【ロータス エヴァイヤ】2000ps、1700Nmを発揮するハイパーEV登場

ロータス・エヴァイア
ロータス・エヴァイア全 16 枚

ロータスカーズの正規販売輸入総代理店のエルシーアイは、富士スピードウェイにて開催されたジャパンロータスデイ2019において、ロータス初のフル電動ハイパーカー、『エヴァイヤ』を日本初公開した。

エヴァイヤは最初の存在

「エヴァイヤは唯一無二のロータスであり、他とは違うハイパーカーだ。そしてロータスのデザインとキャラクターのDNAを明確に受け継いでいる」と定義づけるのはロータスカーズエグゼクティブディレクターのジェフ・ダウイング氏だ。

そして、「この美しい外観の下には魅力的なものが秘められている」とコメントするように、ミッドシップにマウントされた電動のパワートレインは最高出力2000ps、最大トルクは1700Nmを開発目標とされ、0-60マイル(0-100km/h)3秒以下、0-185マイル(0-300km/h)を9秒以下で達成するという。最高速度は320km/h以上、航続距離は約400kmを掲げている。バッテリーのフル充電は350kwチャージャー使用時、18分で完了するという。

さて、“エヴァイヤ”とは“最初の存在”、あるいは“命あるもの”という意味だ。ロータス初の電動パワートレイン搭載モデルだ。また吉利汽車傘下で初めて発売される完全な新型車ということから、スポーツカーブランドのロータスの歴史に新たな章を刻む最初のクルマという意気込みが込められており、「その名にふさわしいものとなるだろう」とダウイング氏はいう。ロータス・エヴァイアロータス・エヴァイア

ロータスの全てのクルマにはタイプナンバーが振られている。エヴァイアはタイプ130で現在最新のもの。この130に因んでエヴァイアは130台の限定生産となる。最初の納車は2020年を予定されており、生産はイギリスノーフォーク州ヘセルに専用の製造施設を設け、他のロータスのクルマと同様に手作りで生産される。

このエヴァイヤについてダウイング氏は、「このクルマは他のハイパーカーとは異なりドライバーとエヴァイヤが“ともにドライブしていくクルマ”(クルマに操られないという意味)というところに特徴がある」と語り、同社としても「新たなスポーツカーを新たなテクノロジーを備え、新たなセグメントにロータスはこれから未知の世界に飛び込んでいく。エヴァイヤは我々ロータスにとってその切り札となるクルマだ」とビジネス上でも重要な位置にあることを明かした。

130台それぞれが一品もの

ロータスカーズヘッドオブVIPリレーションズのイアン・ゴーサッチ氏はエヴァイヤのカスタマーについて、「多くのクルマを持っており、その中には電気自動車がある。その上でもう一台電動ハイパーカーを持ちたい人だ。またクルマのことをよく知っており、さらに電気自動車に関しても詳しい人になるだろう。そして先進的でイノベーティブ、より新たなことに突き進んでいくような人がお客様になるだろう」と分析。

こういったこだわりのユーザーにクルマを提供するために、「専用工場でこのクルマを作り、お客様にオンタイムで届ける。さらにこの製造プロセスではお客様一人一人のニーズに合ったクルマを作って提供する」。つまり、「例えばこのクルマでサーキットを走りたい場合には、エンジニアリングチームがサーキットでテストをやっているクルマと合わせたものになるだろうし、ライフスタイル的な捉え方でこのクルマに興味を持つ人がいれば、そういったスタイルにも合わせる。異なる全てのお客様の好みに対して我々は全て対応していく」と130台全てにおいてユーザーニーズを取り込みながら作り上げるとした。ロータス・エヴァイアロータス・エヴァイア

またゴーサッチ氏はドライブトレーニングの重要性も強調する。2000ps、1700Nmという途方もない出力を備えていることから、「これまでとは全く違うクルマであることを知ってもらわなければならないからだ」という。「我々のチーフテストドライバーと一緒にトレーニングをして、このクルマのダイナミズムを知ってもらうことが必要だ」とした。

最後にロータスはEVスポーツカーにフォーカスしていくのだろうか。その点に関しダウイング氏は、「今回は世界一馬力のあるクルマを作りたかったので、その場合には電気自動車しか方法がなかった。しかし、今後は電気自動車のみではなく、ガソリンエンジンもまだまだポジションはあるので、様々なパワートレインを考えていく」とコメントし、EVのみではないと回答した。

エヴァイヤの価格は180万から200万ポンドで英国ロータス工場渡し価格。従って別途輸送・登録諸費用が必要となる。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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