【コペン GRスポーツ 新型試乗】「コペンS」とは違うしなやかさは、乗り手も道も選ばない…岩貞るみこ

ダイハツ コペン GRスポーツ
ダイハツ コペン GRスポーツ全 13 枚

モータースポーツからのフィードバックを理念とするトヨタのGRことGazoo Racingが手掛ける市販車たち。そのノウハウを組み込まれたダイハツの『コペン GRスポーツ』である。

モータースポーツと聞くと、どんなにがちがちに固められたボディ剛性とサスペンションなのだろうと身構えるけれど、結論から先に言おう。コペンGRスポーツで具現化されたスポーティな乗り心地は、それと同時に、素敵に上質なのだ。

ダイハツ コペン GRスポーツダイハツ コペン GRスポーツ
シートに座ると、目の前にはMOMO社製のハンドル。そこかしこに「GR」のエンブレムが存在感を示している。エンジンをスタートさせると、インパネは赤い光を放ち、これだけで走り始めの演出は十分である。

気持ちを整えてアクセルを踏み込み走り出すと、最初に伝わってきたのは、ハンドルを握る手へのしなやかさだった。確実な剛性を包む、濃厚で重厚感のあるやわらかさ。座っているあたりと、ハンドル部分などの機能がおさまるエンジンルーム周辺の二点をつなぐようにボディの床下骨格に補強がほどこされて(後ろ半分も補強されたけれど)一体感が半端なく高まっているのだ。

それでいて、がちがちではなくやわらかさを感じさせる優しい受け止め感。路面の凹凸の吸収具合も、ものすごく上質なのである。

ダイハツ コペン GRスポーツダイハツ コペン GRスポーツ
この一体感はコーナリングでも顕著に感じられ、これまでの「コペンS」では、ハンドルをきる>横に遠心力がかかる>向きを変えると、一つひとつの動作がわずかに分解されたように感じられたけれど、GRスポーツは、ハンドルをきる~向きを変えるまで時差なくひとつの動きとして体感できる。乗りやすい!

GRチューンといわれると、スポーティな世界を知らない人間が中途半端に手を出したらいけない気がしてしまうけれど、とんでもない。このスポーツカーは、乗り手を選ばず道を選ばず、低速でも街中でも楽しめるクルマなのである。

ダイハツ コペン GRスポーツダイハツ コペン GRスポーツ

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、ノンフィクション作家として子どもたちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「ハチ公物語」「しっぽをなくしたイルカ」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。最新刊は「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
  2. 「ホンモノのGT」が日常を小冒険に変える…マセラティの新型『グラントゥーリズモ』が誘う世界とはPR
  3. ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
  4. Sズキが電動マッサージ器を「魔改造」、25mドラッグレースに挑戦!!
  5. メルセデスベンツ『Gクラス』にEV誕生、4モーターで587馬力…北京モーターショー2024
  6. 『N-BOXカスタム』用パーツが一挙発売、ブリッツからエアクリーナーシリーズ4種類・5製品が発売
  7. [音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー「小型・薄型モデル」の選択のキモは、“サイズ”と“音”と“価格”!
  8. 【トヨタ GRカローラ 新型試乗】「GRヤリス」とはスタンスが明確に違う理由…河村康彦
  9. トヨタ『ハリアー』が今夏ビッグマイチェン!? 「ハンマーヘッド」デザイン採用か
  10. 三菱『エクリプス クロスPHEV』は、新しい毎日に踏み出せる「今の時代、最強の1台」だPR
ランキングをもっと見る