【WRC 第3戦】メキシコ戦は1日早く終了に…優勝はトヨタのオジェ

WRCメキシコ戦を制した#17 オジェ(トヨタ)。
WRCメキシコ戦を制した#17 オジェ(トヨタ)。全 8 枚

2020年世界ラリー選手権(WRC)第3戦メキシコは、当初予定より1日早い現地3月14日で競技終了となった。やはり新型コロナウイルス問題の影響を受けての措置で、世界的な移動制限強化の流れを鑑みての判断である。優勝はトヨタのセバスチャン・オジェ。

新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中でモータースポーツを含む多くのスポーツイベントが延期や中止という措置を受けていた週末に、希少な“開催イベント”となったのがWRC第3戦メキシコだった。シーズン最初の本格グラベル(非舗装路)ラリーであり、高地での戦いという特徴も有するお馴染みの一戦である。

しかしながら、そのWRCメキシコ戦も当初の競技日程最終日である3月15日の競技は行なわれず、1日早い終了を余儀なくされた。世界中の国や地域で移動制限が強化されていく状況を鑑み、現地14日での競技終了という格好に。この週末、唯一残っていたと言っても過言ではない世界的モータースポーツイベントも“完走叶わず”の終幕となった(最終日=15日の競技なしという判断は、14日の競技中に発表された模様)。

トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)のスポーティングディレクター、カイ・リンドストロームの言葉が状況を示すとともに、重く深く響く。「ラリーが1日早く終わってしまったことは残念であり、少々複雑な気持ちですが、世界が厳しい状況に置かれている今、チームのメンバーたちを確実に家族のもとにかえさなければなりません」。

トヨタに加入した今季、3戦目で“移籍初勝利”を飾ったセバスチャン・オジェ。トヨタに加入した今季、3戦目で“移籍初勝利”を飾ったセバスチャン・オジェ。

WRC第3戦メキシコの優勝はトヨタの#17 セバスチャン・オジェ(ヤリスWRC)。競技2日目(13日)の序盤に首位に立ち、そのまま逃げ切った。2013~18年チャンピオンのオジェはトヨタ加入初年度の初白星で、トヨタとしては前戦に続く2連勝。

優勝した#17 オジェのコメント
「(自身の競技内容と結果に関しては)良い週末になったね。(ラリーの)スタート直後から良いフィーリングが感じられていた。今日(14日)はスタート順が(条件的に)良かったので最初から攻めて差を広げることに成功し、最後までその差をコントロールできたよ。ただ(世界が)このような状況では、なんともいえない奇妙な勝利であり、心から喜ぶ気持ちにはなれないけどね」

WRCメキシコ戦の表彰台。WRCメキシコ戦の表彰台。

「この週末に素晴らしい仕事をしてくれたチームに感謝している。クルマは週末を通して問題なく、とても信頼性が高くて速かった。それは選手権を戦ううえで大きなアドバンテージになる」

メキシコ戦の2位はヒュンダイの#8 オット・タナク(i20クーペWRC)、3位はMスポーツ・フォードの#3 テーム・スニネン(フィエスタWRC)。4~5位はトヨタ勢で、4位が前戦優勝の#33 エルフィン・エバンス、5位に#69 カッレ・ロバンペラが続いた。開幕戦の優勝者、ヒュンダイの#11 ティエリー・ヌービルは13日にマシントラブルがありストップ、14日に再出走したものの、ラリー総合順位はポイント圏外(11位以下)。

2位の#8 タナク(ヒュンダイ)。2位の#8 タナク(ヒュンダイ)。

*以上の順位等は日本時間15日夕刻時点でのWRC公式サイトの記載に基づくもの。最終日の競技がなくなってもラリー全体が“距離的な規定”を満たしているため、メキシコ戦のラリー結果による選手権ポイントは通常通り、フルに与えられる見込み。なお、当初予定の最終日最終ステージに設定されていたパワーステージ(ステージ上位にドライバーズポイントをボーナス加点)については振替等なし。

本来ならば次戦は4月23~26日のアルゼンチン戦だったが、こちらはコロナ問題での延期が決定済み(新たな日程は未定)。現段階でのWRC次戦は、5月21~24日に開催予定のポルトガル戦ということになる。

3位の#3 スニネン(Mスポーツ・フォード)。3位の#3 スニネン(Mスポーツ・フォード)。

ここから世界の四輪モータースポーツ頂上戦線はほぼ一様に“開催見合わせ期間”に入っていく。いつまで続くのかは、現時点では予想もつかない。レースやラリーの延期、中止等を巡る議論~発表は、コロナ問題の状況推移を注視しつつ、断続的に行なわれていくことになりそうだ(一部報道によれば、フリー走行開始間近ともいえるタイミングで「中止」と発表された2020年F1オーストラリアGPに関して、現地主催者側には「可能であれば延期開催を議論したい」意向もあるという)。

《遠藤俊幸》

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