赤羽一嘉国土交通大臣は3月17日に開かれた定例会見で、佐賀県との協議入りを前に、「協議のあり方」をめぐり事務レベルでのやりとりが続いている九州新幹線西九州ルートの整備問題について、改めて早期の協議入りを要望した。
在来線を活用したフリーゲージトレインによる運行が断念された同ルートの新鳥栖~武雄温泉間は、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム九州新幹線(西九州ルート)検討委員会(与党PT)が、フル規格での整備が適当としたことを「重く受け止める」とする国土交通省(国交省)と、フル規格ありきではなくゼロベースでの「幅広い協議」を行なうこと要望する佐賀県との間で、協議入り前の確認事項について、文書でのやりとりが続けられている。
しかし、確認を求めている佐賀県側は、2月14日に出された国交省からの回答に対して「答えになっていない」として、3月17日に再び確認文書を提出。このなかには「山陽新幹線へ乗り入れて新大阪へ直通することには拘らないこと」などが明記されている。
これに関して赤羽大臣は、昨年2回行なった山口祥義佐賀県知事との会談を持ち出し、「知事との会談では何も話をしていませんので、していないものを確認しろと言われてもなかなか事務的には難しいことだと思います」「私が元々申し上げましたのは率直な協議の場が必要なのであって、協議の場に入っていろいろな議論をすればよいのではないかということですから、入る前にああしろこうしろという話はちょっとどうなのかな」と述べ、「幅広い協議」のあり方がひとり歩きすることを牽制。会談で出なかった諸問題については、協議入り後に議論することが筋であるという考えを示した。
佐賀県側では、期限を定めずしっかりと時間をかけて協議することも確認事項に盛り込んでいたが、これについて赤羽大臣は「協議をする以上はある程度の日程感というのは当然あってしかるべきだと思います」と述べ、その点を佐賀県とすり合わせた上で協議入りすることを強く期待するとした。