[サウンドチューニング・クロスオーバー編]役割解説

「クロスオーバー」の設定画面の一例(フォーカル)。
「クロスオーバー」の設定画面の一例(フォーカル)。全 1 枚

カーオーディオにおける、より良いサウンドを得るための必須項目の1つである「サウンドチューニング」について、そのあらましから操作方法までを解説している当コーナー。今回からは新章に突入し、「クロスオーバー」についての解説を展開していく。

最初に、「クロスオーバー」とはどのような機能なのかを説明していこう。ひと言で言うならばこれは、「音楽信号の“帯域分割”を行う機能」だ。スピーカーが「フルレンジタイプ」であればこれは不要だが、「マルチウェイスピーカー」を用いる場合には、なんらか音楽信号の“帯域分割”を行う道具が必要となる。

ちなみに「マルチウェイスピーカー」とは例えば、高音を再生するツイーターと中低音を再生するミッドウーファーとを用意するシステムのことを指す。そして、2つのスピーカーユニットで音楽再生を行う場合にはこれは「2ウェイ」と呼ばれ、3つのユニットを使用する場合には「3ウェイ」と呼ばれる。

なおベーシックなカーオーディオシステムにおいては、音楽信号の“帯域分割”は、スピーカーに付属されているパーツであるパッシブクロスオーバーネットワークで実行される。ただしこれを使う場合には基本的に、“帯域分割”のやり方を変更できない。

しかしシステムを高度化させると、その設定を任意に変えられるようになる。「プロセッサー」と呼ばれる装置をシステムに組み込むと、スピーカーの取り付け条件に応じて都度、最適な“帯域分割”のやり方を模索できるようになる。

ちなみに、低音再生のスペシャリストであるサブウーファーを導入する際にも、「クロスオーバー」が活躍する。フロントスピーカーとサブウーファー間の役割分担を設定したくなるからだ。もしもそれを行わないと、サブウーファーを導入したときに超低音がドアスピーカーとサブウーファーの両方から聴こえてくる。そうであると超低音がダブって耳に入ってくるので、フロントスピーカーの音とサブウーファーの音とが上手く融合されにくくなる。

しかし「クロスオーバー機能」を用いて“帯域分割”の調整を行えば、フロントスピーカーから放たれるサウンドとサブウーファーから発せられるサウンドとを、上手く繋げられるようになる。

これが「クロスオーバー」という機能の概要だ。これを踏まえて次回からは、フロントスピーカーとサブウーファー間での「クロスオーバー調整」のやり方についての解説をスタートさせる。お楽しみに。

『ザ・サウンドチューニング』 第3章・クロスオーバー編 その1 役割解説

《太田祥三》

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