フォードのEV『マスタング・マッハE』、急速充電可能…10分で100km走行分

パフォーマンス仕様のモーターは最大出力459hp

蓄電容量98.8kWh仕様の航続は最大483km

全米の1万3500の充電ステーションにアクセス可能

フォード・マスタング・マッハE
フォード・マスタング・マッハE全 14 枚

フォードモーターは、2020年後半に米国市場で発売予定のフォード『マスタング』シリーズの新型EV、フォード『マスタング・マッハE』(Ford Mustang Mach-E)が、10分間でおよそ100km走行分のバッテリー容量が急速充電できる性能を備えると発表した。

「マッハE」とは、1970年代の2代目フォード・マスタングに用意されていた高性能モデル、「マッハ1」を連想させるネーミングだ。フォードモーターは2022年までに、電動化に110億ドル以上を投資する計画だ。この投資によって、フォードモーターは電動車両のラインナップを拡大する予定。2022年までに、全世界の電動車ラインナップを40車種に増やし、そのうちの16車種をEVにする計画を掲げている。

この16車種のEVのひとつが、マスタング・マッハEだ。マスタングはフォードを代表する伝統のスポーティカーであり、マスタング・マッハEはパフォーマンス志向の電動SUVになる。

パフォーマンス仕様のモーターは最大出力459hp

マスタング・マッハEには、永久磁石モーターを搭載する。最大出力は332hp、最大トルクは57.6kgmを引き出す。駆動方式は、後輪駆動または4WDを用意する。フォードモーターによると、4WDの場合、0~96km/h加速はポルシェ『マカン』のベースモデルよりも速いという。フォード・マスタング・マッハEフォード・マスタング・マッハE

マスタング・マッハEには、モーターの性能を最大出力459hp、最大トルク84.6kgm に引き上げた2つのパフォーマンスバージョンを設定する。「GT」は0~96km/h加速を4秒以下で駆け抜ける。フォードモーターによると、この加速性能は、ポルシェ『マカンターボ』よりも速いという。

「GTパフォーマンスエディション」は、ポルシェ『911 GTS』に匹敵する性能を目標に掲げる。0~96km/h加速は3.5秒以下を目指している。こちらは2021年春に市場に登場する予定だ。

蓄電容量98.8kWh仕様の航続は最大483km

4WDシステムは、前後の車軸に独立してトルクを分配し、後輪駆動モデルよりも優れた加速とハンドリング性能を追求する。フォードモーターは4WDシステムをチューニングして、トラクション性能や雪などの滑りやすい路面でのコントロール性能を高めた。マスタング・マッハEは、米国ノースカロライナ州にある同社のレーシングシミュレーターにおいて、フォードパフォーマンスチームがチューニングした最初の生産車両になるという。

マスタング・マッハE には、2種類のリチウムイオンバッテリーを用意する。288個のリチウムイオンセル仕様が蓄電容量75.7kWh、9376個のリチウムイオンセル仕様が蓄電容量98.8kWhだ。後輪駆動モデルの場合、1回の充電での航続は、最大483kmを目標に掲げる。バッテリーは、車両の床下に配置され、マイナス40度という低温でテストされた。この水冷式バッテリーは、衝撃吸収構造の防水バッテリーケース内に搭載される。フォード・マスタング・マッハEフォード・マスタング・マッハE

全米の1万3500の充電ステーションにアクセス可能

フォードモーターは今回、米国の充電ネットワークの「Electrify America」のDC急速充電ステーションを使用して、マスタング・マッハEの充電性能を確認した。その結果、10分間でおよそ100km走行分のバッテリー容量が急速充電できる性能を備えることが確認された。この結果は、フォードモーターが当初予想していた10分間の急速充電による航続を、およそ30%上回るという。

また、フォードモーターは、「FordPass」と呼ばれる充電ネットワークを拡大した。具体的には、1000の充電ステーションと5000個の充電プラグを、全米で追加した。これにより、マスタング・マッハEの顧客は、安心して長距離ドライブに出かけることが可能になるという。

今回の追加により、「FordPassアプリ」から簡単にアクセスできるFordPassの充電ネットワークの総数は、充電ステーションが1万3500、充電プラグが4万個以上に増えた。フォードモーターは、北米で最大の電気自動車の公共充電ネットワークにアクセスできる、としている。フォード・マスタング・マッハEフォード・マスタング・マッハE

《森脇稔》

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