【ボルボ S60 新型試乗】久々のセダンは、愛着をもって長く乗りたい…島崎七生人

ボルボ久々の新型セダン

安定の最新ボルボ・ルック&インテリア

走らせた印象はとにかく何もかもスムース

ボルボ S60 T5 Inscription
ボルボ S60 T5 Inscription全 52 枚

ボルボ久々の新型セダン

初代の日本導入は2001年、2代目(先代)は2011年。こうして見てもわかるとおり、比較的長いスパンでフルチェンジを果たしてきた『S60』が、3世代目に進化した。今回は9年余での一新、60シリーズとしては『V60(クロスカントリー含む)』、『XC60』に次いでの登場だ。

ボルボの目下のラインアップの大半がワゴンないしはSUV。セダンでいうと、現行『V90』導入時に『S90』も投入されたが、これは500台の特別限定車の扱いだった。なので久々の新型セダンということで、待っていたユーザーも少なくないと思うが、期待に違わぬ仕上がりぶり……というのが第一印象だ。

安定の最新ボルボ・ルック&インテリア

ボルボ S60 T5 Inscriptionボルボ S60 T5 Inscription
実車の3サイズは全長4760mm×全幅1850mm×全高1435mmで、先代より125mm長く、15mm幅が抑えられ、45mm低い。ホイールベースは『V60』と共通の2870mmで先代に対し100mm伸ばされた。スタイリングは“安定の最新ボルボ・ルック”といったところで、強いウェッジシェイプだった先代に対し、水平基調に近づけつつ、クーペ的な流麗なルーフラインを組み合わせ、全体は眺めていて心地いいスリークな味わいにまとめられている。

『V90』がCピラー側にリヤクォーターウインドを設けていたのに対し、こちらは“窓”はドアガラスにひと括りのデザインとしているのが違い。リヤフェンダーの後方に勢いを持たせて走るキャラクターラインは、往年の『1800E』のテールフィンをイメージしているのだそう。

ボルボ S60 T5 Inscriptionボルボ S60 T5 Inscription
インテリアも、もちろん最新のボルボ・クオリティが味わえる。試乗車は「T5 Inscription」で、フュージョンレッドメタリックのボディ色に対して組み合わせられるインテリア色はチャコールとなる。従って明るめのブロンド、シックなチャコールに対し、写真のとおりスポーティな雰囲気が感じられるものだったが、パーフォレーテッドファインナッパレザーを表皮に用いたシートの風合い自体は『V60』でもお馴染みのもの。

スッと身体が吸い付くような優しくもシッカリした着座感が得られる。他方で後席も、リラックスした姿勢が保て、長距離ドライブも快適に過ごせそうな居心地。頭上の空間もしっかりと確保され、尻上がりのウエストラインによるサイドウインドも閉所感は薄く、適度に包まれ感のある落ち着いた雰囲気を作り出している。

トランクスペースも、ワゴンボディではないが言い訳のいらない、ボルボらしい実用的な広さになっている点も好ましい。
ボルボ S60 T5 Inscriptionボルボ S60 T5 Inscription

走らせた印象はとにかく何もかもスムース

254ps/35.7kgmのスペックをもつ4気筒の2リットルターボと8速ATの組み合わせによる走りは、まったくストレスがない。走らせた印象はとにかく何もかもスムースで、乗り味もプレミアムセダンに相応しいフラットさを出している。

車重は1680kg(サンルーフ付き)で、同仕様の『V60』より40kg軽く、このため、シットリとした感触と素直なレスポンスのステアリングと併せて、よりコンパクトなセダンを運転しているような軽快なハンドリングに仕上がっているのもいい。

614万円(税別であれば558万1818円)の価格設定は、愛着をもって長く乗るには納得のいくところだろう。

ボルボ S60 T5 Inscriptionボルボ S60 T5 Inscription

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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