神奈川県の小田原駅(小田原市)と強羅(ごうら)駅(箱根町)を結ぶ箱根登山鉄道は11月22日、台風19号の被災により運行を見合わせている箱根湯本~強羅間を、2020年秋頃の再開を目指して復旧させることを明らかにした。
10月13日から運行が見合わされている同区間では、比較的被災が少ない箇所の復旧工事が順次進められていたが、被害が甚大な大平台隧道から大沢橋梁付近にかけてと、蛇骨(じゃこつ)陸橋から小涌谷(こわくだに)踏切付近にかけては、復旧工事の前段階として必要な撤去工事や搬入路の整備を実施。並行して早期復旧へ向けた調査や関係機関との協議を行なってきた。
今回はそれらが進捗したとして、おおよその再開時期を明示できるようになり、箱根登山鉄道では「早期復旧に向けて、全力で取り組んでまいりますので、ご理解、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます」としている。
このほか、台風19号による被災で運行を見合わせていた線区では、JR東日本八戸線階上(はしかみ)~久慈間が12月1日に再開することになり、八戸線八戸~久慈間全線が復旧する。
箱根登山鉄道同線は11月22日時点で23の被災箇所のうち、宿戸(しゅくのへ)~陸中八木間や侍浜~陸中夏井間の計18か所が復旧しており、残るは陸中八木~有家(うげ)間、陸中中野駅構内、陸中八木~有家間の復旧を待つのみとなっている。11月27日には再開へ向けた確認作業として工事用車両や試運転列車が走行する予定となっている。
これに伴ない、八戸~久慈間で運行されている観光列車『TOHOKU EMOTION』は12月13日から再開。八戸12時22分発久慈行きと久慈15時発八戸行きの定期列車は12月14日から2020年2月29日までの延べ16日間、「リゾートうみねこ」で運行される。
12月13日から再開される八戸線の観光列車『TOHOKU EMOTION』。一方、福島駅(福島県福島市)と槻木(つきのき)駅(宮城県柴田町)を結ぶ阿武隈急行は、宮城県内が大半を占める富野~槻木間で運行見合せが続いているが、このうち丸森~槻木間については12月中旬に再開できる見込みとなった。