シトロエン C4 新型がワールドプレミア!…EVも内燃機関版も概要が明らかに

欧州Cセグメントとしては初のクーペSUV

「Vルミナス・シグネイチャー」を採用

『CX』や『GS』に連なるデザインを意識

一体にデザインされたタブレット用ホルダー

ATシフトは指でスライド

EV航続は350km

シトロエン C4 新型
シトロエン C4 新型全 31 枚

欧州Cセグメントとしては初のクーペSUV

6月中旬に先行して新型『C4』のBEV版「e-C4」(※)の画像とリリースを発表していたシトロエンが、今回も同じくオンラインながら、ガソリン、ディーゼルの「C4」を、パリ時間の6月30日14時より世界中に向けて公開した。(※:eの上にはトレマ「¨」が付く)

欧州Cセグメントとしては初めてとなるクーペSUVライクな独特のプロポーションのボディは、BEV、ガソリン、ディーゼルとも共通で全長4360×全幅1800×全高1525mm。ホイールベースは2670mmで、同じCMPプラットフォームを用いたBセグ・モデルですでに市販に移されている『DS 3クロスバック』や新型プジョー『208』より水平方向にはひと回り大きいながら、全高が相当に抑えられていることが分かる。

ちなみにDS 3クロスバックのホイールベースは2560mm、新型プジョー208は2540mmなので、ジオメトリー的にはロングホイールベース&ワイドトレッドといえるだろう。前後のオーバーハングが短い上に外径690mmという大径タイヤを履いたボディは、地上からの最低高156mmのクリアランスを保ち、ドライバーの視線を地上1.22mの高さに保つと、シトロエンはアナウンスしている。

「Vルミナス・シグネイチャー」を採用

新しいC4を、動画で初めて全体を目にした時は、彫刻的な陰影が強調された静止画像で見た際より、面構成がシンプルで流麗なボディをまとっていることが、印象的だった。シトロエン C4 新型シトロエン C4 新型

フロントマスクも、現行のシトロエンに見られた2段構成のフェイスから、「Vルミナス・シグネイチャー」という新しいデザイン・コードへと刷新された。これはシトロエンのロゴである「ダブル・シュヴロン」を水平基調に伸ばしたグラフィックスと、日中走行灯LEDとヘッドライトの各モジュールを上下に配する点は受け継ぎつつも、両者を繋ぐクロームライン両端を左右に向かって開くVの字型とし、グリルをその下に小さく細く配した。反面、その下のバンパーグリルは大きくなっている。

よりシンプルかつ洗練されたグラフィックで、エフィシェンシーを意識させる意匠に進化したといえるだろう。ライト・テクノロジーも「シトロエンLEDヴィジョン」の名の下にフルLED化され、とくに下部には3モジュールのLEDプロジェクターが配されている。

『CX』や『GS』に連なるデザインを意識

「Vルミナス・シグネイチャー」はリアも共通で、こちらも左右上方に向かってオープンエンドとなるに見えるコンビネーションランプが採用されている。寝かされたアングルのリアハッチのウィンドウと、垂直方向に厚いリアスポイラーは、セバスチャン・ローブ全盛期の「C4クーペ」をも想起させるディティールだ。シトロエン C4 新型シトロエン C4 新型

それでいてトランク容量380リットルは、VW『ゴルフ』と同じ数値で、シートをフルフラットにすれば最大1250リットルまで拡大可能なのだから、特異なデザインでありながらCセグのベルリーヌ・ハッチバックとして上々といえる。BEV版とICE(内燃機関エンジン)版の外観における最たる違いはリアのアンダーディフューザーで、前者にはマフラーエンドは見当たらない。

サイドアングルで際立っているのは、18インチの大径ホイールの安定感と、空力を意識したきわめてスムーズでありながら力強いルーフラインだ。記者発表会の場で、スティル・シトロエンのチーフデザイナーであるピエール・ルクレルクは、ボンネットから前後ドア、リアエンドへ続くショルダーラインから下はSUVの文法に則りつつも、そこから上、サイドウィンドウからルーフにかけての造形はサルーン的で、「『CX』や『GS』に連なるもの」とさえ評した。

広々とした室内空間を予感させる3枚のサイドウィンドウが、伸びやかに連なるグリーンハウスは、シトロエンの伝統なのだ。それでいてDS 3クロスバックと同様、サイドウィンドウ下部に走るクロームモール内にウィンドウスクレイパーを隠して面構成や素材感をシンプルに見せている。また「C4カクタス」以来のディティールであるエアバンプも、フロントドアの下部に備わっている。シトロエン C4 新型シトロエン C4 新型

一体にデザインされたタブレット用ホルダー

注目のインテリアで、キーワードは「体感できるほどの質感」と「現代性」だ。水平方向に薄く広く伸びたダッシュボードは、乗員に室内を広く感じさせ、落ち着きを演出しているという。

ソフトパッドとおぼしき、もっとも目に触れやすい部分にはダブル・シュヴロンをモチーフとした柄が彫り込まれ、質感も高い。ちなみにその助手席側にはプッシュ方式の引き出しというカタチで、「スマートパッドホルダー・シトロエン」という、市販車では世界初の装備となるタブレット用ホルダーが一体型デザインとして備え付けられている。車内で置き場所に困るアイテムだけに、デジタル・コンシャスなシトロエンらしいアイデアだ。

ドライビング環境に目を移すと、フルデジタルのメーターパネルはフレームレスのHD仕様で、ダッシュボード中央上の10インチワイドの大型タッチスクリーンも同じくフレームレスとなっており、ハイテク感を増している。その下、ピアノブラック調のセンターコンソールとの間に配される3連ダイヤルはバイゾーンのエアコンの操作系に充てられている。シトロエン C4 新型シトロエン C4 新型

ATシフトは指でスライド

驚くべきはATシフトの操作系で、センタコンソールに埋め込まれるように配された前後シーケンシャルのレバーを、指で押し引きスライドさせ、R/N/Dの3ポジションを選ぶのだ。

選択中のポジションを示すバックライト表示と同列に、パーキングにするためのPボタンが配されており、その逆側となる手前にはBEV版ではBボタンが、ICE版ではMTモード切替のMボタンがある。MTモード時の変速操作はステアリングポスト側のパドルによる方式だ。加えてシフトスライダーの反対側には、ドライブモード・セレクタがあり、ECO/Normal/Sportの各モードに制御プログラムを切り替えられる。

そしてシートには、C5エアクロスと同じく「アドバンスト・コンフォート・プログラム」が導入されている。視覚上の質感のよさ、15mm厚クッションによる柔らかな座り心地、高濃度ウレタンフォームの採用による走行中のホールド性、さらに長時間にわたる快適な姿勢の維持など、あらゆる面でシトロエンらしいオンボード・ウェルネスを最適化しているという。ちなみに後席の快適性にも新しいC4はこだわっており、ロングホイールベースの恩恵によってリアシートの膝まわりの前後長はCセグ最大を誇るという。シトロエン C4 新型シトロエン C4 新型

さらに静的なコンフォートのみならず、動的クオリティの面でも、プログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)をサスペンションに採用。走行中に安定した姿勢を維持し、緩衝時の底つきや急激なリバウンドを究極まで抑えているという。他にも、ADAS関連機能は20項目にも上り、衝突回避の警告や緊急ブレーキ補助、レーンキープ機能やACCといった基本的なレベル2と、後退時の360度ビューや、ステアリングにヘッドライト照射角が連動するシトロエン伝統の安全快適機能を搭載している。

EV航続は350km

100%の電化パワートレインでゼロ・エミッションであるe-C4については、50kWh容量で高圧400Vのリチウムイオンバッテリーに最大136ps(100kW)、260Nmを発揮するモーターを組み合わせ、WLTPモードで約350kmの最大航続距離を実現しているという。これは「e-208」と同じ容量と出力トルクでありながら、10kmだけレンジが長い。

バッテリー充電は3モードに対応しており、100kW高速充電モードでは1分あたり10km分のペースで、30分でバッテリー容量の約80%をチャージできるという。続く中速充電モードは「ウォールボックス32A」を1相またはオプションの3相11kWで設置することが前提で、1相では約7時間30分で、3相では5時間で満充電とすることができる。普通充電モードは16A・15時間での満充電まで対応しており、フランス本国の一般的な家庭用電源では24時間超かかるという。いずれ欧州市場では、バッテリーには8年・16万kmで70%の容量保証が付随する。

対してICE版のC4では、ガソリンとディーゼルで計7種類のパワートレインが用意される。そのうちEAT8速が組み合わされるのは、ガソリンでは「ピュアテック130 S&S(スタート&ストップ)」と「同155」、ディーゼルは「BlueHDi 130 S&S」で、いずれもユーロ6d規制に対応している。欧州でのデリバリーは9月末からの予定で、日本へは来年後半以降の導入となりそうだ。シトロエン C4 新型シトロエン C4 新型

《南陽一浩》

南陽一浩

南陽一浩|モータージャーナリスト 1971年生まれ、静岡県出身。大学卒業後、出版社勤務を経て、フリーランスのライターに。2001年より渡仏し、パリを拠点に自動車・時計・服飾等の分野で日仏の男性誌や専門誌へ寄稿。現在は活動の場を日本に移し、一般誌から自動車専門誌、ウェブサイトなどで活躍している。

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