日産・西川社長辞任騒動の舞台裏、存在感示す山内COO[新聞ウオッチ]

日産自動車グローバル本社
日産自動車グローバル本社全 5 枚

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

「腐っても鯛」という言葉があるが、果たして腐り切っても鯛のままでいられるのかどうか、日産自動車が再び正念場を迎えている。

日産の西川廣人社長兼最高経営責任者(CEO)が9月16日付で辞任すると、10日夜に緊急発表してからメディアも大騒ぎだが、9日に開かれた取締役会での議論の内容などが判明し、きょうの読売などの各紙が詳しく報じている。

それによると、日産ナンバー2の山内康裕最高執行責任者(COO)が辞任論の口火を切ると、仏ルノー会長のジャンドミニク・スナール氏が追随。これに対抗して、指名委員会の豊田正和委員長らによる早期辞任反対論が噴出し、激しいやりとりが繰り広げられていたという。日産自動車山内COO日産自動車山内COO

各紙の見出しにもなっているが、山内COOは「今ここで大きな決断をしなければ日産は変われない」と西川氏退任に言及したそうだ。山内氏といえば、アライアンスの交渉窓口を担当するなど地味な存在だが、聞く耳を持ち、趣味のゴルフなどを通じて社内外からの信望も厚い。西川社長にしても絶大なる信頼を寄せていただけに、その辞任を促す事実上の“勧告”には重く受け止めざるを得なかったと思われる。

それにしても、日産という企業についてメディアの注目度は依然とし衰えていないのが不思議でならない。10日付の朝刊で「西川・日産社長辞任」を1面トップなどで大きく報じたのに続いて、きょうも解説記事を中心に伝えているが、読売、朝日、産経、日経の4紙が社説でも取り上げており、叱咤激励の論調が目立つ(すでに毎日は10日の社説に掲載)。10月末までには西川社長退任後の新体制人事も決まる見通しで、下火になっていた報道合戦も再びエスカレートすることだろうが、どんな人物がトップになろうが、肝心かなめはこれから売り出す予定の新型車がヒットするかどうかで、日産の運命は決まる。

2019年9月11日付

●きょう内閣改造、小泉氏初入閣、環境相、経産・菅原、法務・河井氏(読売・1面)

●社長辞任ナンバー2口火、「日産は変わらなければ」(読売・1面)

●社説、日産社長辞任へ、企業風土の刷新につなげよ(読売・3面)

●幻の「2300GT」8800万円で落札(読売・30面)

●あおり運転の行為、道交法に新設検討、警察庁来年、改正案提出方針(朝日・3面)

●EV戦略車、VWが公開、70車種投入の第一弾(朝日・6面)VW ID.3(フランクフルトモーターショー2019、VWプレビュー)VW ID.3(フランクフルトモーターショー2019、VWプレビュー)

●ゴーン被らの不正350億円認定、日産、賠償請求へ(朝日・7面)

●日産取締役会が引導、好感され株高騰(日産・3面)

●あおり運転対策損保強化(産経・10面)

●猛暑の停電疲弊、千葉台風被害続く(東京・1面)台風15号の被害(千葉県市原市)台風15号の被害(千葉県市原市)

●不正車検見返り業者収賄、容疑で逮捕(東京・25面)

●eスポーツ協賛、トヨタも銀行も、賞金総額30億円超も(日経・12面)

●あおり後、エアガン?発射、愛知の東名道、車にへこみ(日経・35面)

《福田俊之》

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