VANLIFE JAPAN》

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