日産 GT-R でFIA GT1を制したJRM、650馬力ロードカー『GT23』を開発中…2020年に発売へ

ニスモとのタッグでFIA GT1を制したJRM

GT1は自然吸気の5.6リットルV8+後輪駆動に変更

車両重量は1275kgに軽量化

価格は38万ポンドで23台を限定生産

JRM GT23 のイメージスケッチ
JRM GT23 のイメージスケッチ全 8 枚

英国に本拠を置くモータースポーツ会社JRMは、日産『GT-R』をベースにした ロードカー、JRM『GT23』を、2020年に限定23台発売すると発表した。

ニスモとのタッグでFIA GT1を制したJRM

JRMはニスモと協力し、2010年から日産『GT-R NISMO GT1』で、FIA GT1世界選手権に参戦した。JRMは英国のモータースポーツ会社として、FIA GT1を始め、グループNラリーやプロダクションカーレースの分野で広く知られている。イーストサセックス州ライとノーザンプトン州ダベントリーに工場を構えるラリーカーとレースカーのメーカーだ。

JRMは、チューニングパーツの販売で知られるスモーパワーと、そのFIA GT1レースチームのスモーパワーGTの親会社でもある。2010年、ニスモとJRMはFIA GT1世界選手権プロジェクトでのパートナーシップ契約を締結した。

JRMはスモーパワーGTを立ち上げ、FIA GT1世界選手権に日産GT-R NISMO GT1で参戦を開始。2011年は、スモーパワーGTに加え、新たにJRM レーシングを設立し、JRM傘下の2チームが参戦した。第3戦のアルガルブで優勝を果たし、日産GT-R NISMO GT1は、2011年のFIA GT1世界選手権のドライバーズチャンピオンを獲得している。

GT1は自然吸気の5.6リットルV8+後輪駆動に変更

GT1仕様のエンジンは、GT-Rの3.8リットルV型6気筒ガソリンツインターボ(当時は最大出力485ps、最大トルク60kgm)に代えて、北米専用フルサイズSUVの日産『アルマーダ』やインフィニティ『QX56』用のVK56DE型5.6リットルV型8気筒ガソリン自然吸気エンジンを搭載した。

最大出力は600ps、最大トルクは66.3kgmを発生する。トランスミッションはRicardo製6速シーケンシャルで、トランスアクスルレイアウトを採用した。駆動方式はFIA(国際自動車連盟)の規定により、4WDからFR(2WD)に改められた。

サスペンションは前ダブルウイッシュボーン、後ろマルチリンクだ。ブレーキは4輪カーボンディスク&パッドでキャリパーは6ピストンとなる。タイヤ&ホイールは18インチだ。

ボディサイズは全長が80mm伸びて4730mm、全幅が145mm拡大され2040mm。2780mmのホイールベースは変わっていない。トレッドは前が80mmワイド化され1670mm、後ろは110mm拡幅され1710mmに。ボディパネルはカーボンファイバー、ウインドウはプラスチックに変更され、車重は 1250kgに抑えられた。市販仕様の当時のGT-Rが1740kgだから、490kgもの軽量化に成功したことになる。リアには大型ウイングが装着された。JRM GT23 のイメージスケッチJRM GT23 のイメージスケッチ

車両重量は1275kgに軽量化

GT23の開発において、JRMは日産GT-R NISMO GT1の開発から得られたノウハウを導入した。GT-Rの主要システムを見直し、サーキットのパフォーマンスを向上させるためにコンポーネントを再設計した。全体的なアプローチには、エンジン搭載位置、ギアボックス、サスペンションアーキテクチャなどの変更が含まれる。車両重量、前後重量配分なども見直されている。

また、エンジンに関しては、3.8リットルV型6気筒ガソリンツインターボを搭載する。最大出力は650psまで引き上げられる。また、GT-R NISMO GT1同様、駆動方式を4WDからFRに変更。車両重量は1275kgに抑えられる。JRMによると、車両重量1トンあたり500hpのパワーを達成するために、軽量化を追求するという。トランスミッションは、6速シーケンシャルを組み合わせる。

なお、JRMは、GT23のイメージスケッチを数点公開した。大型リアウイングなどのフルエアロパッケージと、レーシングカー同様のシンプルなインテリアを採用する。

価格は38万ポンドで23台を限定生産

JRMのGT23は2020年春から、英国ダベントリーの本社工場において、手作業で23台を生産する予定だ。価格は38万ポンド(約5385万円)と発表された。JRMは、GT23のレーシング要素は、ロードカーでは他に類を見ない。まさに「公道のレースカー」としている。

《森脇稔》

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