【三菱 eKスペース 新型試乗】“何気なく”しっかりした走り、「ルークス」との違いは…島崎七生人

日産『ルークス』との違いは

背高でも“何気なくしっかりしている”走り

後席の快適っぷりとソツのない実用性

三菱 eKスペース 新型
三菱 eKスペース 新型全 24 枚

日産『ルークス』との違いは

ノンターボの基準車同士で見比べると、基本を同じくする三菱『eKスペース』と日産『ルークス』とでは、フロントまわりのデザインはヘッドランプ、バンパー、エンジンフードが共通でグリルのみ作り替えている。リヤは樹脂のガーニッシュとエンブレムの位置が違う。

ボディ色も設定色(とその呼称)に微妙な違いがある。何しろ複雑なのでもし見間違いがあったらご容赦いただきたいが、両車のカタログをつぶさにチェックした限り、少なくとも試乗車の色(ミントブルーメタリック×ホワイトソリッド=有料色)を含む3パターンの2トーンは『eKスペース』専用の設定で、“ブラウン”と“ホワイトソリッド”のルーフ色も『ルークス』では設定されない。

三菱 eKスペース 新型三菱 eKスペース 新型
内装色の明るいアイボリーは基準車同士なら共通のようで、シート表皮は生地とパターンが違い、撥水機能の設定は両車のグレードごとの設定による。

ちなみに今回の試乗車「G」グレードの場合、“撥水シート生地:ファブリック”は標準装備のリストに入っている。装備関係の有無は通常はなかなかわかりにくいが、『eKスペース』のカタログでは巻末の主要装備表がT、G、Mの3グレードで色分けされ、かつ、グレードが上がるごとにたとえばGなら「Mからの主な追加・変更装備」と記述されているので目安がつけやすい。

背高でも“何気なくしっかりしている”走り

三菱 eKスペース 新型三菱 eKスペース 新型
実際に走らせた印象は“何気なくしっかりしている”と感じた。後述するが乗り心地がいいし、そのいい乗り心地を作っている要因のひとつがボディの剛性感で、全高は1780mmに達するにもかかわらず、入力があってもビクともしない。高速走行での外乱に対しても強い。パワーユニットもジンワリと踏み込む運転に適した特性に仕立てられているから、日常でストレスなく走らせることができる。

ところで今回の試乗車だが、実は同じ“NAの2WD車”を『ルークス(ハイウェイスターXプロパイロットエディション)』で試乗済みだったので、走りはまったく同じだろうと考えていた。ところが実際には違いが見られ、乗り心地ではコチラの『eKスペース』のほうがいいと感じたのである。

具体的には走行中に路面から伝わる微震動が明らかに小さく、入力があった場合もタイヤの“縦バネ”がうまく吸収してくれ振動がボディまで伝わりにくく、結果、よりタプッとしたマイルドな乗り味になっていたのである。タイヤのトレッド面の摩擦、抵抗がうまく作用して、ステアリングフィールにもほどよい反力が感じられた。

三菱 eKスペース 新型三菱 eKスペース 新型
事実として確認できたのは装着タイヤの銘柄の違いだけだが(サイズはどちらも155/65R14 75S)、試乗した『ルークス』がBluEarth-FE AE03(ヨコハマ)だったのに対し、コチラはEcopia EP150(BS)。『ルークス』では愛犬の試乗レポートを済ませたばかりだったが、『eKスペース』のほうがより相応しかったかもしれない。

ちなみにステアリングレスポンスが穏やかな分、高速走行時に試した「マイパイロット」の車線中央を維持しようとする時の“修正舵”の感触がより優しく感じられた。

後席の快適っぷりとソツのない実用性

三菱 eKスペース 新型三菱 eKスペース 新型
また後席にも試乗してみたが、売りのひとつである天井の「リヤサーキュレーター」が、着座姿勢(シート座面前後長は大人にはやや短い)で、しっかりとした風量が実感できるのがよかった。スライドドア部の幅約650mm×高さ1400mmのゆとりある大開口もいい。

後席の約320mmのスライド機構と広々としたレッグスペース、助手席下の2段になったアンダートレイ、十分な容量のラゲッジアンダーボックスなど、ソツなく実用性、機能性がしっかりしている点が、このクルマのともかくもの魅力だ。

三菱 eKスペース 新型三菱 eKスペース 新型

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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