法改正、新法立法などのMaaS実現のための制度づくり…MaaS推進議員連盟 事務局長 今枝宗一郎氏[インタビュー]

法改正、新法立法などのMaaS実現のための制度づくり…MaaS推進議員連盟 事務局長 今枝宗一郎氏[インタビュー]
法改正、新法立法などのMaaS実現のための制度づくり…MaaS推進議員連盟 事務局長 今枝宗一郎氏[インタビュー]全 1 枚

今枝氏は 1月31日開催セミナー「2020年MaaS関連推進予算」 に登壇し講演する。

---:「MaaS推進議員連盟」は2019年5月31日に発足しました。そもそもMaaS議連を起ち上げようとお考えになった動機と言いますか、思いはどのようなものだったでしょうか。

今枝氏:はっきりいえば「危機感」ですね。MaaS議連の会長は甘利明先生で、幹事長はミスターモビリティといわれる山際大志郎先生です。自民党の中では、絶えず国際競争力強化とか知的財産権問題はどうあるべきかなど、常に議論してきました。

ご存じのように、GAFAとか中国の巨大なネット企業などが、世界を席巻し、日本の国際的競争力は低下してきています。日本の最大の産業といえば、自動車産業ですが、近年、「コネクテッド・カー」とか「CASE」という専門用語でもいわれているように、単なる自動車を生産して、これまでのように、年間何百万台と売れるような時代ではなくなることははっきりしてきています。そのような時代の変化・進化の中では、トヨタはソフトバンクと提携して「MONET」という新しい時代のモビリティの在り方を研究し、その成果をサービスや製品に反映していこうとしています。

そういう時代ですから、我々、国会議員も「もうこれ以上GAFAなどの進撃を手を拱いているわけにはいかない。MaaS分野は日本国内だけでも、2025年には約2兆円の市場規模になり、2030年にはその約3倍の6兆円になるという予測もあります(矢野経済研究所調べ)。そして世界市場は2050年には900兆円になるという予測まであります。

そこで、私が事務局長になり、議連がスタートしたわけです。危機感が底には流れていますので、出来上がっている産業を再編成するという視点ではなく、まったく新しいサービス、産業を作り出そうという視点ですから、絶えず、世界の動向を追いながら、日本独自のMaaSというものが形作られたらいいと考えています。

---:どうすれば日本独特で競争力のあるMaaSを形作ることができるとお考えですか。

今枝氏:MaaSといえどもICTの力だけではできません。根底には安全・安心社会の創造ということがありますし、また、「物づくり」の力も必要です。もう一つ、忘れてならないのは、日本の少子高齢化社会の課題の解決に役立つ必要があります。

---:今枝先生は名古屋選出ですよね。

今枝氏:名古屋ではないのです。「ザ・クルマ」の中心地ではなく、どちらかといえば、海や山のある地方部です。MaaSに即して申し上げれば、公共交通サービスをどうするのか、お年寄りのモビリティをどうするのか、というテーマがふさわしい地域です。でも、私は選挙区に即したMaaSを追究するということも疎かにはできませんが、やはり、同時に国際競争力のあるMaaSを目指していきたいと思います。

---:今枝先生は医師免許もお持ちですね。

今枝氏:だからといってMedical MaaSを目指すということはあまりありません。確かに医師であることは大切な人間を見つめる視点を提供してくれますが、MaaS議連ではそういう専門的資質は、奥にしまっておきます(笑)

---:今枝先生は、ドローン推進議員連盟の座長もされていますね。

今枝氏:広い意味では、ドローンもMaaSには欠かせないモビリティです。そればかりではなく「空の移動革命」の主人公になりうるものです。ここで私の役割の一つは、国民を守りながら産業推進のブレーキにならない規制をどう作るか、ということです。ドローン議連では、規制のことが中心テーマの一つになっているくらいです。そこで、世界の「空飛ぶデバイス」の運行法規などについて研究してきています。この経験と知見は、MaaSにも役立つでしょう。「レベル3」や「レベル4」の規制をどうするかということでは、役割を果たしていきたいですね。

今枝氏が登壇する、1月31日開催セミナー「2020年MaaS関連推進予算」はこちら

《鈇田幸雄》

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