間も無く本格的冬到来! トラック・バス業界における早期冬支度の重要性に迫る

早めの冬支度は実はいいことだらけ

今、スタッドレスタイヤ+タイヤチェーンの組み合わせが見直されている?

ここでいまさら聞けないタイヤチェーンのお勉強を!

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雪道のトラック走行イメージ
雪道のトラック走行イメージ全 14 枚

早めの冬支度は実はいいことだらけ

本格的な雪シーズンを前に、車への冬装備チェックがそろそろ始まって来ている季節。
実は近年、降雪エリアでの積雪量は史上最高を記録するところも多く、これまであまり雪が降らない“非降雪エリア”や“準降雪エリア”でも、突然の大雪に見舞われるケースが増加している。この記事を読んでいる貴方も記憶に新しいと思う。

温暖化による異常気象が原因という声も挙がるが、いずれにせよ雪が降らないエリアは冬支度しなくても大丈夫!なんていうことは、もはやあり得ないのが現状だ。
特に雪が降りにくいエリアの人たちこそ、降雪したときの影響は大きい。道路上の立ち往生や、事故トラブルのニュースも後を絶たない。

そこで皆さん、ぜひ肝に命じていただきたいのは「早めの冬支度」が大切ということ。エリアによっては降雪予報が出てからでは実は遅いということもある。本格的なシーズン到来前の早期装着は、タイヤ交換作業の待ち時間も少なく、さらに新品スタッドレスタイヤであれば、降雪前に慣らし走行が可能となる。

つまりタイヤがベストコンディションの状態になるので、本来のグリップ性能で本番を迎えられるわけだ。ちなみに最近のスタッドレスタイヤは、早期装着してもロングライフを重要視しているため、その分早く溝が減るということもなく、安心して長く使えるのも特徴だ。

スタッドレスタイヤの早期装着は、安全安心を高めると同時に、あなたや大切な人を守る重要な行動であることは間違いない。そしてスタッドレス+◯ェ◯◯の最強タッグが安全安心をさらに高めるのだ。

初霜は意外と早い!必要なのは“備えあれば憂いなし”の心構え

実は長野県は初霜発生の平均時期が北海道と同じ10月ということをご存知だろうか?
本州、ましてや関東以西で10月に初霜とは意外と感じる方も多いと思う。非降雪エリアのドライバーでも、この時期に長野県を通過するのであれば、必然的に早めのスタッドレスタイヤ装着が重要になって来る。

日本中をあちこち走り回るトラックドライバーは、出発地点、道中、到着地点で、各所全く路面状況が違うというケースに遭遇することもあるため、トンネルや峠を越えたら路面が真っ白で青ざめる、なんていうことが無いように、いつ何時に備えて“備えあれば憂いなし”の心構えでいることが必要だろう。

二次被害は想像以上に一瞬にして拡大する!

トラックから雪下ろしをするイメージイラスト
冬支度の話は何も自家用車に限ったことではない。我々の生活に必要不可欠、ましてや機能しなければ甚大な影響を及ぼす物流や交通機関は、さらにその重要度が増してくる。
だからこそ、交通網マヒは死活問題となる。我々も“雪で運送業者が稼働しない”、“バスが来ない”では正直困ってしまうわけだ。

話を整理すると、この話の大前提は、冬は安全第一のために、まずスタッドレスタイヤやタイヤチェーンを装着して、きちんと冬道走行に備えることが重要だということ。特にトラックやバスなど大型車が、スリップやスタックをして道を塞いでしまっては他車への影響も図り知れない。つまり二次被害は想像以上に一瞬にして拡大するリスクを持つため、働く車のドライバーこそ、“日本経済を支える根源”であるために、冬装備は是非ともしっかりとお願いしたい。

実はこんなにあるスタッドレスタイヤの種類

さて、スタッドレスタイヤと言っても、たくさん種類がある。
例えば、タイヤメーカー大手の住友ゴム工業(ダンロップ)の場合、同社は“安全安心”をコンセプトに、いわゆる「働く車」に対して、氷路面に強い製品、冬場でもロングライフで走れる製品、燃費が良くて環境に優しい製品などを幅広くラインアップしている。
今のうちにご自身の車にはどのスタッドレスタイヤがベストマッチなのかを再確認されることをおすすめしたい。

ダンロップのトラック・バス用スタッドレスタイヤダンロップのトラック・バス用スタッドレスタイヤ

ダンロップの商用タイヤラインアップはこちら

今、スタッドレスタイヤ+タイヤチェーンの組み合わせが見直されている?

ところで、皆さんは2018年に導入された“チェーン規制”というものをしっかりと理解されているだろうか。乗用車より稼働率の高いトラック・バス業界では、スタッドレスタイヤ+タイヤチェーンという組み合わせは今や必須装備という考え方が高まっているが、なぜスタッドレタイヤだけではダメなのか?ここで今一度確認しておきたい。

何だっけ?チェーン規制って?

そもそもこのチェーン規制とは一体どういったものなのか。
チェーン規制とは2018年12月14日から運用が開始された、冬季時の道路走行における新しい規制のこと。大雪時の道路交通網を麻痺させないために、タイヤチェーンを装着していない車両は、たとえスタッドレスを履いていたとしても、ある区間通行を禁止するというものだ。そう、スタッドレスタイヤを履いていれば大丈夫、ということではないのだ。

チェーン規制運用イメージ
では、チェーン規制はいつ実施されるのだろうか?
原則としては、「大雪特別警報」と「大雪に対する緊急発表」が発令された時となる。
昨冬までは、大雪時に除雪の為、長時間の通行止めになったり、通行止めをしなかった地区で「冬支度が十分でない」車両が走行することで、降雪ピーク時に至るところで立ち往生が発生し、車両の長期滞留が起こり混乱を招いていた。
そこで考えられたのが、大規模な車両滞留や、除雪の為の通行止めの時間を短くすることを目的とした今回のチェーン規制となる。

早わかり!チェーン規制の基礎情報

(チェーン規制の実施場所)
1. 勾配の多い峠部
2. 過去に立ち往生や通行止めが発生した所
3. タイヤチェーンが着脱できる場所、通行止が解除されるまで待機可能な場所

チェーン規制区間イメージ
(チェーン規制対象区間)
【高速道路】
●新潟県・長野県上信越道 「信濃町IC~新井PA(上り線)」 25km
●山梨県・中央道 「須玉IC~長坂IC」 9km
●長野県・中央道 「飯田山本IC~園原IC」 10km
●石川県・福井県北陸道 「丸岡IC~加賀IC」 18km
●福井県・滋賀県北陸道 「木之本IC~今庄IC」 45km
●岡山県・鳥取県米子道 「湯原IC~江府IC」 33km
●広島県・島根県浜田道 「大朝IC~旭IC」 27km

【国道】
●山形県・国道112号 月山道路 (西川町月山沢~鶴岡市田麦俣) 15.2km
●山梨県・静岡県国道138号 山中湖・須走 (山梨県山中湖村平野~静岡県小山町須走字御登口) 9km
●新潟県・国道7号  大須戸~上大鳥 (村上市大須戸~村上市上大鳥) 16km
●福井県・国道8号 石川県境~坂井市 (あわら市熊坂~あわら市笹岡) 4km
●広島県・島根県国道54号 赤名峠 (広島県三次市布野町横谷~島根県飯南町上赤名) 12km
●愛媛県・国道56号 鳥坂峠 (西予市宇和町~大洲市北只) 7km

※2019年2月時点

チェーン規制箇所日本地図
(罰金罰則)
タイヤチェーンを装着せずに対象区間を走行し、国土交通省がそのドライバーや所属会社を告発した場合は6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金となる可能性がある。

ここでいまさら聞けないタイヤチェーンのお勉強を!

京都府京田辺市にある株式会社椿本チエイン京都府京田辺市にある株式会社椿本チエイン

さて、チェーン規制についてご理解いただいところで、今度は“餅は餅屋”ということで、産業用チェーンを製造し、タイヤチェーンも手掛ける株式会社椿本チエインに、その選び方や装着のコツなどを取材したのでお伝えしたい。

実は、トラック・バスのタイヤチェーンも、金属製の鎖タイプからケーブルタイプとさまざまだが、スパイクタイヤが全面禁止となっている現在、凍結路などさまざまなシチュエーションで威力を発揮するのはやはり金属製鎖タイプのタイヤチェーン。

椿本チエインは、金属カテゴリーに分類される「合金鋼チェーン」を推奨するメーカー椿本チエインは、金属カテゴリーに分類される「合金鋼チェーン」を推奨するメーカー
トラック・バスの場合、新車購入時に付属部品としてついてくることが多いが、寿命走行距離の目安が100km前後とされるJIS品タイヤチェーン(金属)は、ある意味消耗品に近い。

椿本チエインは、金属カテゴリーに分類される「合金鋼チェーン」を推奨するメーカー。JISチェーン、ワイヤーケーブルチェーンと他にもあるが、なぜ合金鋼チェーンがオススメなのか。同社チェーン製造事業部 商品企画部 輸送機商品課長 堀 暁雄氏にお話を伺った。

椿本チエイン チェーン製造事業部 商品企画部 輸送機商品課長 堀 暁雄氏椿本チエイン チェーン製造事業部 商品企画部 輸送機商品課長 堀 暁雄氏

タイヤチェーンは、アレを重視して選ぶべし

堀氏(以下同):重視すべきは、やはり軽さと耐久性です。軽くて頑丈なほど、運転しやすく振動も少なく、より安全といえます。軽さと耐久性は、金属の材質と熱処理加工でほぼ決まります。たとえば、つばきのタイヤチェーンはすべて硬い合金鋼という特殊な鋼材を使っています。一般的なスチール製タイヤチェーンの約半分の重さで、耐久性は約3倍です。

タイヤチェーンを締め付ける「カムタイト」タイヤチェーンを締め付ける「カムタイト」
硬い金属ほど、鋼材を細くできるため軽量化が可能です。軽ければ装着も容易となり、作業時間の短縮やドライバーの負担軽減につながります。軽くて細ければ、走行中の振動や騒音も低減されます。振動という点では、ラダー型より亀甲型のほうが少ないですね。バスなど旅客輸送では、乗り心地も重要ですよね。

チェーンは路面状況によって装着するべき適合チェーンが違うのですが、鎖タイプはオールマイティです。ケーブルタイプは深雪、アイスバーン、急坂などでは対応できない場合がありますので、この点は購入検討時に用途をきちんと確認しておく必要がありますね。

簡単上手に装着するには“ねじれ”に注意すべし!

駆動輪に取り付けるという点は乗用車と変わりありませんが、大型ダンプやトラクタートレーラーの場合、駆動輪が複数あることがあります。全駆動輪に取り付けるのが理想ですが、駆動方式やディファレンシャルギアの位置、機構によって装着推奨位置が変わってきますので、車両のマニュアルを必ず確認してください。

トラックの駆動方式や機構によって装着推奨位置が変わるトラックの駆動方式や機構によって装着推奨位置が変わる
また、装着時に失敗の原因となりやすいのは、ねじれとたるみです。夜間や早朝など暗がりだとわかりにくいですが、平らにひろげて、ねじれをもどしてから装着してください。ねじれがあると、タイヤチェーンの一部にテンションがかかり、早期破断につながります。

たるみについては、大前提まず正しいサイズのタイヤチェーンを使ってください。
次に、装着時に外側のサイドチェーンをつなぐ際に、末端ではなくできるだけ短く「つなぐ」ようにして下さい。弊社の「つばきライトマックス」はゴムバンドではなく「カムタイト」と呼ばれる部品でタイヤチェーンを締め付けるのですが、最初の「つなぎ」がゆるすぎるとカムタイトでは締めきれないことがあります。

そもそも“ねじれ”させないためにはどうしたら良い?

使用した後、袋に仕舞う際にフックをサイドチェーンに引っ掛けてねじれないようにする、これはぜひ守っていただきたいです。次使用するときもすぐに装着できますし、とにかくストレスフリーです。

また保管方法も重要です。シーズン終了時に保管する際は、水洗いをして融雪剤などを落としてください。そして十分乾燥させて潤滑剤を塗布。ビニール袋などに入れて雨のかからない場所に保管することをお勧めします。

ねじれさせない3つのポイント
・正しいサイズ
・短く繋ぐ
・適切な保管

判断が難しい装着タイミング!実は“耐久性”がモノを言う!

早めの装着は基本です。よくあるシチュエーションは峠越えだと思います。麓は雪も無くドライ路面でも、山の頂上付近は凍結や積雪という場合があります。中腹くらいから天候があやしくなってくるわけですが、山道の途中に脱着場や駐車スペースがないことも多く、路肩が空いているとしても勾配のあるところでは脱着はできません。

椿本チエイン チェーン製造事業部 商品企画部 輸送機商品課長 堀 暁雄氏椿本チエイン チェーン製造事業部 商品企画部 輸送機商品課長 堀 暁雄氏

できれば、麓で装着して峠を越えることです。ただ、雪のないところでの走行はタイヤチェーンへのダメージが大きくなりますから、切れるリスクも高まります。タイヤチェーンの耐久性を考えた判断も必要です。それから、トンネル内はアスファルトではなく、硬いコンクリート舗装の場合もあります。コンクリートはタイヤチェーンへのダメージが大きくなるので速度を落とすなどの注意が必要です。

そこに愛はあるか!?“急”がつく運転操作は厳禁!やさしい運転を心がけること!

メーカーとしてはタイヤチェーン装着時のスピードは30km/hとしています。もちろん、設計やテストは2倍以上の速度で行っていますが、一般的な雪道走行と同じで、急ハンドル、急ブレーキ、急加速は厳禁、やさしい運転を心がけることだと思います。

冬のさらなる安心と輸送力を求めるならば早めの冬支度は必須!!

全ての運転において一番重要なこととは、安全に関わる当たり前のことを“忠実に励行すること”。その上でスタッドレスタイヤやタイヤチェーンという存在は、雪道の安全輸送において最大限の安全安心を発揮してくれるのだ。
ここで改めて。“雪が降ってからでは遅い!”、“路面が凍ってからでは遅い!ということをぜひとも頭に叩き込んでいただきたい。本格的な冬が始まり最悪の事態が発生する前に、確認と行動をどうかお願いしたい。
スタッドレスタイヤ+タイヤチェーンのタッグで快適な冬ドライブに備えよう!

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《中尾真二》

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