アバルト70周年記念車、新開発のリアスポイラー採用… 695 セッタンタ・アニヴェルサーリオ

大型リアウイングは最大60度まで12段階で角度調整可能

アバルトの創始者のクルマ作りの哲学を反映

1.4ターボは最大出力180hp

アバルト695セッタンタ・アニヴェルサーリオ
アバルト695セッタンタ・アニヴェルサーリオ全 18 枚

フィアットの高性能車ブランドのアバルトは5月18日、ブランドの70周年を記念する限定車の『695セッタンタ・アニヴェルサーリオ 』(Abarth 695 70°Anniversario)に、新開発のリアスポイラーを採用した、と発表した。

大型リアウイングは最大60度まで12段階で角度調整可能

この大型リアウイングは、1970年に登場したフィアット『アバルト 1000 TCR』にインスピレーションを受けたものだ。695セッタンタ・アニヴェルサーリオの大型リアウイングは、最大60度まで12段階で角度調整が可能。その開発テストは、イタリア・トリノのオルバッサーノにあるFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)の風洞施設で行った。この風洞実験施設ではイタリアで唯一、風速最大210km/hを可能にする。

風洞テストの結果、695セッタンタ・アニヴェルサーリオは、200km/h走行時に最大42kgのダウンフォースを発揮することが確認された。また、サーキットに応じてウイングの角度を変更することで、挙動の変化を楽しむことができるという。

具体的には、イタリア・バレルンガ・サーキットの「ローマカーブ」がある。大型リアウイングの角度を最適に設定した場合、ステアリングの修正をおよそ40%削減し、より効率的なドライブを実現し、ドライバーに限界を押し上げる自信を与えることができるという。さらに、エアロダイナミクスの最適化は、音響にも影響を与え、日常走行における静粛性にも貢献する。アバルト695セッタンタ・アニヴェルサーリオアバルト695セッタンタ・アニヴェルサーリオ

アバルトの創始者のクルマ作りの哲学を反映

アバルトの創始者のカルロ・アバルト(1908~1979年)は、パワーや最高速度、加速性能といった数値の追求に留まらず、ドライバーの心を刺激するチューニングを探求した。カルロ・アバルトにとって、とくにサーキットでは、パフォーマンスは一定の要件だった。レースでは、エンジニアがスポイラーの角度を手動で微調整して、ドライバーがコースと運転スタイルに応じて、車両の挙動を最適化する光景が見られる。695セッタンタ・アニヴェルサーリオには、そうしたカルロ・アバルトのクルマ作りの哲学が反映されているという。

695セッタンタ・アニヴェルサーリオが採用するグリーンのボディカラーは、「Verde Monza 1958」と呼ばれる。このボディカラーは、アバルトが手がけた初期のモデル、フィアット『500 エラボラツィオーネ アバルト レコルド』に由来する。同車は、1958年にモンツァサーキットで行った速度記録において、6つの世界記録を樹立した。アバルトの名を世界に轟かせた1台だ。

さらに、695セッタンタ・アニヴェルサーリオには、専用ボディキットや専用17インチアルミホイール、コーナリング時のトラクションを高めるメカニカルLSD(5MTのみ)を採用した。外観も走りも、よりスポーティに演出されている。アバルト695セッタンタ・アニヴェルサーリオアバルト695セッタンタ・アニヴェルサーリオ

1.4ターボは最大出力180hp

パワートレインは、『595 コンペティツィオーネ』がベースだ。1.4リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンは、最大出力180hp、最大トルク25.5kgmと、シリーズ最強のスペックを獲得する。トランスミッションはベース車同様、ATモード付5速シーケンシャルトランスミッション(5MTA)と5速マニュアルトランスミッション(5MT)を設定した。

695セッタンタ・アニヴェルサーリオは、0~100km/h加速は6.7秒で駆け抜ける。アクティブエキゾーストシステムの「レコードモンツァ」が装備されており、痛快なサウンドを追求する。

ブレンボ製ブレーキを標準装備した。フロントには4ピストンアルミ製キャリパーと305 mm径ディスク、リアには240 mm径ディスクが装備される。前後ともディスクには、穴開き仕様だ。FSDテクノロジーを備えたコニ製リアサスペンションも装備されている。アバルト695セッタンタ・アニヴェルサーリオアバルト695セッタンタ・アニヴェルサーリオ

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. ドライブ中の突然の曇り問題にサヨナラ! DIYでウインドウ曇り防止 ~Weeklyメンテナンス~
  2. ルノー『キャプチャー』新型、4月4日デビューへ
  3. メルセデスベンツ、新型パワートレイン搭載の「GLA180」発売…高性能モデルAMG「GLA45S」も追加
  4. 【メルセデスベンツ Eクラス 新型試乗】SUV全盛の今に、果たしてどのような人が選ぶのだろう?…河村康彦
  5. シトロエンが新型SUVクーペ『バサルト・ビジョン』を発表 南米で2024年内に発売へ
  6. メルセデスベンツ『Gクラス』改良新型…449馬力の直6ツインターボ搭載、表情も変化
  7. 「トヨタバッテリー」へ社名変更、多様な電動車用バッテリーを提供
  8. 「フォルクスワーゲンR」、独立ブランドに…今夏新パビリオン開設へ
  9. BYDが高級ブランド デンツァ『D9』の先行受注を開始! 同じ右ハンドル市場の日本投入は?…バンコクモーターショー2024
  10. ヤマハ発動機、EVレース「フォーミュラE」に2025年より参入へ 四輪レースはF1以来
ランキングをもっと見る