ロールスロイスがSUVにも「ブラックバッジ」、カリナン 発表…広州モーターショー2019

600psに強化されたV12ツインターボ

ブラックボディは10回の手作業で研磨仕上げ

鏡面仕上げのトリムパネルは完成までに21日

ロールスロイス・カリナン・ブラックバッジ
ロールスロイス・カリナン・ブラックバッジ全 21 枚

ロールスロイスモーターカーズは、中国で開催した広州モーターショー2019のプレビューイベントにおいて、ロールスロイス『カリナン ブラックバッジ』(Rolls-Royce Cullinan Black Badge)を発表した。

『カリナン』は、2018年10月に発表されたブランド初のSUVだ。ボディサイズは全長5341mm、全幅2164mm、全高1835mm、ホイールベース3295mmと堂々の大きさを持つ。排気量6.75リットルのV型12気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載し、最大出力571ps、最大トルク86.7kgmを引き出す。車両重量2660kgのボディを、最高速250km/h(リミッター作動)まで加速させる。

このカリナンに、ブラックバッジが設定された。ロールスロイスのブラックバッジは、若い顧客に訴求するスポーティモデルだ。2016年に4ドアリムジンの『ゴースト』と2ドアクーペの『レイス』に、2017年に2ドアオープンの『ドーン』に、ブラックバッジがラインナップされており、顧客に支持されている。

600psに強化されたV12ツインターボ

カリナン ブラックバッジでは、6.75リットルのV型12気筒ガソリンツインターボエンジンに、新開発のエキゾーストシステムをはじめ、専用チューニングを実施した。これにより、最大出力は571psから600psへ、29ps向上。最大トルクも86.7kgmから91.8kgmへ、5.1kgm引き上げられた。トランスミッションは、ZF製8速ATを組み合わせる。

パワーアップされたエンジンに対応して、シャシーは強化された。フロントとリアのステアリングアクスルは、スロットルとステアリング入力に連動して、最適に調整される。サスペンションの設定も変更され、低速域での快適な乗り心地と、スポーツ走行時のハンドリング性能を追求した。ブレーキのチューニングも変更され、ペダルのストロークが減少している。ロールスロイス・カリナン・ブラックバッジロールスロイス・カリナン・ブラックバッジ

ブラックボディは10回の手作業で研磨仕上げ

カリナンのブラックバッジのボディカラーには、ブラックバッジならではの「シグネチャーブラック」を用意する。カリナンは4万4000種類のペイントオプションやオーダーメイドカラーが利用できるが、ロールスロイスによると、多くの顧客がシグネチャーブラックを選択すると予想されるという。

このシグネチャーブラックは、英国グッドウッドのロールスロイスの本社工場において、複数の層で塗装され、10回の手作業による研磨を経て仕上げられる。ボディサイドには、イエローのストライプを添えることも可能だ。

フロントフード先端に装着される「スピリットオブエクスタシー」のマスコットは、ハイグロスのブラッククロームで仕上げられる。ブラックバッジとしては初めて、カリナンではフードマスコットの取り付けプレートも、ハイグロスのブラッククローム仕上げに。これにより、最もダークに見えるブラックバッジになるという。

フロント、サイド、リアのエンブレムは黒地にシルバーとした。フロントグリルサラウンド、サイドフレームフィニッシャー、トランクハンドル&トリム、エアインレットフィニッシャー、マフラーなどのクローム部分は、ダーク仕上げになる。

足元には、専用のハイグロスブラックの22インチアルミホイールを装着する。ブレーキキャリパーは、ハイグロスレッド塗装とした。このブレーキシステムは、ブレーキディスクの通気性を向上させ、温度上昇に耐えるように特別に開発されたものだ。ロールスロイス・カリナン・ブラックバッジロールスロイス・カリナン・ブラックバッジ
◆鏡面仕上げのトリムパネルは完成までに21日

インテリアは、「最高の快適さと大胆なデザイン」がテーマだ。デザイナー、エンジニア、職人のコラボレーションにより、新しい素材が生み出された。都市建築に着想を得て、裸織りのカーボンファイバー仕上げが開発された。3D効果を発揮する幾何学的パターンを表現する。

「テクニカルカーボンベニア」と呼ばれるトリムパネルは、6層のラッカーで仕上げられた後、72時間硬化させ、ロールスロイスの特長的な鏡面仕上げにハンド研磨される。このプロセスには21日かかり、車内の23の装着部分すべてで、反射の均一性を職人が確認する。

スターライトヘッドライナーには、スピリットオブエクスタシー、パンテオングリル、「ダブルR」モノグラムなど、歴史的なロールスロイスが表現された。夜間にはブラックのレザーシートに弱めの光を当てることで、キャビンの雰囲気を高めている。

インテリアカラーは、ほぼ無限の組み合わせが可能だ。大胆な新しいレザーカラーとして、「フォージイエロー」が選択できる。「インフィニティ レムニスケート」のモチーフが、後席のアームレストに刺繍された。このシンプルかつ強力なシンボルは、照明付きトレッドプレートやブラッシュ仕上げの時計にも刻まれている。メーターの指針は赤とした。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 女性向けキャンピングカー「Nomad Lux」デビュー 5月3日初公開
  2. レクサス最小の『LBX』は、「サイズ的ヒエラルキー」から脱却できたのか?
  3. なぜ? アルファロメオ『ミラノ』の車名を禁じられる…なら『ジュニア』だ!
  4. マツダの新型セダン、ティザー…間もなく中国で実車発表へ
  5. サスペンションの新常識! 1G締めがもたらす驚きの効果とは?~カスタムHOW TO~
  6. トヨタ『4ランナー』新型にオフロード向け「TRDプロ」仕様を設定…ハイブリッド i-FORCE MAX 搭載
  7. ホンダが新型EV「イエ・シリーズ」を中国で発表…2027年までに6車種を投入へ
  8. 三菱ふそうが苦肉の策、工場の従業員を“出稼ぎ”でバスの運転手に[新聞ウォッチ]
  9. VW ゴルフ が表情チェンジ…改良新型の生産開始
  10. シボレー コルベット の頂点「ZR1」、今夏発表へ
ランキングをもっと見る