女性レーサー猪爪杏奈が『WRX STI ファイナルエディション』に試乗「オーナーに会ったら話しかけたい!」

スバル WRX STI ファイナルエディション と猪爪杏奈
スバル WRX STI ファイナルエディション と猪爪杏奈全 19 枚

スバルの水平対向エンジン「EJ20」の生産終了に伴い555台限定で最終型として発売された『WRX STI EJ20 ファイナルエディション』を、東京と箱根ターンパイクの往復コースでドライブさせていただきました。

このままレースに参戦しそうな存在感

スバルWRX STI EJ20ファイナルエディションスバルWRX STI EJ20ファイナルエディション
外観は、停車しているだけで力強いオーラがあり、カッコ良すぎる佇まいに心が躍りました。スバルのブルーカラーとフロントの赤ライン、ゴールドの19インチのアルミホイール、さらにSTIロゴが付いたブレンボ製のブレーキキャリパーも加わって、通りすがりで誰もが振り向くレーシングカーのような存在感が際立ちました。私が今年フル参戦する「ピレリスーパー耐久レース」にこのまま混ざっていても良いほど(笑)

エンジンをかけた瞬間に感じたのは、振動の少なさ。乗り心地はセダンのようだけど、ハンドルを握りマニュアルトランスミッションを1速に入れ、クラッチとの繋がりを慎重に感じながらアクセルを踏み込むと、エンジンが瞬く間に軽く吹け上がり、高回転域のエンジンサウンドが心臓に響きました。この瞬間の高揚感は忘れられません。

スバル WRX STI ファイナルエディションスバル WRX STI ファイナルエディション

ウェット路面でも安定感抜群

スバル WRX STI ファイナルエディションスバル WRX STI ファイナルエディション
この日はあいにくのレインコンディションでしたが、ハンドルの操作感はしっかりしていて、走りもドシっとしているので、とにかく安定感が抜群。姿勢変化の収まりも良く、8割くらいの力で走ってもスイスイ力強く曲がるので雨の日のワインディングロードでも安心感が強く、とても驚きました。

また、バックミラーに大きなリアウィングが映るのも、レーシングカーをドライブしているようなワクワク感が増して楽しかったです。

少し気になったのは、路面のうねりやギャップを拾った際、脚の動きが優しく収まらず、中高速域になるとやや跳ねてしまう点と、それにより後部座席は上下の視線変化が多めだったことです。前席よりも後部座席の方が跳ねるので、乗り物酔いしやすい人は、前席に座った方が良いかもしれません。

女性目線で見るファイナルエディション

スバル WRX STI ファイナルエディション を運転する猪爪杏奈スバル WRX STI ファイナルエディション を運転する猪爪杏奈
また女性にはハンドルはやや重めな気がします。街中でしっかり切らなきゃいけないシーンが続くと、腕が疲れてしまうかもしれないです。また、ボディサイズも大きめなので、車幅感覚を掴むのが大変かもしれません。でも、パワフルな女性にはぴったりかも!

女性目線でのプラスポイントは、シートヒーターが背中まであり、温まるスピードも早いこと。ただ、ドライビングポジションを前めに合わせるとシートヒーターのスイッチが死角に入ってしまうので、発進する前にONにしておきたいですね。

スバル WRX STI ファイナルエディションスバル WRX STI ファイナルエディション
トランクは、荷物がかなり入りそうで、前席も後席も共に足元に余裕があり、広さで見ると居住性は抜群だと思いました。走行性能と、実用性を高いレベルで兼ね揃えたスポーツカーに、とてもワクワクした1日でした!実際に持っている方にどこかで偶然会ったら、話しかけたいなぁ!

尚、「WRX STI EJ20ファイナルエディション」は555台限定での抽選販売を行い、既に完売しています。

スバル WRX STI ファイナルエディションスバル WRX STI ファイナルエディション

猪爪杏奈│レーシングドライバー
元全日本ジムカーナチャンピオンの父の影響を受け、19歳で免許を取得後、サーキットを走り始める。21歳から本格的なレース活動を始めると、ロードスター・パーティレースやスーパー耐久レース、電気自動車レースなどで頭角を現す。2019年は日本自動車大学校からJAF-F4選手権にシリーズ参戦。デビュー2戦目で2位表彰台を獲得しシリーズ5位を獲得した。その他MINI CHALLENGE ASIA. JAPAN SERIESスポット参戦、欧州で行われている女性限定F3レース「WSEIRES」のドライバーセレクションに招待された。2020年はピレリ・スーパー耐久シリーズにST-5クラス・ロードスター「ナチュラルチューニング☆クスコ☆NATS」のAドライバーに任命されシリーズチャンピオンを目指す。競争女子選手権、FIA-F4 JAPANESE CHAMPIONにも参戦予定。

《猪爪杏奈》

レーシングドライバー 猪爪杏奈

元全日本ジムカーナチャンピオンの父の影響を受け、19歳で免許を取得後レースの世界に飛び込む。20歳で参戦した全日本電気自動車レースシリーズを皮切りに、ロードスター・パーティレース、スーパー耐久レース、JAF-F4選手権などで頭角を現す。2022年、TCR JAPAN Seriesでは9戦連続表彰台を獲得し、WEC世界耐久選手権併催の第5戦Sunday Seriesでは、全ラップにおいてFastest Lapを記録しパーフェクトウィン。鈴鹿サーキットで行われた第6戦では、Wポールポジションを獲得し、Saturday Seriesはポール・トゥ・ウィン。世界初の女性ドライバー限定カテゴリーKYOJO CUPでは、唯一全戦表彰台を獲得しトップランカーとして安定した強さをみせた。両レースとも、持ち味のファイティングスピリット溢れるバトルを繰り広げ、チャンピオン争いを展開するが、惜しくもシリーズ2位で閉幕した。目標はスーパーGTドライバー。今後の活躍が楽しみな女性ドライバーである。

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