アキュラのSUVに「パフォーマンス」エディション、NSX と同じ工場でハンドメイド…ロサンゼルスモーターショー2019

PMCとは米国オハイオ州のNSXの生産拠点

熟練した技術者が長時間かけて生産

NSXと同じ赤いボディカラーは塗装に5日

3.5リットルV6+SH-AWD

アキュラ MDX のPMCエディション
アキュラ MDX のPMCエディション全 15 枚

ホンダの海外向け高級車ブランドのアキュラは、ロサンゼルスモーターショー2019において、アキュラ『MDX』(Acura MDX)の「PMCエディション」を初公開した。『NSX』を作るのと同じ熟練の職人によって、ハンドメイドで組み立てられる。

MDXは、アキュラの最上級SUVだ。現行MDXは3世代目モデルで2013年3月、ニューヨークモーターショー2013で発表された。2016年春のニューヨークモーターショー2016では、現行アキュラMDXにとって、デビュー以来、初の大幅改良が施された。

PMCとは米国オハイオ州のNSXの生産拠点

アキュラはロサンゼルスモーターショー2019において、このMDXのPMCエディションを初公開した。「PMC」とは、「パフォーマンス・マニュファクチャリング・センター」の略で、米国オハイオ州メアリズビルにある工場を指す。MDXのPMCエディションはNSXと同じ工場で、ハンドメイドで組み立てられる。

パフォーマンス・マニュファクチャリング・センターは、NSXのグローバル生産拠点だ。熟練した技術者が持つ職人の技と、革新的な先進生産技術との調和を目指している。PMCは、NSXのようなスーパースポーツモデルの少量生産に適した生産設備を備えており、およそ100名の従業員が、各工程で先進のロボット技術と協調しながら、高いレベルの品質とクラフトマンシップを追求している。高度な生産技術を多数有しており、多くの特許を米国で申請済みだ。アキュラ MDX のPMCエディションアキュラ MDX のPMCエディション

熟練した技術者が長時間かけて生産

例えば、PMCでは熟練した技術者が長時間かけて、パワートレイン、サスペンション、電装部品、インテリア部品、ボディパネルを組み付けていく。ビジュアル作業標準システムにより、技術者は各工程で標準化された作業を忠実に実行することができる。

主要なボルトの取り付けはエキスパートによる手締めから始まり、その後ワイヤレス通信が可能なデジタルトルクレンチで締め付けることにより、締付トルクを精密に管理する。車両ごとにボルト一点一点のトルク実績を記録することができ、組立工程の品質を保証する。

PMCの工場の中央には、品質検証センターがある。工場内のあらゆる場所から、ガラス張りの壁を通して検証中の車両を見ることができる。また、高い技術を持った溶接のエキスパートが、部品ひとつひとつを溶接の各ステージで目視検査するとともに、寸法計測を行い、品質や精密性を検証する。この作業は、パワートレイン、サスペンション、ボディパネルといった構成部品の正確な組み付けと、高い動的性能を確保する上で、非常に重要という。

NSXと同じ赤いボディカラーは塗装に5日

また、MDXのPMCエディションは、NSX用のボディカラー、「バレンシアレッドパール」で塗装される。バレンシアレッドパールは、非常に高い彩度と深いレベルのコントラストを生み出すナノ顔料技術が特長だ。高度なロボット塗装システムを使用して、複数のベースコートを塗布する。さらに、塗料の光沢を高めるために、2層のクリアコートが施される。硬化までを含めた塗装の総時間は、5日間だ。

この他、フロントグリルや20インチアルミホイールは、グロスブラックで仕上げた。ブラッククロームエグゾーストフィニッシャーを装備する。 ルーフ、ルーフアンテナ、ドアミラー、ウィンドウモールディング、リアナンバープレートガーニッシュ、ドアハンドルは、グロスブラックとなる。アキュラ MDX のPMCエディションアキュラ MDX のPMCエディション

インテリアには、アルカンターラ仕様のブラックのミラノレザーシートを装備した。シート、ドアライニング、センターアームレストには、黒いパイピングと赤いステッチが添えられる。ブラックレザーの「A-Spec」のスポーツステアリングホイールには、赤いステッチと金属仕上げのパドルシフトが備わる。メーター照明は赤色だ。コンソールには、シリアルナンバープレートが装着される。

3.5リットルV6+SH-AWD

パワートレインは、3.5リットルV型6気筒ガソリン「i-VTEC」で、最大出力は290hp、最大トルクは36.9kgmを引き出す。トランスミッションは9速ATで、4WDシステムは「SH-AWD」を組み合わせている。

出荷前の最終チェックもNSX同様の方式で行う。ダイナモチェック、塗装検査、悪路シミュレーション、漏水テストなどを実施する。最後にPMCエディションは専用のカバーをかけて、販売店に出荷される。

《森脇稔》

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