日産が電動のアイスクリーム移動販売車を提案、e-NV200 ベース…CES 2020

営業用の電源は初代リーフの再生バッテリーから

ルーフにソーラーパネル

車体側面のパネルでスマホ決済

日産電動アイスクリームバンコンセプト
日産電動アイスクリームバンコンセプト全 14 枚

日産自動車の米国部門は、2020年1月に米国ラスベガスで開催されるCES 2020に、EVの『e-NV200』(Nissan e-NV200)をベースにした「電動アイスクリームバンコンセプト」を出展すると発表した。

e-NV200は、多目的商用バンの『NV200』(日本名:『NV200バネット』)をベースに開発されたEVだ。最新モデルには、蓄電容量40kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。これにより、市街地で最大300km(WLTP計測モード)の航続を実現した。これは従来モデル比で、6割以上の航続延長に相当する。急速チャージャーを利用すれば、バッテリーの容量の8割を、およそ1時間で充電できる。

このリチウムイオンバッテリーは、バッテリーの大きさに変更はない。商用車で重視される積載スペースや積載量は、従来通りとした。e-NV200は、独自の双方向充電機能を搭載する。これにより、e-NV200の顧客は、電気を蓄えたり、家庭向けに電力を供給したり、余剰電力を売ることができる。

営業用の電源は初代リーフの再生バッテリーから

日産は、このe-NV200をベースにした電動アイスクリームバンコンセプトをCES 2020に出展する。日産は、再生可能な風力と太陽エネルギーで農場を経営しているアイスクリームメーカー、「Mackie's of Scotland」と提携し、この電動アイスクリームバンコンセプトを開発した。日産電動アイスクリームバンコンセプト日産電動アイスクリームバンコンセプト

現在、アイスクリームバンの古いモデルの多くが、冷凍装置を動かすために、ディーゼルエンジンを作動させている。このディーゼルエンジンは、アイドリング状態で放置すると、有害な排出物を発生する。日産の電動アイスクリームバンコンセプトでは、CO2排出量を削減するクリーンなソリューションを提示する。

電動アイスクリームバンコンセプトのモーターは、蓄電容量40kWhのバッテリーで駆動する。一方、ソフトクリームサーバー、冷凍庫、飲み物用の冷蔵庫などの機器は、「日産エナジーローム」によって駆動する。

日産エナジーロームは、初代『リーフ』から回収されたリチウムイオンバッテリーを再生したポータブルパワーパックだ。日産のEV用バッテリーに、持続可能なセカンドライフを与えるものになる。日産電動アイスクリームバンコンセプト日産電動アイスクリームバンコンセプト

ルーフにソーラーパネル

日産エナジーロームは、700Whの蓄電容量と1kWの最大出力を備える。外出先でもクリーンな電力ソリューションを提供するポータブルパワーパックだ。

電動アイスクリームバンコンセプトには、2つの日産エナジーロームを搭載する。蓄電容量は、合計で1.4kWhとなり、それぞれ最大1kWの電力を供給できる。日産エナジーロームの充電は、230ボルトのソケットでおよそ1時間だ。ルーフに装着された太陽電池パネルによって、2~4時間で充電することもできる。日産電動アイスクリームバンコンセプト日産電動アイスクリームバンコンセプト

車体側面のパネルでスマホ決済

電動アイスクリームバンコンセプトには、複数の新しいアプローチを導入する。例えば、アイスクリームは、車両の横のハッチから取り出される。代金の支払いは現金で行うことができるが、車体の側面に取り付けられた「タップtoペイ」パネルを利用して、非接触型の銀行カードやスマートフォンでも決済できる。

また、グローバルアドレスサービス「What3Words」を利用して、アイスクリームバンコンセプトの正確な位置のツイートを発信するスマートボタンを搭載する。What3Wordsは、世界を3m四方の場所に分け、それぞれに3ワードの固有の住所を与えるもの。公園や海岸沿いなどの分かりにくい場所などで、アイスクリームバンコンセプトを簡単に見つけられるように配慮している。

《森脇稔》

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