肥薩線などのローカル線が壊滅的な被害…7月6日も九州新幹線熊本以南が終日運休に 令和2年7月豪雨

肥薩おれんじ鉄道で最も被害が大きい海浦~佐敷間の佐敷トンネル付近。左手の山から崩れた土砂と木々がその下の国道を巻き込んで大量に線路に流れ込み、佐敷トンネルの出入口が架線とともに完全に埋没した。
肥薩おれんじ鉄道で最も被害が大きい海浦~佐敷間の佐敷トンネル付近。左手の山から崩れた土砂と木々がその下の国道を巻き込んで大量に線路に流れ込み、佐敷トンネルの出入口が架線とともに完全に埋没した。全 9 枚

7月3日から熊本県や鹿児島県を中心に襲った記録的な集中豪雨の影響で、JR九州肥薩線(八代~人吉~隼人)や、くま川鉄道(人吉温泉~湯前)、肥薩おれんじ鉄道(八代~川内)が壊滅的な被害を受けている。

国土交通省がまとめた7月6日7時時点の情報によると、西日本から東日本にかけて梅雨前線が停滞している影響で、熊本県と鹿児島県では7月4日4時まで、1時間あたりの降水量が100mmを超える状態が続いた。

そのため、肥薩線は球磨川沿いを走る八代~人吉間のうち、鎌瀬~瀬戸石間の球磨川第一橋梁と、那良口~渡間の第二球磨川橋梁が流出したほか、複数駅で線路が冠水しているという。これによりJR九州では肥薩線全線での運行を見合わせている。

肥薩線人吉駅(熊本県人吉市)との共同使用駅である人吉温泉駅を起点とするくま川鉄道では、人吉温泉駅構内で線路冠水や土砂流入が発生。同社の公式ツイッターによると、構内にある車庫が冠水しており、「当分の間、運行の見通しが立たない状況」とアナウンスしている。同社社員のツイッターでは、球磨川の本流に架かる登録有形文化財の球磨川第四橋梁が倒壊しているという情報も寄せられている。

運行見合せを伝える肥薩おれんじ鉄道八代駅の掲示。運行見合せを伝える肥薩おれんじ鉄道八代駅の掲示。

一方、肥薩おれんじ鉄道では、同社の公式フェイスブックによると、肥後高田~日奈久温泉間で土砂流入や道床流出、肥後二見~上田浦間の5か所で土砂流入、上田浦~たのうら御立岬公園間で土砂流入、たのうら御立岬公園~肥後田浦間の2か所で道床流出、海浦~佐敷間で大量土砂流入と道床流出、佐敷駅(熊本県芦北町)で浸水、佐敷~湯浦間の2か所で道床流出、湯浦~津奈木間で土砂流入と道床流出、津奈木~新水俣間で道床流出、袋~米ノ津間で陥没や道床流出がそれぞれ発生。八代~川内間全線で運行が見合わされており、代行輸送については協議中だという。

大雨は断続的に続いており、7月6日も以上の線区に加えて、九州新幹線熊本~鹿児島中央間、吉都線(都城~吉松)、鹿児島本線川内~鹿児島中央間、指宿枕崎線(鹿児島中央~枕崎)、日豊本線南宮崎~鹿児島中央間、日南線(南宮崎~志布志)の終日運休が決定している。

浸水の跡が残る、くま川鉄道の気動車の床下。浸水の跡が残る、くま川鉄道の気動車の床下。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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