日産の「3頭体制」が早くも崩壊---関副COO退任、日本電産へ[新聞ウォッチ]

自動車 ビジネス
日産自動車執行役副最高執行責任者、関潤氏
日産自動車執行役副最高執行責任者、関潤氏 全 2 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

「いい加減にしてほしい」などと、愚痴をこぼすのも嫌になるほどに、またしてもやる気を失う社員が続出することだろう。「ワンチーム」を掲げて、12月1日付けで船出したばかりの日産自動車の内田誠新体制が、早くも暗礁に乗り上げている。

集団指導による「3頭体制」の一角を担っている副最高執行責任者(COO)のポストに付いた関潤氏が、退任する意向を固めたという。

きょうの各紙が1面や経済面で「日産 関副COO退任へ、「『トロイカ体制』船出直後」(読売)、「日産ナンバー3辞任へ」(朝日)、さらに「日産『3頭体制』はや修正へ、経営安定なお遠く」(日経)などと大きく報じている。

筆頭株主の仏大手ルノーとの関係などを巡り、内田社長兼最高経営責任者(CEO))との路線対立があったとみられ、年明けの2020年2月には、日本電産が次期社長含みで迎え入れる見通しという。

日産の役員人事は社外取締役で構成する「指名委員会」が選出するが、9月に西川廣人社長兼CEOが退任した後は、次期社長の最有力候補として関氏が取り沙汰されていた。

しかし、指名委員会は、生え抜きの関氏ではなく、旧日商岩井出身で5歳も若く、中国事業を統括する総裁のポストでは、後輩になる内田氏を指名した。しかも、トップ人事をめぐっては、社長レースに敗れたライバル関係にある先輩格の人物は社外に転出するのが一般的だが、指名委員会は、関氏を「副COO」という格下の半端なポストに据えてしまった。

空気を読めない指名委員会の任命責任も重いが、ボタンの掛け違いから、関氏は新たに取締役に就任する前に潔く”自決”を覚悟したものとみられる。見方によれば、内田新社長に権限が集中してリーダーシップがとりやすくなる可能性もあり、改めて真価が問われる。

それにしても、関氏はカリスマ経営者の永守重信会長の日本電産へ次期社長含みで転出する意向だが、日本電産の吉本浩之現社長も旧日商岩井出身で日産から迎え入れられた。同じ日商岩井出身の内田社長とのレースに敗れて、こんどは日商岩井出身の吉本社長の後任になるというのも不思議な縁だ。

2019年12月25日付

●日産 関副COO退任へ、「トロイカ体制」船出直後(読売・8面)

●車再編環境とITで加速(読売・8面)

●EV電池再利用へ本腰、経産省・車大手(読売・9面)

●軽でも加速 運転支援機能、スズキも参戦、先進技術搭載、高価格化も(朝日・6面)

●出生数最少86万4000人、19年推計、自然減、初の50万人超え(毎日・1面)

●スズキ ハスラーを全面改良、相次ぐ新車、軽に活況(産経・9面)

●中古車載電池中国で争奪戦、丸紅EVメーカーへ出資、伊藤忠来年にもリユース(日経・14面)

●曙ブレーキ社長「一部工場の存続検討」再建案、3月までに修正(日経・15面)

●自動運転「レベル3」来年、市販車公道へ、保安基準改正案公表(日経・38面)

《福田俊之》

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