[カーオーディオ・インストレーション]スピーカー…デッドニングの目的

“デッドニング”部材の一例(ドクターアルテックス)。
“デッドニング”部材の一例(ドクターアルテックス)。全 1 枚

カーオーディオ製品は、取り付け方の巧拙でそのポテンシャルを引き出せるか否かが変わってくる。さて、そこにはどのようなセオリーやコツがあるのだろうか。それらを1つ1つ紐解きながら、カーオーディオの奥深さをあぶり出そうとしている当コーナー。

今回からは“デッドニング”について考えていく。

最初に、この言葉が意味するところから考察していく。まずは“デッド”という言葉の意味から考えてみたい。“デッド”とは、音響に関連したシーンで使われる場合には、「響きにくい状態」のことを表す言葉として用いられる。逆に「響きやすい状態」のことは“ライブ”と表される。

で、カーオーディオにおいての“デッドニング”とは、その言葉のとおりに解釈すると「ドア内部を響きにくくすること」という意味となるのだが…。実は、それだと実際の作業内容とは少々ニュアンスが異なってくる。

確かにカーオーディオにおいての“デッドニング”の主要メニューは、「鉄板の共振をなくす」ことだ。なのでそこのところにフォーカスすると、“デッドニング”という言葉は適切だ。しかし“デッドニング”で目指すべきはそれだけではない。

では何が目指されるのかと言うと…。“デッドニング”ではズバリ、「ドア内部の音響的なコンディションを整えること」が目指される。

というのも、ホームオーディオのスピーカーは箱の設計にも相当のノウハウが注入されている。音響機器としてどうあるべきかが研究され、製造されている。しかし、クルマのドアの設計には、音響的な観点がほとんど盛り込まれてはいない。なので、ドア内部の音響的なコンディションを整えてドアをスピーカーとして仕立て上げていく必要がある。“デッドニング”では、それが目指されるのだ。

ゆえに、“デッドニング”とは呼ばれずに“ドアチューニング”と称されることも多くなってきた。実情から言えばむしろ、“ドアチューニング”の方がしっくりくる、とも言える。

今回はここまでとさせていただく。次回も“デッドニング”に関する解説を続行する。お楽しみに。

カーオーディオ・インストレーション百科 Part1「スピーカー」編 その6・“デッドニング”の目的とは?

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. ルノー『キャプチャー』新型、4月4日デビューへ
  2. ドライブ中の突然の曇り問題にサヨナラ! DIYでウインドウ曇り防止 ~Weeklyメンテナンス~
  3. 【メルセデスベンツ Eクラス 新型試乗】SUV全盛の今に、果たしてどのような人が選ぶのだろう?…河村康彦
  4. シトロエンが新型SUVクーペ『バサルト・ビジョン』を発表 南米で2024年内に発売へ
  5. メルセデスベンツ『Gクラス』改良新型…449馬力の直6ツインターボ搭載、表情も変化
  6. ヤマハ発動機、EVレース「フォーミュラE」に2025年より参入へ 四輪レースはF1以来
  7. メルセデスベンツ、新型パワートレイン搭載の「GLA180」発売…高性能モデルAMG「GLA45S」も追加
  8. BYDが高級ブランド デンツァ『D9』の先行受注を開始! 同じ右ハンドル市場の日本投入は?…バンコクモーターショー2024
  9. 「フォルクスワーゲンR」、独立ブランドに…今夏新パビリオン開設へ
  10. 日産 キックス 新型、大胆デザインで登場…米国発表
ランキングをもっと見る