[サウンド調整術入門]タイムアライメント…本格タイプの調整手順 その3

“ロックフォード・フォズゲート”のチューニングアプリにおける、「タイムアライメント」の設定画面。
“ロックフォード・フォズゲート”のチューニングアプリにおける、「タイムアライメント」の設定画面。全 1 枚

カーオーディオの“聴こえ方”を整えるための1手段である「サウンドチューニング」について、多角的に考察している当コーナー。現在は「タイムアライメント」の調整方法を紹介している。今回は前回に引き続き、“タテの関係”の整え方を解説していく。

まず“タテの関係”というのは、前回に説明したとおり「ツイーターとミッドウーファーとの関係性」のことを指す。仮設定をした後には微調整を進めたいわけだが、最初には、ツイーターとミッドウーファー間の微調整を進めていくと良い。なお“タテの関係”については、運転席から遠い方(右ハンドル車なら左側)から手を付けていく。

さて、“タテの関係”を整えるときに目指すべきは、「ツイーターとミッドウーファーの間の1箇所から音が聴こえてくる状態である」、と前回に説明した。今回はそのようにしていくための操作方法を解説していく。

まずは良くない例から紹介していこう。音源はピアノとボーカルによる演奏がベストなのだが、そのような楽曲を流した際に、ピアノの高音域がツイーターから、ピアノの低音域がミッドウーファーから聴こえてくる場合は、「タイムアライメント」を微調整する以前に「位相が逆になっている」と推察できる。その際には「位相切替スイッチ」を操作して「位相の正・逆」を切り替えてみよう。そうすることで高い音も低い音もツイーターとミッドウーファー間の1箇所から聴こえてくるようになれば、それが正解だ。

なお、1箇所からは聴こえてこずに、かつ、完全に上と下とに分かれてもいないどっちつかずの状況のときには、一旦「クロスオーバー」に戻り「スロープ」を微調整してみよう。その上で「位相の正・逆」を切り替えてみる。そのような微調整を繰り返して、音がツイーターとミッドウーファーとの間のどこかしらの1箇所から聴こえてくる状況を、まずは作り出したい。

そのようにできたらいよいよ、“タテの関係”における「タイムアライメント」の微調整へと進んでいく。今度は、音が聴こえてくる場所と大きさを「より良い方向」へと修正していく。ちなみに、「より良い場所」とは大体「エアコンの吹き出し口付近」で、「より良い大きさ」とは「スコーカーくらいの大きさ」だ。

ところで、ツイーターとミッドウーファー間の1箇所から音が聴こえてくるのだが、低音だけはドア全体からも聴こえてくる、というような状況になることもある。そうであったら、ドア内部の鉄板が共振している可能性が高い。なのでそのときにはチューニングではなく、“デッドニング”で対処するしかない。鉄板に制振材を貼って状況の改善を目指そう。

今回はここまでとさせていただく。この続きは次回に解説する。お楽しみに。

『サウンド調整術』入門! 第5章「タイムアライメント」の調整方法 その6 本格タイプの調整手順 lll

《太田祥三》

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