国土交通省鉄道局は11月19日、2020年東京オリンピック・パラリンピックを見据えた鉄道テロ対策の新たな実証実験を行なうと発表した。
国土交通省では、旅客流動を大きく妨げない範囲での危険物探知の実証実験に関する企画提案を募集していたが、このなかで、危険物探知犬や旅客スクリーニング装置を使うものが選ばれ、駅への導入可能性を検証する実証実験が行なわれることになった。
危険物探知犬を使用した実証実験は東京駅(東京都千代田区)の新幹線北・中央・南のりかえ口で12月4日に実施。特別な訓練を受けたラブラドールレトリバーやビーグルが、ハンドラーや警備員とともに改札機付近の一定範囲を探索する。
旅客スクリーニング装置を使った実証実験は都営地下鉄大江戸線新宿西口駅(東京都新宿区)のJR新宿駅方面改札で11月25~28日に実施。特定の改札機に設置されたボディスキャナを使用し、模擬危険物を持ったエキストラを通過させて検知、検査場所への誘導を行なう。
危険物探知にはふたつの犬種が使われる(ラブラドールレトリバー)。いずれも旅客がいるなかでの実験となり、「アンケートへの協力をお願いする場合があります」としている。旅客スクリーニング装置を使った実験への協力は任意となる。
国土交通省鉄道局では今回の実験を「個人情報の適切な保護と取扱いが重要なテーマ」であると認識しており、「個人情報保護に関する基本指針」 を策定。実施中であることや、目的・方法・プライバシーポリシーを記載した掲示を調査受託者に行なわせるなどして、指針を厳守するとしている。
危険物探知にはふたつの犬種が使われる(ビーグル)。