ロータス初のEVハイパーカー、『エヴァイヤ』…生産と納車を今夏から開始へ

軽量のカーボンファイバー製モノコック

デジタルディスプレイにバッテリー残量などの情報を表示

4モーターで最大出力2000ps

限定130台を手作業で生産

ロータス・エヴァイヤ の開発プロトタイプ
ロータス・エヴァイヤ の開発プロトタイプ全 14 枚

ロータスカーズは、EVハイパーカーのロータス『エヴァイヤ』(Lotus EVIJA)の生産と納車を、今夏から開始すると発表した。

エヴァイヤは、ロータス史上最もパワフルでダイナミックなロードカーとして、ロータスの運転性能に新たな基準を打ち立てることを目指し、開発を進めている。英国初の完全電気式ハイパーカーとなり、ロータスで初めて電動パワートレインを搭載する。2017年にジーリー(浙江吉利控股集団)傘下となって以来、初の新型モデルとなる。

軽量のカーボンファイバー製モノコック

エヴァイヤのボディサイズは、全長4459mm、全幅2000mm、全高1122mmだ。軽量のカーボンファイバー製モノコックと、ロータスの市販車としては初となるワンピース構造のカーボンファイバーモノコック製シャシーを採用し、車両重量は1680kgに抑えられた。ロータスカーズによると、EVハイパーカーとしては世界最軽量という。

エヴァイヤには、航空機からインスピレーションを得て、エアロダイナミクス性能を追求したデザインを採用する。最低地上高は105mmと低い。リアには、ルマンのレーシングカーをモチーフに、「ベンチュリートンネル」が設けられる。それぞれのトンネルは、赤いLEDで縁取られる。夜間には、戦闘機のアフターバーナーに似た視覚的効果を生み出すという。ロータス・エヴァイヤ の開発プロトタイプロータス・エヴァイヤ の開発プロトタイプ

フロントには、バイプレーンのリップスポイラーを装着する。3つのセクションに分かれており、中央部分はバッテリーパックを冷却するための空気を取り入れる。量産車としては世界で初めて、メインビームとディップビームの両方にレーザー光を使用する。オスラム製のライトモジュールは非常にコンパクトで、薄い縦長デザインとした。レンズの内側には、デイタイムランニングライトを組み込む。

リアには、アクティブエアロダイナミクスを採用する。リアスポイラーは、車両の全高いっぱいまでせり上がる。F1スタイルのドラッグリダクションシステム(DRS)は、トラックモードで自動的に作動する。他のモードでは、スイッチ操作で作動させることもできる。ロータス・エヴァイヤ の開発プロトタイプロータス・エヴァイヤ の開発プロトタイプ

デジタルディスプレイにバッテリー残量などの情報を表示

インテリアは、ステアリングホイールの前方に、最新のデジタルディスプレイを装備した。走行モードやバッテリー残量などの重要な情報を1か所にまとめて表示する。センターコンソールには、タッチセンサー式の触覚フィードバックボタンが装備されている。

カーボンファイバー製のバケットシートは、アルカンターラ仕上げ。シートベルトは、4点式ハーネスがオプションだ。ステアリングホイールは、LMPやF1マシンに似たデザインとした。ボタンは直感的にグループ化されており、通話やクルーズコントロールなどの機能が操作できる。ロータス・エヴァイヤ の開発プロトタイプロータス・エヴァイヤ の開発プロトタイプ

空力性能に配慮して、ドアミラーは装備されておらず、フロントフェンダーにカメラを装着する。ルーフのカメラが捉えた映像とともに、車内の3つのスクリーンに表示する仕組みだ。

4モーターで最大出力2000ps

エヴァイヤのEVパワートレインのモーターは、4個搭載されており、合計で2000psのパワーと173.4kgmのトルクを引き出す。ロータスカーズによると、2000psのパワーは量産車としては世界最強という。

強力なモーターのパワーは4輪に送られ、0~100km/h加速3秒以下、0~300km/h加速9秒以下、最高速320km/h以上というパフォーマンスを可能にする。走行モードは5種類で、レンジ、シティ、ツアー、スポーツ、トラックが切り替えられる。

バッテリーは車体中央にレイアウトされており、蓄電容量は70kWhと大容量だ。1回の充電での航続は、WLTPの複合モードで400kmの性能を備える。充電は出力350kWの急速チャージャーを利用すれば、18分間で完了する。ロータス・エヴァイヤ の開発プロトタイプロータス・エヴァイヤ の開発プロトタイプ

限定130台を手作業で生産

ロータスカーズは、このエヴァイヤの生産と納車を、今夏から開始する。生産は、英国ヘセルの本社の新工場で行い、エヴァイヤを限定130台生産する計画だ。

新工場の建設は、2019年夏に開始された。エヴァイヤは手作業で組み立てられる。新工場は、組み立てに必要な電力やデータ、圧縮空気システムを送るのに、十分な堅牢性が追求されている。

吊り下げ式のクレーン、複数の車両リフト、ホイールアライメントレーンも設置されている。工場の照明には、3万個以上の最新の高密度低エネルギーLEDを導入した。ライトトンネルでは、エヴァイヤが走行性能の最終チェックのためにヘセルのテストトラックに向かう前に、厳密な最終検査を実施する、としている。
動物・ペットのリアルを伝える新メディア 「REANIMAL」(リアニマル)

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. トヨタ『ランドクルーザー250』発売、520万円から…特別仕様車も
  2. マツダ、新型3列シートSUV『CX-80』をついに世界初公開 日本導入時期は
  3. トヨタ堤工場、2週間生産停止の真相、『プリウス』後席ドア不具合で13万台超リコール[新聞ウォッチ]
  4. 一気に200馬力以上のパワーアップ!? アウディのスーパーワゴン『RS4アバント』後継モデルは電動化で進化する
  5. 日産はなぜ全固体電池にこだわるのか? 8月にも横浜工場でパイロットプラントを稼働
  6. ピアッジオが創立140周年、記念してペスパの特別仕様を発売---140台限定
  7. アルファロメオ『ジュニア』がミラノ・デザインウィーク2024に登場
  8. 日産『キャシュカイ』改良新型、表情を大胆チェンジ…欧州発表
  9. シトロエン C3エアクロス 新型、間もなくデビューへ…ティザー
  10. 【株価】トヨタが小反発、『プリウス』13万台リコールも地合い好転で持ち直す
ランキングをもっと見る