【WEC 19/20第5戦】レベリオン・レーシングのブルーノ・セナ組が2戦ぶりに勝利…トヨタ勢は2-3位

優勝を飾った#1 レベリオン(LMP1クラス)。
優勝を飾った#1 レベリオン(LMP1クラス)。全 8 枚

世界耐久選手権(WEC)の2019/2020シーズン第5戦が米テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で行なわれ、現地23日の決勝6時間レースをレベリオン・レーシングのブルーノ・セナ組が制した。同じLMP1クラスのトヨタ勢は2-3位。

2020年になって最初のレースは19/20シーズンの後半戦スタートとなる第5戦である。その舞台はF1アメリカGP開催コースとしても知られるCOTA。最上位クラスの「LMP1」は今回ジネッタ勢の参戦がなく、出走3台という寂しさになってしまった。トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)の「TS050 HYBRID」2台と戦うノンハイブリッド・プライベーター勢は、レベリオン・レーシングの#1 レベリオンR13・ギブソン(B.セナ/G.メネゼス/N.ナト)のみに(ブルーノ・セナは故アイルトンの甥にあたる選手)。

予選ではその#1 レベリオンが3戦連続となるポールポジション獲得を決める。今季はサクセスハンデキャップという新制度の存在もあり、基本戦力に秀でたトヨタ勢がパフォーマンスを削がれる局面も多くあるとはいえ、#1 レベリオンのチャンスを射抜く力量はさすが“プライベーターの雄”。今回彼らがプライベーターの孤塁を守る存在となったことにはやはり実力という名の“理由”がある、そう証明して見せたともいえよう。

決勝6時間レースでも#1 レベリオンはしっかり戦って、2戦ぶりのシーズン2勝目を達成する。2位となる#8 トヨタ(中嶋一貴/S.ブエミ/B.ハートレー)とは最終的に約50秒差、同一周回の緊張感が維持された決着での勝利、そしてトヨタを相手に5戦2勝としたシーズン実績は誇っていいだろう。トヨタ勢の一貴や小林可夢偉もレベリオンの戦いぶりを讃えている(後掲のコメント参照)。

今回、LMP1クラスについては3台での戦いという状況に。今回、LMP1クラスについては3台での戦いという状況に。

ちなみにレベリオン・コーポレーションのブランド戦略変更に伴い、レベリオンの全レース活動はWECの今季(19/20シーズン)閉幕とともに終了、との旨が既に発表されている。ただ、今季終盤の2戦、第7戦スパ・フランコルシャンと最終戦(第8戦)ルマンについては、彼らは2カーでの参戦を企図している。花道的な活躍を期待したい。

トヨタ勢は決勝2-3位。予選とは陣内の順番が前後し、#8 トヨタ(一貴組)が決勝2位、#7 トヨタ(可夢偉/M.コンウェイ/J-M.ロペス)が同3位でフィニッシュした。同門のドライバーズチャンピオン争いでは、#7 可夢偉組が依然ランク首位で、追う#8 一貴組が差を8点から5点に縮めている(112対107。#1 レベリオンは93点)。

#1 レベリオンがポール・トゥ・ウインを飾る。#1 レベリオンがポール・トゥ・ウインを飾る。

決勝2位 #8 中嶋一貴のコメント
「我々にとってはタフなレースでした。首位を行くレベリオンから大きく離されることはありませんでしたが、彼らは勝てるだけの速さをもっていました。ミスなくレースを戦って勝利したレベリオンチームを祝福します。(今回の臨戦状況における)純粋な速さでは我々に勝つチャンスはなかったと思います。我々はチームとして最大のパフォーマンスを発揮することに集中し、この週末、チームはそれに応えて素晴らしい仕事をしてくれました」

決勝3位 #7 小林可夢偉のコメント
「自分自身としては楽しむことのできたレースでした。チームはレースウイーク当初から素晴らしい仕事をしてくれて、ピットストップも速かったです。我々は全力を尽くしましたが、勝利を争うチャンスがなかったのは残念です。とはいえ、優勝したレベリオンはミスなく素晴らしいレースを戦いました。彼らに祝福を贈ります。(僚機以上に厳しかった)サクセスハンデキャップを考慮すれば、3位は最良の結果だと思います」

優勝は#1 レベリオン、トヨタ勢が2-3位に。優勝は#1 レベリオン、トヨタ勢が2-3位に。

次戦(19/20第6戦)もアメリカでのレースとなり、今度はフロリダ州セブリングで1000マイルレースが開催される。現段階では現地3月20日の12時に決勝スタートとなる予定だ。

*上記の結果はレース当日発行の「Final Classification」に基づく

決勝2位の#8 トヨタ。決勝2位の#8 トヨタ。

《遠藤俊幸》

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