[サウンドチューニング・クロスオーバー編]フロントスピーカーとサブウーファー間での調整方法 その1

「パワードサブウーファー」の一例(カロッツェリア)。
「パワードサブウーファー」の一例(カロッツェリア)。全 1 枚

クルマの中で良い音を楽しみたいと思った時に多大な力を発揮してくれる「サウンドチューニング」機能。その成り立ちから操作方法までを全方位的に解説している当コーナー。前回からは「クロスオーバー」をテーマとする新章に突入し、まずはその役割を解説した。

それに引き続いて今回からは、フロントスピーカーとサブウーファー間の「クロスオーバー」の操作方法を解説していく。

さて、AV一体型ナビやオーディオメインユニットの中には「サブウーファー出力」という機能が搭載されていることがある。そうであると多くの場合、それに併せてフロントスピーカーとサブウーファー間の「クロスオーバー」調整が行えるようにもなっている。つまり、フロントスピーカーに対しては「ハイパス」が、サブウーファーに対しては「ローパス」が掛けられるようになっているというわけだ(一部、サブウーファーに対しての「ローパス」しか行えないモデルもある)。

なお「ハイパス」とは「高音だけを通す」という意味だ。ゆえに「ローカット」と呼ばれることもある。そして「ハイパス」を掛けるための機能のことは「ハイパスフィルター」と呼ばれている。対して「ローパス」とは「低音だけを通す」という意味で、「ハイカット」と呼ばれることもあり、これを行う機能のことは「ローパスフィルター」と呼ばれている。

ところで、「クロスオーバー」とは信号の“帯域分割”を行うための機能だが、境目となるところから真っ二つに信号が分割されるわけではない。例えば「ハイパス」の「カットオフ周波数」を80Hzと設定したとしても、そこから下の帯域の音がバッサリと完全に切り取られるわけではないのだ。

そうではなく、80Hzから下側の音が緩やかに減衰していく、という形となる。その減衰率のことは「スロープ」と呼ばれている。

ちなみに「サブウーファー出力」に併設されている「クロスオーバー」では、「スロープ」は固定されている場合が多い(任意に変更できない)。マイナス12dB/octまたはマイナス18dB/octあたりの設定になっている場合がほとんどだ。そしてこのマイナス18dB/octというのは、「1オクターブ音程が低くなっていくごとに18dB音圧が下がる」という減衰率であることを示している。

今回はここまでとさせていただく。次回も引き続いてフロントスピーカーとサブウーファー間の「クロスオーバー」設定の仕方を説明していく。お楽しみに。

『ザ・サウンドチューニング』 第3章・クロスオーバー編 その2 フロントスピーカーとサブウーファー間での調整方法

《太田祥三》

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