トヨタの量産燃料電池自動車(FCV)『MIRAI(ミライ)』。同社が開発したFCスタックや水素タンク等の燃料電池技術とハイブリッド技術を融合した「トヨタフューエルセルシステム」を採用。また、トヨタは2020年内に航続距離を拡大した次期型を欧州で発売すると発表している。
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燃料電池車、723万6000円で12月15日より発売…航続距離650km
トヨタ自動車は、セダンタイプの新型燃料電池自動車(FCV)『MIRAI(ミライ)』を開発、12月15日より発売すると発表した。
MIRAIは、自社開発の新型トヨタFCスタックや高圧水素タンクなどで構成する燃料電池技術とハイブリッド技術を融合した「トヨタフューエルセルシステム(TFCS)」を採用。内燃機関に比べてエネルギー効率が高く、加えて、走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能を実現する。また、3分程度の水素の充填で走行距離約650kmを達成するなど、ガソリンエンジン車と同等の利便性を備えている。
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燃料電池車として初の型式指定取得…大量生産、輸出も可能に
国土交通省は11月18日、トヨタ自動車の新型燃料電池自動車『MIRAI(ミライ)』が道路運送車両法の第75条に基づく型式指定を取得したと発表した。これによって、型式指定された燃料電池自動車の大量生産が可能となる。
国土交通省では2005年3月、世界に先駆けて燃料電池自動車など圧縮水素を燃料とする自動車の安全基準を策定するなど、燃料電池自動車の普及のため環境整備を進めてきた。
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【池原照雄の単眼複眼】要望が高いのは高圧水素タンク? トヨタのFCV特許提供
「グローバルに水素の時代を推進」と、同業他社も高く評価
トヨタ自動車が1月6日に発表した燃料電池車(FCV)に関する特許権の無償提供は、自動車産業の新年の話題をさらった。同日都内で開かれた業界の賀詞交歓会でも、記者団の取材はもっぱらこれに集中した。特許権の提供がどのように展開するかは未知数だが、重要コンポーネントでありながら共通化も図りやすい「高圧水素タンク」への要望が高いのではと推測している。
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【試乗】「ミライ」が公道を悠然と走った…島崎七生人
ともかく未来が現実となった。水素と酸素の化学反応で電気を作り、駆動用モーターを回す。ごく簡単に言うとそうして走る英知の結晶『MIRAI』の姿に、一般公道でもお目にかかれることになった。
走らせた印象は、ほぼEVの感覚。しかし加速時にアクセルをやや大きく踏み込むとコンプレッサー、ポンプなどが発するメカ音が伴うのが特有だ。無論、十分に音量はコントロール済みだが、モーターと違い、加速に応じて変化する脈動音が、少しだけ内燃機関的(!?)と解釈できていい…と個人的に思った。エコ/パワーのモード切り替えを試すと、“エコ”では全体におっとりとした印象、“パワー”なら明らかに加速に勢いが乗る。
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【パッケージング検証】全幅の設定と、乗用定員4名の理由とは
トヨタの燃料電池自動車『MIRAI(ミライ)』のプラットフォームは、フロント回りが『カムリ』、それ以降は新設計されたものだ。
新設計の理由はFCスタックと呼ばれる燃料電池を前席下に、2本の水素タンクを後席下に置く、ガソリン車はもちろん、HVやPHVとも違う独自のレイアウトを採用するからにほかならない。
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【未来ヲ買ッタ男】納車1か月、オーナーになってはじめてわかったこと…松下宏
「後ろめたさを感じない」というメリット
『MIRAI(ミライ)』を保有してまだ約1か月ほどだが、1000kmを超える距離を走る間に、ミライの持つクルマとしての良さがじわじわと感じられてきた。
何といっても走るときに発生するのが水だけで、有害な排出物を一切発生しないことがミライの良い点だ。クルマを走らせることによるある種の後ろめたさのようなものをまったく感じなくてすむのが良い。
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第2世代セーフティセンス標準装備 安全性能を強化
トヨタ自動車は、燃料電池自動車(FCV)『MIRAI』を一部改良し、10月30日より販売を開始した。
今回の一部改良では、進化した予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を標準装備。プリクラッシュセーフティは検知センサーをミリ波レーダーと単眼カメラとすることで、歩行者(昼夜)や自転車運転者(昼間)を検知可能とし、衝突回避支援または被害軽減を図る。さらに、道路標識を認識するロードサインアシスト機能とあわせ、先行車の発進をブザーとディスプレイ表示で知らせる先行車発進告知機能を加えた。
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スポーティなデザインで後輪駆動、刷新されたトヨタの燃料電池車...東京モーターショー2019
東京モーターショー2019、FUTURE EXPOブースの未来のエネルギーエリアには、先日発表されたトヨタ自動車の燃料電池車(FCV)の コンセプトモデル『MIRAI Concept』(ミライ・コンセプト)を展示中。
MIRAI Conceptは、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)によるプラットフォーム(車台)が採用され、FC(燃料電池)スタックや水素タンクなど、ほぼすべての部品が刷新され、航続距離は現行モデルより約30%延長され、約850kmとなる。 会場でトヨタ自動車MS製品企画ZF主査清水竜太郎氏にお話を伺った。
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次期型、航続3割拡大…2020年内に欧州発売へ
トヨタ自動車の欧州部門のトヨタモーターヨーロッパは1月14日、燃料電池車の『ミライ』(Toyota MIRAI)の次期モデルを、2020年内に欧州市場で発売すると発表した。
トヨタはすでに、次期ミライを示唆したコンセプトカーとして、『ミライコンセプト』を発表している。現行型は、2014年12月に発売して以来、世界中でおよそ1万台を販売した。ミライコンセプトは、開発最終段階のモデルとなり、ほぼこの状態で市販される見通しだ。