【ホンダ フィット 新型試乗】余裕、スムーズさでは「e:HEV」が1枚上手…島崎七生人

涼しい顔も“一服の清涼剤”

スッキリしすぎ?なインテリアも心地よく付き合えそう

余裕、スムーズさでは「e:HEV」が1枚上手

ホンダ フィット 新型(NESS e:HEV)
ホンダ フィット 新型(NESS e:HEV)全 28 枚

涼しい顔も“一服の清涼剤”

ホンダ フィット 新型(HOME e:HEV)ホンダ フィット 新型(HOME e:HEV)
なるほどプレーンなクルマだ……が、公道初試乗で感じた新型『フィット』の第一印象。ノイズのない外観デザインが物語るように、これなら気持ちよく日々の道具として使いこなせそうである。

今回の試乗車はハイブリッドであるe:HEVの「NESS」、「CROSSTAR(クロスター)」、そして1.3リットルのガソリン車「HOME」の3タイプ(全車ともFF)。新型ではグレード展開を装備や価格の上下で差別するのではなく、テイスト違いで揃えており、ほかに「BASIC」と本革シートを奢った「LUXE」がある。

昔“一服の清涼剤”というコトバがあったが、実車の外観はまさにそんな感じ。小賢しいディテールを廃したおおらかなスタイルは、『フィット』としては確かにイメージチェンジだが、今回、リアルワールドの風景の中で見て、ギスギスした世の中にはこれくらい涼しい顔のクルマがいてくれてもいいかもしれない……と思った。

スッキリしすぎ?なインテリアも心地よく付き合えそう

ホンダ フィット 新型(HOME e:HEV)ホンダ フィット 新型(HOME e:HEV)
インテリアの印象も同様だ。以前、テストコースでの試乗レポートで触れた記憶があるが、フロントガラスの下辺(ワイパーは隠してある)が限りなく直線的で、その手前のインパネのアッパー部分も何も置いていない平板なテーブルのように感じ、もの寂しくないだろうか?と思ったもの。

が、実際に市街地で走らせてみると、風景との対比でこれくらいノイズがないほうがスッキリとしていて、もしも自分で所有したなら道具として心地いい距離感で付き合えそう……そんな風に思えた。見かけ上55mm幅に抑えられたスリムなAダッシュピラーの採用で水平方向90度の広く明るい前方視界を確保してくれるのもいい。

ホンダ フィット 新型(クロスター e:HEV)ホンダ フィット 新型(クロスター e:HEV)
切り替えと走行状況により表示内容が切り替えられる眼前のメーターはなるほど明るい場所でもクッキリと見やすく、2本スポークのステアリングホイールもスッキリ。そのほか操作系も必要なものがスマートに配置され、わかりやすく、新しいクルマだからといって操作にまごつくことはまったくなかった。

余裕、スムーズさでは「e:HEV」が1枚上手

ホンダ フィット 新型(HOME e:HEV)ホンダ フィット 新型(HOME e:HEV)
ウレタンフォームの厚みが増し、構造が新しいシートは、従来型のユーザーが羨ましく思えるところかもしれない。日常使うクルマだからこそ、こうあって欲しいといった、フカッ!としていて身体を安定させる着座感は上々。リヤシートも同様の着座感で、よくある“差別されてしまった感”がない。

ボフッ!と短く減衰してくれるドアの閉まり音は前後とも好感がもてた。ドアハンドルの裏側が手に馴染みやすい“曲面”にしてあるのも心配りだ。

ホンダ フィット 新型(NESS e:HEV)ホンダ フィット 新型(NESS e:HEV)
ステアリングフィール、乗り味は穏やかな味付け。多少荒れた路面でも音と振動を上手く低めてくれ、快適と言っていいドライバビリティを味わわせてくれる。最低地上高が160mmの「e:HEV CROSSTAR」も安定感も高い走りっぷりだった。

動力性能は2つのパワートレインを乗り較べると、余裕、スムーズさでe:HEVが1枚上手に思えた。今回は試乗会場周辺の郊外路を走らせた印象だが、追って、生活圏内での使い勝手、高速走行、実際の燃費については確認できる予定なので、改めてご報告したい。

ホンダ フィット 新型(NESS e:HEV)ホンダ フィット 新型(NESS e:HEV)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. トヨタ『ランドクルーザー250』発売、520万円から…特別仕様車も
  2. マツダ、新型3列シートSUV『CX-80』をついに世界初公開 日本導入時期は
  3. トヨタ堤工場、2週間生産停止の真相、『プリウス』後席ドア不具合で13万台超リコール[新聞ウォッチ]
  4. 一気に200馬力以上のパワーアップ!? アウディのスーパーワゴン『RS4アバント』後継モデルは電動化で進化する
  5. 日産はなぜ全固体電池にこだわるのか? 8月にも横浜工場でパイロットプラントを稼働
  6. ピアッジオが創立140周年、記念してペスパの特別仕様を発売---140台限定
  7. アルファロメオ『ジュニア』がミラノ・デザインウィーク2024に登場
  8. 日産『キャシュカイ』改良新型、表情を大胆チェンジ…欧州発表
  9. シトロエン C3エアクロス 新型、間もなくデビューへ…ティザー
  10. 【株価】トヨタが小反発、『プリウス』13万台リコールも地合い好転で持ち直す
ランキングをもっと見る