【メルセデスベンツ CLA 新型試乗】「Aクラスセダン」との違いは走りにも…島崎七生人

Aクラスセダンとのデザインの違い

クーペならではの割り切った後席空間

走りにも個性が宿る

メルセデスベンツ CLA 新型(CLA200d)
メルセデスベンツ CLA 新型(CLA200d)全 18 枚

Aクラスセダンとの違い

ほかでもない『Aクラス』セダンに較べ『CLA』は、ホイールベース(2730mm)が共通であるほか意外にも全高(1430mm)も同一。しかし全長が140mm長く、全幅も30mm幅広い。ボディサイズだけでみると『CLA』のほうがゆったりとしている。

ところが実車同士をパッと見た限りでは両車の“差”は小さい。これはどちらも最新世代のデザインである上で、セダンの『Aクラス』が『CLA』に“寄せた”スタイリッシュな仕上がり振りだからだろう。

メルセデスベンツ CLA 新型(CLA200d)メルセデスベンツ CLA 新型(CLA200d)
とはいえ『CLA』はクーペを名乗り、サイドウインドゥ上側のアーチ状のラインはよりスムースに引かれているし、『Aクラス』との全長の差分を前後のオーバーハングに振り分け、デザイン代(しろ)の余裕を生かし伸びやかなフォルムとしている。肩口も『Aクラス』がシャープなエッジを通しているのに対し『CLA』は“撫で肩”にし、表情を変えている。

クーペならではの割り切った後席空間

インテリアでは、運転席まわりのデザインは『Aクラス』とほぼ共通。前席はハイバックシートだが、これは“モデル別受注生産オプション装備の「AMGライン」を同時装着した「AMGレザーエクスクルーシブパッケージ」”を選んだ場合の仕様。

メルセデスベンツ CLA 新型(CLA200d)メルセデスベンツ CLA 新型(CLA200d)
他方で後席は完全にクーペ風シルエットを優先したもので、頭上空間、サイドウインドゥの視界はかなり割り切ってある。乗降も頭を除ける、姿勢を屈める……といったコツと慣れが必要だ。

トランクもスペース自体はセダンの『Aクラス』に大きく見劣りはしないものの、スリークでスタイリング重視の外観デザインを採り入れた結果、リッドの開口部がやや高く開口部も『Aクラス』のセダンと較べると狭いいのが事実だ。

走りにも個性が宿る

メルセデスベンツ CLA 新型(CLA200d)メルセデスベンツ CLA 新型(CLA200d)
ごく低速で締め上げられた乗り味であること、トレッドが仕様に応じて前後とも『Aクラス』セダンより35~45(45~35)mm広い『CLA』は、コーナリング中の姿勢保持が強固である点が特徴だ。その一方で一旦、高速巡航に移ればスムースな乗り味に一転、ロングツーリングは快適にこなせるであろうことが想像できる。

試乗車の「200d」は150ps/32.6kgf・mの2リットルディーゼルターボを搭載し、その動力性能はフレキシブルで、1590kg+3名乗車の状態でも、必要に応じてキレのいいパワー、加速も示してくれる。走行中のディーゼルエンジン特有の音と振動が非常に小さい点は好感がもてる。

メルセデスベンツ CLA 新型(CLA200d)メルセデスベンツ CLA 新型(CLA200d)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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