【WEC 19/20第2戦 富士】トヨタが開幕2戦連続の1-2勝利、これで富士は8戦7勝…中嶋一貴組8号車が今季初優勝

トヨタが母国戦で1-2フィニッシュを飾った。
トヨタが母国戦で1-2フィニッシュを飾った。全 8 枚

世界耐久選手権(WEC)2019/2020シーズン第2戦「富士6時間」は6日、決勝日を迎え、LMP1クラスのトヨタ勢が開幕2戦連続1-2フィニッシュを達成した。優勝は8号車の中嶋一貴組で今季初。トヨタはWEC富士戦の成績を直近8年で7勝としている。

曇天傾向の富士スピードウェイ、レース中盤には雨の影響も受けることになった決勝6時間レース。トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)が走らせるLMP1クラスの「TS050 HYBRID」の2台は、気まぐれな天候や今回初適用のサクセスハンデキャップの影響といった要素もはねのけ、開幕戦に続く1-2フィニッシュを成し遂げた。優勝は8号車(中嶋一貴/S.ブエミ/B.ハートレー)で、ラップチャート上の全周回首位でポール・トゥ・ウインを飾っている。

8号車はレース残り2時間頃にピットレーン速度違反でドライブスルーペナルティを受けたが、これが大勢に影響することはなかった。開幕戦2位だった8号車は今季初優勝。ドライバー部門のディフェンディングチャンピオンである一貴とブエミにとっては、今年6月の前季最終戦ルマン24時間以来の勝利となった。また、かつてポルシェでWEC王者になったりルマンに勝ったりした経験をもつハートレーは、今季トヨタに加入してから初めてのWECレース優勝。

今季開幕戦ポール・トゥ・ウインの7号車(小林可夢偉/M.コンウェイ/J-M.ロペス)は、僚機以上に厳しいサクセスハンデキャップを抱えつつの戦いで、レース序盤はノンハイブリッドLMP1勢に割り込まれて“見せ場”をつくることにもなったが、無事に2位フィニッシュを飾った(8号車と同周回で約34秒差)。昨季から続くトヨタ勢の“ガチ勝負”、これで今季は1勝1敗となり、現段階では6人のドライバーが獲得ポイント44でランキングトップに並ぶ状況となっている。

優勝の#8 トヨタTS050(中嶋一貴組)。優勝の#8 トヨタTS050(中嶋一貴組)。

#8 中嶋一貴のコメント
「母国ファンのみなさんが見守るなか、ここ富士で勝つことができて最高です。チーム全員で祝いたいと思います。TS050 HYBRIDにとっては最後の日本でのレースで1-2フィニッシュを果たせたというのは大きいです。TS050 HYBRIDとは多くの感動的な経験を積み重ねてきました。古くからの友人に、母国で最後の勝利をプレゼントできたような気持ちです。路面コンディションが二転三転する難しいレースでしたが、終始ペースを保ち、インターミディエイトタイヤでも速さを示せました。首位でレースをコントロールし、周回遅れの処理もうまくいき、本当に満足のいくレースでした」

#7 小林可夢偉のコメント
「まずは8号車のメンバーに祝福を贈りたいと思います。また、チームとして達成したかった1-2フィニッシュに満足しています。課せられたサクセスハンデキャップが8号車より厳しかったため、我々7号車としては今日は最良の結果だと思います。レース中はプッシュし続け、あきらめず走り切り、できる限りのことをして、結果も納得のいくレースでした。チームとして嬉しく思います」

優勝の#8 トヨタTS050(中嶋一貴組)。優勝の#8 トヨタTS050(中嶋一貴組)。

トヨタはアウディやポルシェがLMP1のライバルとして存在していた時代から富士戦に強く、これで2012年からの8年間で当地7勝となった。最高峰クラスがハイパーカーに切りかわる2020/2021シーズン(富士戦は2020年秋の予定)も地元での強さが継続されることに期待したい。

このレースのLMP1クラス3位(レース総合3位)はレベリオン・レーシングの#1 レベリオンR13・ギブソン(B.セナ/G.メネゼス/N.ナト)で、トップから2周遅れ。

優勝した#8 トヨタの(左から)ハートレー、ブエミ、中嶋一貴。優勝した#8 トヨタの(左から)ハートレー、ブエミ、中嶋一貴。

LMP2クラスでは、2019年のFIA-F2王者となったニック・デ・フリーズが乗り組んだレーシングチーム・ネダーランド、#29 オレカ07・ギブソン(P.ヴァン・イアード/G.ヴァン・デル・ガルデ/デ・フリーズ)が優勝した。山下健太が乗るハイクラス・レーシングの#33 オレカ07・ギブソン(山下/M.パターソン/A.フィヨルドバッハ)はクラス4位。

LMP2クラスは現状で唯一、タイヤの戦いがあるクラスとなっているが、上位はミシュラン装着車が1位と3位、今季から参入のグッドイヤー勢が2位と4位という結果だった(他のクラスは全車ミシュラン)。

#7 トヨタTS050(小林可夢偉組)は2位。#7 トヨタTS050(小林可夢偉組)は2位。

アストンマーティン、ポルシェ、フェラーリが競うLMGTE-Proクラスは#95 アストンマーティン・ヴァンテージAMR (M.ソーレンセン/N.ティーム)が優勝。

LMGTE-Amクラスも優勝はアストンで、#90 アストンマーティン・ヴァンテージAMR(S.ヨロック/C.イーストウッド/J.アダム)が先頭フィニッシュを果たした。日本勢では石川資章とケイ・コッツォリーノが乗るMRレーシングの#70 フェラーリ 488GTE EVO(石川/コッツォリーノ/O.ベレッタ)がクラス4位、星野敏がステアリングを握ったデンプシー-プロトン・レーシングの#88 ポルシェ911RSR(星野/A.デ・リーナー/T.プレイニング)は同9位。

決勝スタートの模様。決勝スタートの模様。

WECの2019/2020シーズン第3戦は中国・上海にて、2019年11月10日決勝の日程で開催される(決勝は4時間レース)。

*上記の結果と内容は決勝レース当日に発行されたリザルト(Final Classification)に基づく。

3位の#1 レベリオンR13。3位の#1 レベリオンR13。

《遠藤俊幸》

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